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【財務省】日銀・植田新総裁の金融政策 今後の財政への影響を懸念

財界オンライン / 2023年5月16日 11時30分

4月9日に就任した日銀の植田和男総裁の金融政策を巡り、今後の財政への影響を懸念する声が強まっている。これまでの約10年にわたる大規模金融緩和で国債の利払い費が低下し、財政規律の緩みが指摘されてきたが、植田新体制下で緩和修正に舵を切れば、国債の利払い費が上昇に転じ、財政運営が厳しさを増す可能性が高まるためだ。

 11日の記者会見で鈴木俊一財務相はこうした指摘について、「あくまで一般論だが、金利が上昇すれば利払い費が増加するおそれがある」と言及。そのうえで「今後とも財政健全化に向け、引き続き責任のある経済財政運営に努めていかなければならない」と述べた。

 とはいえ、日銀の今後の政策次第では、これまでの放漫財政のツケが回ってくるおそれは現実味を帯びる。新型コロナウイルス対策でこの数年の新規・借換を含む国債発行額は200兆円を超えている。財務省の試算では金利が1%上昇すれば2026年度の利払い費は3兆6000億円上振れるとされる。加えて26年度以降発行される国債の金利も上がるため、金利上昇局面では利払い費は雪だるま式に増えかねない。

 だが、今の岸田文雄政権で財政再建は「事実上封印されている」(財務省幹部)状態だ。

 首相が領袖を務める岸田派(宏池会)は財政規律を重視してきたが、岸田首相は「自身が財務省に近いと見られるのを非常に気にしている」(政府関係者)という。背景には岸田首相は財務省と距離がある党内最大派閥の安倍派への配慮があるといわれる。

 岸田首相の政権運営は、外交を除く政策の大半は木原誠二官房副長官を中心に財務省が主導している。だが、歳出改革はほとんど手付かずのままで、今の財務省は岸田首相と〝共犯〟関係にあるといえよう。

岸田首相はなぜ、植田和男氏を日銀新総裁に選んだのか?

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