熊本地震から2年 復興の現状と課題

2018年4月16日更新

2016年4月14日と16日に最大震度7を二度も観測し、多くの被害を引き起こした熊本地震から2年。復興に力を注ぐ被災地の状況や新たに浮上している問題点、さらに企業や著名人などが実施している復興支援をまとめてみました。

最新ニュース

芝原地区で進む液状化対策工事=熊本県甲佐町で、中里顕撮影

熊本地震:産廃か 液状化の宅地、地中に大量コンクリ片 

毎日新聞 / 2018年10月23日 8時46分

 2016年4月の熊本地震で発生した液状化現象の再発防止対策工事が進む熊本県甲佐町の住宅地で、地中から建築物を解体した残骸の産業廃棄物とみられる大量のコンクリート片などが見つかった。民間事業者が08年度までに宅地造成した土地で、町は事業者や入居者に補助金を出して定住を促進していた。 [全文を読む]

熊本地震による犠牲者は267人に

住宅の全半壊は4万3392棟

熊本地震は2016年4月14日午後9時26分にマグニチュード(M)6.5の前震、16日午前1時25分にM7.3の本震が起きて最大震度7を2度観測した。熊本、大分両県の犠牲者は、直接死50人と関連死212人、地震後の豪雨による5人の計267人に上り、住宅4万3392棟が全半壊した。

仮設生活者は今も3万8112人

熊本県では、仮設住宅や自治体が民間住宅を借り上げる「みなし仮設」などに3万8112人(3月末現在)が身を寄せており、住まいの確保が今後の大きな課題となる。
原則2年の仮設入居期限は1年延長となり、4~5月に期限を迎えるみなし仮設の1968世帯が延長を認められた。

「前震」発生から2年…各地で祈り

最大震度7を2度観測し、震災関連死を含め267人が犠牲になった熊本地震は14日、発生から2年となった。熊本市の熊本県庁で県主催の犠牲者追悼式があるなど、被災地では各地で家族や友人らの冥福を祈る人々の姿があった。
県庁での追悼式には遺族ら319人が参列。同県益城(ましき)町の自宅が全壊し、母ミス子さん(当時84歳)を亡くした松野良子さん(61)が遺族代表としてあいさつに立ち「この2年、支えは地域の方々や親戚などとの強い絆だった。これからも熊本、益城町が大切な故郷です」と述べた。蒲島郁夫知事は「熊本を再生し、次の世代に引き継ぐことは今を生きる私たちの使命だ」と決意を語った。

熊本地震で被災した各地の復興状況

熊本のシンボル「熊本城」

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3月28日、熊本市が「熊本城復旧基本計画」を制定しました。

その計画では、県民・市民の復興シンボルとして「天守閣」の復旧を最優先しているのが特徴です。現時点では、2019年秋頃に大天守の外観復旧、2021年春頃に天守閣全体の復旧完了を目指すとなっています。
既に2016年から工事が実施されていることを勘案すると、天守閣全体の復旧だけで5年弱の期間を要することになります。
そして、城門や石垣など全てを含む熊本城の完全復旧完了は2038年度、つまり20年間を要する計画となりました。

4月6日からは大天守に「しゃちほこ」を設置する作業が始まっています。

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熊本と大分を結ぶ「豊肥本線」

JR九州は9日、熊本地震から2年になるのを前に、地震による土砂崩れで壊滅的な被害を受けた熊本県南阿蘇村の豊肥線や立野駅などの復旧状況を報道陣に公開した。
公開されたのは、立野駅のホームや近くの斜面崩壊現場など。立野駅は地震でホームが崩れたが3月に修復を終えた。土砂で線路が埋まった肥後大津-立野駅間は土砂の撤去をほぼ終え、今月中に線路を敷設する盛り土の整備を始めるという。

現在、豊肥本線は肥後大津駅-阿蘇駅間27.3kmが不通で、全線開通の見通しは立っていません。

被災各地の復興の様子

熊本県益城町

熊本県熊本市

熊本県合志市

熊本県南阿蘇村

被災者の生活にのしかかる問題点

熊本県内376世帯の生活保護が打ち切り

毎日新聞が、県の8福祉事務所と県内全14市に地震後から今年2月までに生活保護費を打ち切った世帯数を聞いたところ、延べ376世帯に上った。関係者が震災関連死に認定されて災害弔慰金を受けたり、地震保険金を受けたりして打ち切られたケースがあった。
日本弁護士連合会は、熊本地震を受けた16年5月の緊急会長声明で「生活保護が停止されて生活再建が困難となっては義援金や保護制度の趣旨に反する」と懸念を示していた。県は「保護が廃止になったとしても再開申請はできるし、必要と判断すれば保護を再開する」と説明する。

