特集2017年7月22日更新

2017年上半期にブレイクした女優

吉岡 里帆

テレビマンが口をそろえて「一緒に仕事をしたい」女優

「今、各局プロデューサーが口をそろえて『一緒に仕事をしたい』と名前をあげる女優が吉岡です。今年の冬ドラマ『カルテット』(TBS系)では、芸能界でも屈指の演技派と言われる松たか子(39)、満島ひかり(31)を相手に互角の演技を見せ喝采を浴びました。目が笑っていない元地下アイドル役という難しい役を演じきったばかりか、最終回では『人生チョロかったー』と高笑いする怪演ぶりで“主演食い”を高評価する声も上がっている」

本人は「ブレイク女優」1位に戸惑い

最近の活躍を受けて7月スタートのドラマ「ごめん、愛してる」では主演・長瀬智也の相手役としてヒロインに抜擢されている彼女。今回のブレイク女優ランキング1位という結果には「自分には似合わない」と謙遜していますが…

ORICONで発表された「2017上半期ブレイク女優ランキング」で1位を獲得した吉岡は「もったいないですよ、あれは。私なんかに…。本当に。似合わないなぁって思いますもん。ワードが全部しっくりこなくて。ブレイクとかNO.1とか、自分で自分には似合わないなぁって思います」と謙遜すると、「謙遜じゃないんです(笑)! 私はただ、面白いものに出会いたくて、突っ走ってきただけだったので…。苦い思いをしすぎたせいか、あまりにもスポットライト浴びていると、どうにも背中がむず痒くなります。偽善者っぽく聞こえるかもしれないんですけど、本当に私とお仕事をしてくださったみなさんと一緒に獲った1番だなって思いますね」と、これまでの仕事を振り返るようにスタッフや作品に関わる全ての人々への想いを語った。

朝ドラきっかけに数多くの作品に出演

2015年下半期のNHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』出演以降、同4月クールの『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)、7月クールの『死幣-DEATH CASH-』(TBS系)、10月クールの『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』(フジテレビ系)、そして注目度を一気に高めた今年1月クールの『カルテット』(TBS系)まで、途切れることなく連続ドラマに出演してきた吉岡。中でも『カルテット』では、“目が笑っていない”元地下アイドルで人当たりが良いものの何を考えているか分からない、お金のために平気で親しい人を傷つける、いわばサイコパスのような難しい役柄を演じたのだがこれが大好評。「嫌いになりそう」「とんでもない悪女」と評され、演技派の役者陣が揃った同作において決して負けていなかった。4月15日に公開される映画『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』では初のアニメ声優も務めている

卓越した演技力に定評

吉岡さんの強みは同年代の女優の中では特に卓越した演技力。ドラマ『カルテット』で見せた悪女ぶりはメインの4人を喰ってしまうような怪演(!?)で、長尺の掛け合い芝居での迫力は大きな評判となりました。また美人過ぎず親しみやすいルックスと、いまどきというよりは昭和時代の女性がハマりそうな雰囲気も強みです。

「カルテット」(TBS系)での演技に賞賛の声

14日に放送された第5話では、有朱が真紀たちの暮らしている別荘に突撃。すずめや真紀と女3人の会話になり、夫の話題を避けようとする真紀に「家出ですか?」「真紀さんもウソつきですね」「ご主人もう生きていないかも」などと問い詰め、まったく目が笑っていない冷酷な表情で畳みかけた。
これにネット上の視聴者からは「有朱がヤバくて鳥肌立った」「サイコパスすぎて怖い」といった意見が続出。それと同時に「吉岡里穂の演技力すごい」「こんな怪演ができる女優さんだったとは」「目が笑ってない演技が最高」「松たか子と満島ひかりを相手に一歩も引かないド迫力演技」「ただのキレイなだけの女優さんだと思ってたら全然違った」などと、吉岡の演技力を絶賛するコメントが飛び交った。

厳しかったブレイク前の下積み生活

NHKドラマ「美女と男子」出演時で朝ドラスタッフの目に止まり、2015年「あさが来た」のヒロインに抜擢され、注目を集めます。

2015年に放送されたNHKの連続ドラマ『美女と男子』。物語の後半からレギュラー出演していました。芸能界の舞台裏を描いた作品で、彼女が演じたのは清純派女優の朝倉かれん。清純なイメージとは裏腹に、共演俳優を誘惑するなど小悪魔的な女性でした。この役が朝ドラのスタッフの目に留まり、『あさが来た』出演につながったといいます。
朝ドラでは、分厚い眼鏡をかけた、生真面目なキャラクターで、「吉岡里帆」の素はほぼ見えず、完全に役柄になり切っていましたが、強い印象を残す役柄で、女優として注目されるきっかけになりました。

