【厚生労働省】5年に1度の年金制度改正 総裁選に絡んで小休止
財界オンライン / 2024年10月8日 18時0分
5年に1度の公的年金の制度改正の取りまとめ時期が、当初目指していた年末から25年の年明けにずれ込む可能性が出てきた。自民党内で新首相選出直後の余勢を駆って10月中に衆院を解散、10月下旬~11月上旬に投開票するとの見立てがあるからだ。厚生労働省官房の幹部は「政治決断が必要な政策は全て、政治情勢が安定するまで方向性を決めることができない」と説明する。
今回の年金制度改正は、少子高齢化が進む中でも、年金給付を維持するために年金の伸びを少しずつ抑える「マクロ経済スライド」の見直しや、働き方に中立的な年金制度の構築が主要テーマとなる。
前者は基礎年金の給付水準の底上げ、後者は厚生年金の適用拡大が検討される見通し。いずれも実現には国民的な理解と大きな財源が必要となるだけに、年金局幹部は「正直、9月中には事務方としての考えをまとめたかった」と明かす。
7月に年金財政の長期見通しを示す「財政検証結果」が公表されて以来、制度改正の方向性が示されているのは、遺族厚生年金の男女差解消などごくわずかの項目にとどまる。社会保障審議会年金部会は9月にも開かれたものの、主要テーマについては委員同士の意見交換のみで事実上の小休止状態にある。
先の年金局幹部は「確かに大きなテーマは手付かずになっているが、制度改正によってどのような財政効果が生じるかは既に試算してある。後は審議会と与党に選んでもらうだけ」と余裕を見せる。ただ、こうした楽観論が通用するのは、次期衆院選後でも自民党を中心とする政権枠組みが続いた場合だけだ。
例えば、日本維新の会は次期衆院選の公約素案で、現役世代が高齢者に年金財源を仕送りする現行の「賦課方式」から自己責任で確保する「積み立て方式」へ移行する抜本改革を掲げている。今後の政治情勢次第では、議論が根本から覆る可能性もゼロではない。
ニッセイ基礎研究所 チーフエコノミスト・矢嶋康次の提言「岸田政権が残した光と影」
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