人手不足で住宅の建設進まず

熊本地震から2年となるが、熊本県内では依然約3万8000人が応急仮設住宅や民間物件を借り上げたみなし仮設住宅などでの生活を余儀なくされている。恒久的な住まいは被災者の生活再建の基盤だが、人手不足を背景に自宅の建設や災害公営住宅の着工は思うように進んでいない。
仮設住宅の入居期間は原則2年。県が昨年11月に仮設の約1万7500世帯に実施したアンケートでは、回答の6割に上る9775世帯が期間延長を希望した。理由は「自宅再建が間に合わない」と「災害公営住宅の完成が間に合わない」で計6割を占めた。政府は昨年、期限の1年延長を決定した。

軒先避難者を縛り続ける「応急修理制度」

熊本出身のキャスター武田真一は「1年前にも来ましたが、まだまだ時間がかかるというのが実感です」と伝える。倉庫や物置小屋などでの仮住まい、いわゆる「軒先避難」が45世帯もあるのだ。高木サチ子さん(71)も倉庫に住む。自宅は全壊の判定を受けたが、仮設への入居は2度抽選で外れた。やむなく、200万円かけて自宅の台所、トイレ、風呂を修理した。その際、「応急修理制度」の適用を受けた。修理費の一部を国が補助してくれる。上限57万6000円だ。
しかし、この制度を利用すると、自宅再建とみなされて、仮設住宅への入居ができなくなる。おかげで、寝泊りは依然として倉庫だ。冬は氷点下にもなる。3度も肺炎になった。その後、自宅を再建する人が増え、仮設にはいま300戸の空きがあるが、町は「制度の縛りがあるから」と、高木さんの入居を認めない。

不安や孤独から“ハイリスク飲酒者”になるケースも

昨年秋、『熊本県精神保健福祉センター』に寄せられたアルコール依存症の電話相談件数が地震前の3倍になったと、『熊本日日新聞』が報じた。精神保健福祉センターによれば、’15年度に50件だった相談が’16年度に149件、’17年度は約200件まで増加した。
「依存症とまではいかなくても、“ハイリスク飲酒者”は被災地で確実に増えています」
飲酒量のコントロールができず、生活が立ちゆかなくなり、仕事も人間関係も損なうのが依存症だとすれば、仕事には行けるが、休みの日は昼から飲み続けてしまうのがハイリスク飲酒者。放置すれば当然、依存症に移行する危険性が高まる。
「震災後、人々の悩みの質も変わってきています。震災のあった’16年度は怖くて眠れない、ひとりだと不安、すぐに涙が出てくる、何にも考えられない、死にたいなど情緒的で生々しい話が多かった。
ただ、’17年度は生活再建、家族問題など現実的な悩みがほとんど。今は生活再建のめどが立つかどうかの最後の分かれ道なんです」。

多方面で行われている復興支援

九州電力 「電気工事費」免除延長

九州電力が、今月末に適用期限を迎える熊本地震の被災地支援策を延長する方向で調整していることが13日、分かった。個人や企業が住宅再建時などに負担する電気を引き込むための工事費を、5月以降も一定期間免除する。近く経済産業省に申請し、正式に認可される見込み。
九電は被災直後の2016年4月中旬に電気工事費の免除措置を導入し、これまで約2200件に適用した。数回の延長を経て今年4月末が期限となっていたが、今後の住宅再建も見込まれるため延長する方針を固めた。

南阿蘇鉄道 「がんばれクマモト!マンガよせがきトレイン」

小学館の漫画家・原作者117人が描いた応援イラストの「がんばれクマモト! マンガよせがきトレイン」が、昨年に引き続き今年も運行することになったのである。
これは「熊本の復興を応援しよう!」という趣旨に賛同した作家たちが色紙に絵を描き、それをラッピング車両にしたもの。
マンガよせがきトレインは水色とピンクの車両がある。どちらも両サイドに色紙絵がラッピングされているが、貼られている絵はそれぞれ逆のため、2両つなぐと全部の色紙絵が見えるようになっている。

フェイスブック 「震災復興コミュニティサミット」

「サミット」では、フェイスブックジャパン代表の長谷川晋氏が、フェイスブック上での「いいね」やコメント、シェアといった「エンゲージメント」に応じて、10万エンゲージメントを上限に1エンゲージメント10円を寄付するプロジェクトの開始を発表した。
対象となるのは、「くまもと友救の会」(熊本県益城町)、「つながろう なみえ」(福島県浪江町)、「阪神淡路大震災1.17希望の灯り」(兵庫県神戸市)の3団体で、寄付金や物資、広告支援という形でサポートする。

「ふるさとチョイス」復興支援特集ページ開設

2016年4月に発生した「平成28年熊本地震」では、これまでのふるさとチョイスの「災害支援」において最も多くの寄附金が全国から届けられ、現在(2018年4月13日時点)、約18億円を超える寄附金が集まっています。
「平成28年熊本地震」では、2015年の台風18号の記録的な豪雨で被害を受けた茨城県境町が自らの被災経験を教訓に、ふるさと納税による寄附を代理で受け入れることを申し出て、当社で初めて代理寄附受付を開設しました。そして、その動きは一気に全国に広まり、40以上の自治体が参画し、被災地の代わりに8億円もの寄附金を集め、被災地に届けました。

サクラパックス 組み立てキット「熊本城 組み建て募金」

サクラパックス株式会社(本社:富山県富山市)は、2016年の熊本地震により、石垣の崩落など大規模な被害を受けた熊本城の復興を支援するため、梱包用ダンボール素材で熊本城をリアルに再現した組み立てキット「熊本城 組み建て募金」の限定パッケージ版を全国のお城で販売いたします。
ダンボール熊本城を「買う」「組み建てる」「置く」というアクションで、熊本城の復興を継続的に支援する仕組み「熊本城 組み建て募金」は2017年4月にスタートしました。世界10の国と地域から注文が届くなど国内外から賛同者を集め、6,000個を販売、総額1,400万円の寄付金を集めることに成功しました(2018年3月時点)。

熊本県キャラクター「くまモン」と手を結んだ復興活動

ファクトリエ×くまモン 「くれよんでぬるくまモンのぬりえTシャツ」

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プロジェクトは熊本県に本社を置き、地震発生直後からさまざまな復興支援を続けてきた衣服ブランド「ファクトリエ」が主催。今年は「くれよんでぬるくまモンのぬりえTシャツ」をネット上で発売する。熊本製の白地Tシャツに描かれた無色のくまモンに、協賛社ぺんてる製の布用クレヨンを使い色を塗ることで、オリジナルのTシャツを作ることができるというもの。制作費を除いた収益は、熊本県に全額寄付される。

やおきん×くまモン 「くまモンうまい棒」

株式会社やおきんは、熊本地震の被災地復興を支援する目的として、10円でも復興支援ができる「10援プロジェクト」企画商品として、「くまモンうまい棒」を5月中旬から全国で発売します。
小さな子供からお年寄りまで、この10円の商品でも復興に貢献できる商品を展開する「10援プロジェクト」の商品として、2017年6月に「くまモンうまい棒」を熊本県で先行販売。その後全国で販売を開始し、東京ソラマチ広場などで販売イベントを開くなど、うまい棒とくまモンの熊本復興支援プロモーションを展開して、商品売上の一部を熊本地震復興支援のために寄付されてきました。
今年のパッケージは「うまい棒」のキャラクター「うまえもん」「うまみちゃん」と「くまモン」が一緒に登場。中身のコーンポタージュ味は、原材料に熊本県産「万次郎かぼちゃ」を使用し、復興支援を盛り上げます。

赤城乳業×くまモン 「ガリガリ君九州みかん」

赤城乳業株式会社(本社:埼玉県深谷市、社長:井上創太)は、「ガリガリ君九州みかん」を2018年3月20日(火)から全国発売いたします。
この商品は、九州のみかん果汁を使用したアイスキャンディーです。パッケージでは、くまモンの特徴である、黒い耳と、赤いほっぺたをつけたガリガリ君がくまモンと一緒に登場いたします。
また、今回発売される商品の売上の一部を熊本地震復興支援として寄付をいたします。
そして商品の発売に先駆け、3月10日、11日のくまモン誕生祭2018では合計6,000本の無料配布を実施し、熊本県を一緒に盛り上げて参ります。

ネスレ日本 寄付金付き「キットカット いきなり団子味」

熊本県の郷土料理にちなみ、主力商品「キットカット」シリーズから「いきなり団子味」を今月2日発売した。希望小売価格500円(税抜き)のうち10円を熊本の農業支援に寄付する。東日本大震災でも同様の取り組みを実施しており、「地域の味を知ってもらいながら支援の輪を広げる」(広報担当)と狙いを説明する。

キリンビバレッジ 「午後の紅茶」CMロケ先が観光の名所に

3月まで全国放映した「午後の紅茶」のCMは、被害が大きかった熊本県南阿蘇村が舞台。南阿蘇鉄道の見晴台駅や白川水源の清流、田園風景が広がる農道を背景に、女優の上白石萌歌さんが歌う内容で、第3弾まで制作された。
南阿蘇村は「駅舎を訪れてCMと同じポーズで写真を撮る観光客が増えた」(産業観光課)と歓迎。グループ企業であるキリンビールの安武直幸熊本支社長も「地域の人々と一緒に復興させたい」と語る。

復興支援ドラマ『ともにすすむ サロン屋台村』

2016年4月に発生した熊本地震の風化を防ぎ、熊本県の魅力を発信する「熊本地震からの復興支援プロモーション」事業の第2弾。メンバー全員が同県出身者である人気バンド「WANIMA」が主題歌を務めたほか、同じく同県出身の高良&倉科が夫婦役で共演し、地震発生から2カ月で建設され、グルメや美容室などで活況を見せた「益城復興市場・屋台村」を描いた。

紗栄子 今年も被災地で炊き出しなどの支援を行う

モデルの紗栄子(31)が自身のインスタグラムに投稿した内容が反響を呼んでいる。紗栄子といえば、16年の4月14日に起きた熊本地震で500万円の寄付をし、1年が経った昨年の同日にも被災者たちの元へ足を運んだことが称賛されたのは記憶に新しい。
「まだまだ復興には時間がかかりますが、私たちに今出来る事は、観光に伺ったり、特産物を購入したりすることだと伺いました。離れていても出来る支援。皆さんも是非、熊本、大分のお野菜をみかけたら手にとってみてくださいね(^^)!」と熊本地震から2年が経ったこの日も熊本に向かった時の様子をインスタグラムで公開した。

復興支援イベント「GAMADASE KUMAMOTO 2018」

4月14日(土)・15日(日)に熊本県益城町にある熊本産業展示場『グランメッセ熊本』にて、復興イベント『GAMADASE KUMAMOTO 2018』が開催
出演者にはBRAHMAN、マキシマム ザ ホルモン、MAN WITH A MISSION、四星球、SHANK、KEYTALKと熊本を応援するバンドや熊本県と縁のある様々なアーティスト達が一同に集結し、熊本地震から3年目を迎える熊本を音楽で応援する。
2日目の4月15日(日)は無料招待イベントとして開催され、後日招待チケットの抽選受付を行う。尚イベントの収益は、熊本県および福岡県朝倉・大分県日田への支援金として寄付予定だ。

ロアッソ熊本 「熊本地震復興支援マッチ」を開催

この試合は2016年4月14日に発生した熊本地震から2年というタイミングで開催されることもあり、『熊本地震復興支援マッチ』と銘打って開催された。さらにクラブは、この日に向けてクラウドファンディングで支援を募り、被災地の方々をスタジアムに招待。

熊本ヴォルターズも「熊本地震復興マッチ」を開催

4月14日と15日、プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」2部の熊本ヴォルターズもホームゲームを「熊本地震復興マッチ」として開催しました。

コロッケ 復興支援試合の雨天中止で「即席ものまねショー」

13時3分に中止が決定すると、始球式をやるはずだったコロッケさんが背番号「56」をつけたホークスのユニフォーム姿でグラウンドに登場。マイクを片手に次々とものまねを披露して球場を盛り上げた。両軍選手もそのままベンチに残って“ものまねショー”を満喫。最後はお流れした始球式を、捕手・甲斐拓也、打者・内川聖一、代走・堀内汰門で実施。見事な球で内川から空振りを奪うと、なぜか堀内がダイヤモンドを一周。雨天時の恒例となったホームへのスプラッシュ・スライディングを見せた。
「お客さんが遠かったけど、ほんのちょっとでも喜んでもらえたらと思って」とコロッケさん。およそ20分にも及ぶワンマンショーに「試合が中止になったからこそできたことですが、遠くから来たロッテファンの方にも熊本の思い出として会話にしていただければいいな、という思いでやれせてもらいました」と、地元・熊本のイメージアップに大貢献。

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