しかしそれまでは、かなり厳しい下積み生活を送っていたようです。

京都の大学に通い始めた頃から演技に目覚めたという吉岡。アルバイトを多い時で4つ掛け持ちして資金を貯め、オーディションを受けるために夜行バスで東京に通う日々が5年も続いたとのこと。女優を志望していることは親にも内緒にしていたため、帰りのバスの中では、『これでいいのか、自分は何かすごい間違いをおかしているのではないか。何のためにこんなことをしているんだろう?』と、自問自答を繰り返していたということでした。そんな下積み時代の辛い心境を涙ながらに吐露した

「どん兵衛」のCMが”かわいい”と話題

同CMは星野源(36)演じる一人暮らしの男性が「どん兵衛」を食べようとした瞬間、吉岡演じる化身「どんぎつね」が現れるというストーリー。吉岡はキツネの耳と尻尾をつけたコスプレ姿を披露しており、揚げを食べられるたびに「あイタッ!」と声を上げる仕草や、どんぎつねの存在を疑う男性に「いや、いますって! 触って!」と顔を数センチの距離に近づけて迫っていく姿に多くの視聴者が悶絶しているのだ。

土屋 太鳳

既にブレイクしている感も強い彼女ですが、今年に入ってからも「PとJK」「兄に愛されすぎて困ってます」「トリガール!」「8年越しの花嫁」などなど多数のドラマ・映画に主演クラスの役どころで出演。さらにパワーアップしているようです。

2005年、女優の蓮佛美沙子や歌手の西野カナらを輩出したオーディション『スーパー・ヒロイン・オーディション ミス・フェニックス』にて、10歳で審査員特別賞を受賞。その後、2008年公開の映画『トウキョウソナタ』で銀幕デビューを果たし、女優業と並行してモデル活動もスタートさせた。2011年にはドラマ『鈴木先生』(テレビ東京系)の主要キャストとして注目を集め、以降は学生役や作品のサブ的な役柄をこなしながら、今日までコンスタントに活動を続けている。

頭角を現し始めたきっかけは「鈴木先生」

そんな土屋が頭角を現した作品が、11年に放送されギャラクシー賞などを受賞したドラマ「鈴木先生」(テレビ東京系)である。演じたのは物語の核となる聡明な美少女・小川蘇美役。シリアスなテーマをみごとに表現した演技力もさることながら、毎回のように登場した鈴木先生の「妄想シーン」における際どい演技も話題となった。土屋自身、
「原作を読んだ時には、これは放送できないのでは?と驚いたが、自分はこの作品にお嫁に行くんだな」
と決意したほどハードな場面の連続だった。

その後2015年のNHK朝ドラ「まれ」に主演、活躍の幅を広げていきました。

ダンスやマラソンも高評価

日本女子体育大学の体育学部運動科学科で舞踏学を専攻していたという彼女は、高い運動能力を生かしたダンスやスポーツ系でも持ち味を発揮しています。

現在は、日本女子体育大学の体育学部運動科学科で舞踏学を専攻する現役女子大生。清楚で物静かなイメージが強いが、スポーツは万能だ。幼少時から日本舞踊にクラシックバレエ、スキーに乗馬などで体を鍛えてきた。同大附属の女子高時代には、創作ダンスの部活動にも熱中していた。
土屋は、オーストラリア出身のシンガー・ソングライターであるシーアの新曲『アライヴ』の日本版ミュージック・ビデオ(MV)に出演。その予告動画が2日にYouTubeで公開されると、瞬く間にネット上に広まり、「圧巻!」「ここまですごいとは」などと驚きのコメントが相次ぐこととなった。
3歳から日本舞踊やクラシックバレエなどを習い、在学中の日本女子体育大学でも舞踊学を専攻する土屋。覆面アーティストとしても知られるシーアのトレードマークは金髪と黒髪半々のボブヘアだが、土屋も同じタイプのウィッグを着用し、2度のグラミー賞ノミネート歴を持つ歌手の世界観をコンテンポラリー・ダンスで表現した。
土屋のタフさを知らしめたのが、昨年10月8日に放送された『オールスター感謝祭』(TBS系)の“赤坂五丁目ミニマラソン”だった。リオデジャネイロオリンピックの男子5000メートルと、男子10000メートルで金メダルをとったイギリスのモハメド・ファラー選手(34)や、男子マラソンのカンボジア代表としてリオデジャネイロオリンピックに出場した猫ひろし(39)らと走った土屋は、ハンデこそあったものの、3周目までトップを守る激走を見せた。最終的には8位(女子では1位)と大健闘。ゴールイン後は力尽きて倒れこんでしまったが、フラフラになりながらも、主演ドラマのPRをする土屋の姿に、ネット上では、「すげー感動した」「誠実すぎる」などファンから称賛の声が相次いだ。

