1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 映画

北欧映画界に新たな衝撃作。他人にナメられがちな人にも観てほしい「胸騒ぎ」【人間食べ食べカエルのホラー映画コラム】

映画.com / 2024年4月19日 22時0分

写真

 X(Twitter)のホラー界隈で知らぬ者はいない人間食べ食べカエル氏(@TABECHAUYO)によるホラー映画コラム「人間食べ食べカエル テラー小屋」では、“人喰いツイッタラー”が、オソレゾーン関連のオススメ作品を厳選し、その見どころを語り尽くすします!

 今回は、オソレゾーンが配給協力する「胸騒ぎ」の見どころを語っていただきます。

 「ボーダー 二つの世界」「ハッチング 孵化」「イノセンツ」など、陰鬱なホラー・スリラー映画を次々と放つ北欧映画界。そこに新たな衝撃作が名を連ねた。北欧はデンマークより放たれた「胸騒ぎ」は、観れば間違いなく人間が嫌いになる恐るべき映画である。

 休暇でイタリアを訪れたデンマーク人の3人家族が、現地でオランダ人一家と出会う。意気投合した2つの家族はそのまま解散。そして数週間後、オランダ人一家から招待を受けた3人は彼らの住む家へと向かう。それが恐怖の入り口だった……。

 ホラー映画にも色々なジャンルがあるが、本作はヒトコワ系に属する。この映画には人間の悪意が、それはもうたくさん詰まっている。胸糞悪いという言葉だけでは足りない。よくもまあそんな邪悪な展開を思いついたな!と言いたくなる。ちなみに、監督曰く自身が実際にある家族と出会った実体験をベースに、話を膨らませて本作の製作に至ったとのことだ。

 主人公一家が出会うオランダ人家族は、やたらフレンドリーに話しかけてくる。この時点で危険レーダーがピコンとなるが、とはいえ、それで無下にするのも難しかろう。そうしているうちに、あれよあれよという間に距離を詰められて、何だかんだで流されて先方の家に行くことになる。

 ここからしばらくは、タイトルにもなっている「胸騒ぎ」にフォーカスがあたる。この映画のいやらしいところは、家に行ってすぐに何か起きるわけではなく、ただず~~~~~っと、なんか相手のちょっとここが変だなぁとか、この言動モヤっとするなぁみたいな、小さな小さな違和感と不快感を積み上げていく点にある。エンタメホラー的に「家に入ったら殺人家族でした!」で、血みどろスプラッター!みたいなことにはならない。自然に囲まれた美しい映像とともに、胸の中をざわつかせる違和感を描き、観客の不安を丁寧に育て上げていく。ここが他のヒトコワスリラーと一線を画す本作の肝である。とにかく、この過程が精神的にキツくてしょうがない。息の詰まるような人間模様を堪能することが出来る。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください