これでスッキリ!? 意外と知らない“あれ”の正式名称

2018年6月5日更新

身近にあるモノについて話そうとする際に名前が出てこないで、代わりに「~のあれ」や擬音などで表現して相手に伝わってしまい、結局、名前を知らないまま…ということはありませんか? そんな、頭に浮かぶけれど名前が出てこない“あれ”の正式名称をまとめてみました。ちょっとした雑学として覚えておけば、いつかドヤ顔で披露できる日が来るかも?

身体にまつわる“あれ”の正式名称

かき氷を食べると「キーン」となる“あの頭痛”

「アイスクリーム頭痛」

これは「アイスクリーム頭痛」と呼ばれ、冷たいものが喉を通過することで三叉(さんさ)神経が刺激されて起こります。
この三叉神経とは頭部(こめかみ)から目、上顎、下顎に分かれており、痛みを感じる片頭痛を起こします。正しくは「頭の神経痛」で、脳の痛みではなく頭蓋骨の外側が痛むため、命に関わる痛みではありません。

目が覚めたら手がしびれて動かない

「ハネムーンまひ」

上腕には橈骨神経(とうこつしんけい)という神経があります。これが圧迫されまひが起こると、手がしびれたり、うまく動かせなくなったりといった症状が現れます。
腕枕のような軽い圧迫でも発生することが知られており、英語には「ハネムーンまひ(Honeymoon palsy)」という、やたらとロマンチックな名称が存在。しかし、悲しいことに、自分の腕を自分の身体で圧迫するなどして、1人で寝ているときに起こる場合もあります。

ヒジをぶつけた時にビリビリとする“あれ”

「ファニーボーン」

実はアレ、「ファニーボーン」というカッコイイ名前があるのです。上腕骨を意味するヒューメラス(humerus)と、「おかしい」「面白い」という意味のヒューモラス(humorous)の発音が似ていることから、ファニーボーンとなったのです。ファニーボーンは英語で「ユーモアのセンス」という意味があり、クレイジーボーン(crazy bone)とも呼ばれているそう。
「前腕の小指側には尺骨という骨があり、この尺骨に沿って尺骨神経があります。実際には、骨ではなく、この尺骨神経が刺激されてしびれがもたされます。小指のほうまでビリビリしびれるのは、尺骨神経が浅い場所にあって刺激を受けやすいから」とのこと。

目の中で動く虫のような“あれ”

「ムスカイ・ボリタンテス」「飛蚊症」

この症状にはちゃんとした学術名称があり、ラテン語で「ムスカイ・ボリタンテス」といい、日本では「飛蚊症(ひぶんしょう)」と呼ばれている。読んで字のごとし、蚊がとんでいるようでなんとも煩わしい現象だ。「浮遊体が見えたからといって、すぐ目を洗うようなことはしないで下さい。これは誰しもにおきる生理現象なのです」と、眼科医は指摘している。
動いたり形を変えたりするため、微生物のような生き物に思われがちだが、飛蚊症の正体は光の強さや色、形を感じる機能をつかさどる網膜におちる影なのである。

時計に目を向けた瞬間だけ秒針の動きが遅く見える現象

「クロノスタシス」

「クロノスタシス(Chronostasis)」はギリシア語で時間を表す「chrono」、持続を意味する「stasis」を組み合わせた言葉。アナログ時計を見た直後だけ、秒針の動きを遅く感じてしまう錯覚を意味します。
原因として考えられているのは、目を動かした際に視界がぶれないように調整する脳のはたらき。目から得た視覚情報を認識しやすいように処理する影響で、実際の時間と感覚的な時間に小さなズレが生じてしまうというわけです。

アルミホイルなどを噛んだ際に流れる電流

「ガルバニー電流」「ガルバニック電流」

あの現象の原因は、「ガルバニー電流」「ガルバニック電流」と呼ばれています。異なる金属同士が唾液を介して接触すると流れる弱い電流で、スプーンなどをかんだときのほか、上下のかみ合わせで異なる金属の詰め物を使用している場合にも起こるとか。
人体で起こることとはいえ、メカニズム的には電池と同じで、微弱とはいえ、電流は電流。ガルバニー電流によって、脳からの電気信号が混乱したり、歯がこげたり、銀歯などが溶けたりする場合もあるそうです。

うたた寝でビクッとなる“あれ”

「ジャーキング」

誰でも経験のある「寝ピク」。電車でうたた寝をしているときや、昼寝のとき、授業中に居眠りしているときなど、急に階段を踏み外したり、穴に落ちるたりするような感覚で無意識に体が動いてしまった経験があると思います。
このように無意識に筋肉が一瞬、痙攣する現象を「ジャーキング」と呼びます。ミオクローヌス(不随意の筋肉の痙攣)の一種で、入眠状態に移行する時、また、脳が起きているレム睡眠状態の時によく起こります。起きている脳が、筋肉が弛緩して眠っている体を「高所から落下している」と勘違いし、無意識の筋肉収縮が起こるという本能的な防御反応なのです。

親指を反らせた時にできる“あのくぼみ”

「解剖学的嗅ぎたばこ入れ」

「解剖学的嗅ぎたばこ入れ」があるのは、親指の付け根。2つの腱に挟まれており、親指を反らせたときにできるくぼみのことをいいます。英語では「Anatomical snuffbox」。Anatomicalは「解剖学上の~」、「snuffbox」は「嗅ぎたばこ入れ」を意味し、そのまま訳した表現が使われているようです。
嗅ぎたばことは、火を使わずに、粉末を鼻の粘膜などから摂取する粉末状のたばこ。解剖学的嗅ぎたばこ入れという名称は、ここが吸う分の粉末を置く場所として使われることに由来するとか。

よく見る“あの部分”の正式名称

視力検査に使われる“あのマーク”

「ランドルト環」

あのマークが誕生したのは、今から100年以上昔のこと。フランスの眼科医エドムント・ランドルト氏が1888年に考案したことから、「ランドルト環」と呼ばれています。
ランドルト環は「円環全体の直径:円弧の幅:開いている部分の幅=5:1:1」になるように描かれており、視力は視角(開いている部分と目の中心を結んだときにできる角度の大きさ)と反比例の関係にあります。

新品の靴下を1足に留めている“あの金属”

「ソクパス」

1948~1949年頃の米国では「パッチャー」と呼ばれていたが、拡げた形がコンパスと似ているため日本では「ソックス+コンパス」でソクパスと呼ばれるように。日本で最初に使用したのは靴下などの企画製造販売を行なうナイガイ。同社では約8年前にアルミ製から紙製に変更、アルミ製は流通量が減少傾向にある。

靴紐の先端に付いている“堅いあれ”

「アグレット」

フランス語で小さな針を指す「aiguille」(エギーユ)が語源。紐の先がほつれるのを防ぐほか、靴紐を通しやすくする。装飾品としての目的もあり、プラスチック製のもので100円程度から、金属製でも数百円程度で購入できる。

バナナの茶色い斑点

「シュガースポット」

バナナがさらに熟していくにつれ、皮には“シュガースポット”と呼ばれる茶色い斑点がポツポツと現れ、徐々に広がって、全体が茶色くなってくる。この「茶色バナナ」に期待されるのは、免疫力向上効果と、胃かいようの抑制効果。

みかんの果肉のまわりに付いている白い筋

「アルベド」

みかんの白い筋は、正式には「アルベド」といいます。このアルベドは、食物繊維が豊富で、さらにみかんの身よりも多くの栄養価が含まれており、なかでも「ビタミンP」は身の300倍近くにもなります。

トイレットペーパーの三角折り

「ファイヤーホールド」

三角折りのはじまりは消防士だそうで少しでもトイレットペーパーをつかみやすくし、迅速に対応できるようにするためだったとか。当初は「ファイヤーホールド」と呼ばれていたそうです。

ただし、この説は「デマ」だとか…。

2015年2月放送の「爆笑問題のそれっていつから?ヒストリー」という番組でこのトイレットペーパー三角折りの件が特集されていました。
都市伝説的に語られる「アメリカの消防士さん緊急時すぐ出られるように三角に折られたことが起源で、そのことから”ファイヤーホールド”と呼ぶ」という件に関しては同番組で、はっきりとデマであったことが立証されました。

ちなみに三角折りの起源はアメリカではなく、ビジネスホテルや銀座のクラブという説があり、どちらにしても日本発のトイレ文化ではないかということです。

身近な“あの製品”の正式名称

中華まんに付いている薄い紙

「グラシン紙」

中華まんの敷き紙の名称は、「グラシン紙」。紙の原料となるパルプをよくすりつぶすなどの処理を行うことで、あの半透明で滑らかな外見になるといいます。蒸し器と中華まんがくっつかないようにする役割があり、「せいろ敷き紙」「セパレート紙」といった名称で販売されている場合もあります。