永野 芽郁

「俺物語」のヒロインで注目を浴び、雑誌のモデルと並行しながらCM、ドラマなどで活躍をしています。また来年度のNHK朝ドラの主演にも抜擢、これからのさらなる飛躍も期待できそうです。

そんな永野さんが注目されるきっかけになったのは2015年10月に公開された映画『俺物語!!』でヒロイン・大和凛子役を演じたこと。当時ファッション誌『nicola』のモデルを務めていたものの、その名前を一般的にはまだほとんど知られていなかった彼女に、「あのコ、誰!?」と“彗星の如く表れた”話題性がありました。
また永野さんは女優活動と並行し、雑誌『ニコ☆プチ』のモデルを2010年から、先にも述べた『nicola』のモデルを2013年から、そして2016年からは雑誌『Seventeen』の専属モデルを務めています。そのことで、まず同世代の女の子から人気の火がつき、今も絶大な支持を集めています。そのキャラクター的に男性でも、アイドルファンのような年上のオタク的な人というより、同世代の“非オタク”の男性に人気が高いのも特徴です。

モデルと女優の“二刀流”

「彼女は10歳の頃からファッション誌『ニコ☆プチ』(新潮社)でレギュラーモデルを務めてたくらい、筋金入りのモデルさんです。今は『Seventeen』(集英社)の専属モデルをしていますが、しばらくはモデルと女優の“二刀流”でいくようですよ」(ファッション誌関係者)

出演したCMが続々と話題に

アルペン CM「青い冬、はじまる」篇

同CMはスキー場の美しい雪景色の中、永野演じるヒロインの甘酸っぱい恋心を3話構成で描く内容。
ニット帽をかぶったバイト姿とバブルの香りが残る90年代にタイムスリップしたワンレン姿、いずれも「可愛すぎる」と評判に。ネット上では「透明感ハンパない」「呼吸困難になりそうなほど可愛い」「こんな可愛い子がスキー場にいたら泣いて喜ぶ」「来年ブレイク確実だな」「永野芽郁のCMがどんどん増えてくのとても嬉しい」などと歓喜のコメントが殺到している。

UQ mobile CM「家族旅行」篇

また、三姉妹の一人、永野芽郁に注目する人も多いようで、「永野芽郁ちゃん、かわいいんだよな~」「最近永野芽郁よく見るし、今年すっごく売れそう」「UQモバイルの永野芽郁ちゃんマジでかわいいわ」といった声も目立っている。

カルピスウォーター CM「君と夏の終わり」編

今回公開されたCM「君と夏の終わり」篇は、制服姿の永野が友達と歌を歌いながらプール掃除をするというもの。男子2人女子3人が水をかけあってじゃれたり、プールサイドに寝そべったりと、高校生らしいシーンがいくつも映し出されるCMだ。
映像だけでなく、BGMまで爽やかに仕上げられたこのCMは、公開直後からその“青春ぶり”がSNSなどで評判に。「私もこんな青春送りたかった」「ベッタベタな高校生の夏がまぶしすぎる」「爽やかすぎて心に刺さる」「曲のせいでめっちゃ高校の頃思い出す」「カルピスであの花!」といったコメントがあふれている。

平成30年度 NHK朝ドラ「半分、青い。」のヒロインに抜擢

・ 「半分、青い。」 がんばります☺︎ よろしくお願いします!

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2366人が参加したオーディションは、大激戦だったようで「どなたが受かってもおかしくなかったが、おおらかで、天真らんまん、そして度胸と愛嬌があるヒロインに永野さんはぴったりでした」と制作統括の勝田夏子氏。ヒロイン決定の一報が永野にもたらされたのは、昨日19日の夜のこと。「絶対に受からないと思っていた」という永野は新たに面接を受けようと会議室に向かうと、そこで「ヒロインはあなたです」と書かれた証書を手渡され、あまりの驚きに号泣してしまったようだ。そして報道陣を前にして「(朝ドラのヒロインを)私本当にやれるんだと、今実感しています」と思いの丈を述べた。

