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「ベイビー・ブローカー」是枝裕和監督、凱旋記者会見に登場!「カンヌ」最優秀男優賞ソン・ガンホとの濃いエピソードも

Wow!Korea / 2022年6月14日 9時15分

韓国では初登場第1位というロケットスタートを切ったが、現地での舞台挨拶もかなり盛り上がったようで「熱狂的な状況で、叫び声がずっと聞こえている感じでした。感想を聞くって感じじゃないんですけど(笑)、観た方の反応はたぶん悪くないと思います」と手応えを口にする。

韓国のプロダクションでの映画制作について「僕の演出のアプローチの仕方は基本的に日本と変わらないアプローチでやらせていただいて、そこは我を通した部分もあります。韓国はアメリカのやり方を現場で導入しているので、脚本はクランクイン前にすべて完成させて、ストーリーボードも全て書いて…ということまでしないとインしないという雰囲気だったんですが、現場で作っていくやり方を通したので、そのへんは僕自身は楽でした」とふり返る。

一方で、韓国の現場で進む「働き方改革」に関しては「良い方向に進んでいる」と高く評価し「週に52時間という労働時間の上限が明確なので、4日働いて3日休むような感覚で肉体的には楽でした」と語る。その上で「映画界だけに言えることじゃないけど、産業自体の年齢構成が、日本は高齢化して、若い人が入ってこないという状況があり、そこは上に立つ者として責任を感じますが、韓国の現場はほぼ20代、30代が中心。(高齢化が)悪いことばかりじゃないと思うけど、韓国では僕の年齢では監督はほぼ引退して現場には立たなくなっている。改革のスピードの速さが、若々しくて元気あるけど、ある年齢層を現場から外すタイミングが早くなっていて、そういう速さが、こういうなかなか変わらない国にいると『早すぎないか?』と心配もしています」と両国の状況の違いについて言及した。

また、ポン・ジュノ監督の「パラサイト 半地下の家族」、濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」など近年、アジア映画の評価が欧米で高まっているが、こうした変化について問われると「“アジア映画”という括り自体が広すぎてどう答えたらいいか…」と前置きした上で、自身が海外に赴いた際に感じるアジア映画への注目度についても言及。「韓国映画の注目度の高さは、今回(のカンヌで)一番感じたし、(この10年で見ていると)『パラサイト半地下の家族』で結実して、カンヌに来ている(韓国の)ジャーナリストの数は倍になっていると聞きました。今回、早川(千絵監督/『PLAN75』)さんがカメラドール特別表彰を受賞しましたが、日本からも若い才能が出てきている感じは間違いなくあります。それは濱口さんが大きな成果を上げて、でも濱口さんも急に出てきたわけじゃなく、ヨーロッパでは『ハッピーアワー』がフランスで公開された時、結構ヒットして、そのあたりから『濱口をどう思う?』と(海外での取材で)必ず聞かれるようになりました。挙げられる名前が変わっていくタイミングがあって、濱口さんは2015年くらいから聞かれるようになりました。それがいま、韓国の大きな声にちょっと負けている感じはします。もう少し、いろんなサポート体制が充実するといいなという気持ちはあります」。

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