レジでお金を置くトレー

「カルトン」

厚紙でできた箱を意味するフランス語「carton」から。タバコなどをひとまとめにしている箱を「カートン」と呼ぶことと語源は同じ。プラスチック製、革製などがある。「キャッシュトレー」や「会計盆」とも。

理髪店の前に置かれている赤・青・白の“あれ”

「有平棒」「サインポール」

呼び方は2通りあるみたいですが、「有平棒」あるいは「サインポール」が答えです。有平棒は「あるへいぼう」と読みます。サインポールはSign poleとつづりますが、英語ではBarber poleですね。
有平棒の由来は、金平糖とともに南蛮から伝わったお菓子の有平糖に似ているからだとか。確かに調べてみると、有平糖のねじり棒にそっくり。

福引きでガラガラ回して玉を出す“あれ”

「新井式廻轉抽籤器」

商店街の福引きなどでよく見かける抽選器で、一般的には「ガラガラ」「ガラポン」などと呼ばれているようです。その正式名称は…

「新井式廻轉抽籤器(回転抽選器)」になります。インターネットショップで調べてみましたが、価格は数千円から数万円までさまざま。

その正式名称のとおり、帽子屋を営んでいた新井卓也氏が考案し、特許を取得した抽選器だそうです。

トイレなど水回りの詰まりを解消してくれる“あの道具”

「ラバーカップ」「プランジャー」

多くの人が「(トイレの)スッポン」と呼んでいるであろうこの道具は、ほかにも「ギュッポン」「ボンテン」「ガッポン」「スッポン」「ズッコン」「パッコン」「バッコン」「ヘプシ」「カッポン」「キュッポン」「キュッポンキュッポン」「パフパフ」「キュポキュポ」など通称がいっぱいある模様ですが、正式名称は「ラバーカップ」。

この「ラバーカップ」だが実はこれ和製英語でラバー(ゴム)のカップということでラバーカップと呼ばれているが英語では正式名称「プランジャー」と呼ばれている。つまり「プランジャー」と呼ぶのが最もふさわしいのだが「プランジャー」で呼ぶと日本では「?」となってしまうので、結局のところ一番多く呼ばれている「スッポン」でいいのではないかと思われる。

「グリコ」の“あのマーク”

「ゴールインマーク」

赤い箱の栄養菓子「グリコ」を創製したときから「食品による国民の体位向上」を社是として人々の心身の健康に貢献することを掲げて企業活動を進めてまいりました。この「グリコ」の外箱に表記したゴールインマークは、子供がかけっこをしてゴールインする姿をヒントにしたものです。

普及した名称に隠れた正式名称

テトラポッド

「消波ブロック」

港や河川敷にごろごろ転がっている、三角形とも三角錐とも名状しがたい無骨なコンクリートの塊。一般的には「テトラポッド」の名で親しまれているが、これは最大手メーカーである不動テトラの商標で、正式名称は「消波ブロック」、あるいは平たい形のものと併せて「消波・根固ブロック」などと呼ばれる。

このように、特定メーカーの商品名(商標)が一般名称化するパターンは数多く、有名どころでは「ホッチキス」(ステープラ)、「エスカレーター」(自動階段)、「セロテープ」(セロハンテープ)、「うどんすき」(よせ鍋うどん)などがあります(カッコ内は元の一般名称)。

@(アットマーク)

「コマーシャルアット」

世界的に統一されたコンピュータ用の文字コードであるユニコードでは「コマーシャルアット(商売のアット)」という名前がついている。
元々は商用記号で商品の単価を示す記号として「りんご@¥150」のように使われていた。電子メールが登場すると、自分の所属を表わす部分(ドメイン=@以降の部分)に英単語「at」の意味で用いられるようになった。英語では「at sign」(アットサイン)とも呼ばれる。

東京タワー

「日本電波塔」

東京タワーの正式名称は「日本電波塔」とする説があります。東京タワーの公式キャラ「ノッポン弟」は、タワーの正式名称は東京タワーで、運営管理の会社名が日本電波塔だとツイートしたことがありますが、日本電波塔株式会社の社長や社員がテレビ番組で「正式名称は日本電波塔」と明言したことがあるのです。建設当初、公募で名称が決まる前の正式名称が日本電波塔だった、と考えるのが正しいとする説もあります。