杉咲 花

もともと『まるまるちびまる子ちゃん』(フジテレビ系)といったドラマに出演するなど子役として活動していたが、所属事務所を退所し、いったんは子役を卒業。しかし女優になる夢を捨てきれず、オーディションに参加して再び芸能界入りしたという過去を持つ。
 杉咲が再び芸能界入りを夢見るようになったのは中学生の頃。志田未来(23)に憧れ、彼女が所属する研音のオーディションを受けて見事に合格した。そして、2011年には『ドン★キホーテ』(日本テレビ系)で子役卒業後初のドラマ出演を果たす。その後、『MOZU』(TBS系、WOWOW)や『家族のうた』(フジテレビ系)といったドラマに多数出演。2013年には、ドラマ『夜行観覧車』(TBS系)で家庭内暴力を振るう娘役での好演が話題に。さらには今年、高視聴率をマークした連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(NHK)の三女役で、一躍注目を集めることとなった。しかし、実は彼女にはそれを上回る代表作がある。
「『とと姉ちゃん』の美子役で、一気に知名度を上げた杉咲さんですが、彼女が世間に認知されたのは味の素『クックドゥ』のCMがキッカケでしょう。ホイコーローを夢中にほおばる姿が印象的で、名前は分からなくても“クックドゥの子”として有名になりました。そのCMの印象が強いのか、実際は小食なのによく大食いだと勘違いされるらしいですよ」(アイドル誌ライター)
CookDoのCMでぐっさんを相手に回鍋肉をとりあうあの娘。肉をほおばった時の勝ち誇った表情。目だけですべてを物語る。驚異的な演技力です。
彼女も2013年のドラマ「夜行観覧車」(TBS)でその存在感を際立たせていました。演じたのは、親に対して荒れまくる反抗期の女子高校生。そのブチキレ具合に鳥肌が立った視聴者、多かったのでは。

さまざまな映画賞を受賞

第26回 日本映画批評家大賞で助演女優賞を受賞

 杉咲は、トロフィーを手に「すてきな賞をありがとうございます。正直、完成したものを初めて見た時は、自分の演技に反省点が幾つもあったのですが、あの時、自分にできる精いっぱいのものを出し切ることができたんじゃないかな…と思っていて。それもこの映画に携わってくれた全ての方々のおかげです」と感謝の思いを口にした。

第40回 日本アカデミー賞で最優秀助演女優賞を受賞

杉咲さんは、主に映画で話題作に続々出演。映画『湯を沸かすほどの熱い愛』での熱演で「日本アカデミー賞」最優秀助演女優賞をはじめ、数々の映画賞で受賞したほか、木村拓哉さんと共演した『無限の住人』も大きな話題となりました。

平 祐奈

小学6年生のときに映画『奇跡』(是枝裕和監督)のオーディションに合格、女優デビュー。その後モデルとしても活躍。2012─2013年度おはガールとして歌手活動も行うなど、多方面で才能を発揮しています。小柄で童顔なことから、今でも中学生役を違和感なく演じることができ、映画『貞子3D』で石原さとみの少女時代を、映画『紙の月』で宮沢りえの少女時代を務めたほどの美少女。実の姉は14歳年上の平愛梨。
「20歳まで細眉禁止を言い渡されています。今では逆にその太眉がトレードマークとして祐奈を印象づける結果となりました。兄からは、20歳まで恋愛禁止を厳命され、忠実に守っていると評判です。好奇心旺盛で、2歳から12年間続けたバレエ、茶道、トランペット、ダンス、フィギュアスケートなど次々に挑戦、その豊かな表現力を支えています」(テレビ誌記者)

姉・平愛梨とのSNS投稿が話題

この可愛すぎる姉妹動画に、「お姉ちゃん、おもしろいけど、遊ばれてますね」「祐ちゃんの方が上手でしたな」「これは、、可愛すぎる」「なんか癒される」「いいなぁー」「癒されたーありがとー」「このやりとり面白すぎる」と絶賛の声が上がっている。

大学生と女優の“二足わらじ”

画『案山子とラケット ~亜季と珠子の夏休み~』、ドラマ『JKは雪女』(ともに2015年)で主役を演じた平祐奈は、『2016タレントCM起用社数ランキング』(ニホンモニター社調べ)の女性部門でも4位にランクイン(10社)。この春からは大学生にもなり、女優業と二足のわらじ生活が始まる。

今回紹介した5人以外では、5位に「あなたのことはそれほど」に主演の波瑠、6位にドラマだけでなくバラエティでも新たな一面を見せている木村文乃、8位に「チア☆ダン」で話題になった中条あやみ、9位に若手女優の注目株というだけでなくオリジナルアルバムを出しアーティストとしても脚光を浴びる上白石萌音、10位に女優としてドラマ・舞台に活躍、CM出演も一気に増えた元AKB48の川栄李奈が選ばれました。今クールのドラマにも多数主演・出演している彼女たち、これからのさらなる活躍にも期待できそうです。