1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 映画

第77回カンヌ国際映画祭コンペ追加作品発表 ポスターは黒澤明「八月の狂詩曲」を用いたデザイン、VR作品部門を新設【パリ発コラム】

映画.com / 2024年4月28日 14時0分

写真

「化け猫あんずちゃん」 (C)いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会

 4月11日に行われたカンヌ国際映画祭のラインナップ発表会見で予告されていた、追加作品が発表になった。コンペティションへの3本をはじめ、各部門を総合すると13本も増加。これでカンヌ・クラシック部門を除いては、ラインナップが出揃ったようだ。

 コンペテイションに加わったのは、噂にのぼっていたミシェル・アザナビシウスのアニメーション映画「La plus précieuse des marchandises」、「悪は存在せず」(2020)でベルリン国際映画祭金熊賞に輝いたイランのモハマド・ラスロフの「The Seed of the Sacred Fig」、ルーマニアの監督、脚本家、俳優であるエマニュエル・パルヴュの「Three Kilometres to the End of the World」。アウト・オブ・コンペティションには今年のフランス映画の大作として期待されている、ピエール・ニネ主演の「Le Comte de Monte-Cristo(モンテ・クリスト伯)」の1本、カンヌ・プレミアにはフランスの気鋭監督ふたり、ガエル・モレルとジェシカ・パリュの新作が加わった(後者は女優マリア・シュナイダーの手記に基づく伝記映画)。

 スペシャル・スクリーニングは4本追加で、アルノー・デプレシャンの自伝的キャラクターであるポール・デダリュ・シリーズの最新作、オリバー・ストーンによるブラジルのルーラ・ダ・シルヴァ大統領のドキュメンタリー、ロウ・イエの新作、ルーマニアの伝説的テニス・プレイヤー、イリ・ナスターゼのドキュメンタリー。

 「ある視点」部門は、女優セリーヌ・サレットの初監督作でニキ・ド・サンファルを描いたフィクションと、ラトビアのアニメーション「Flow」が加わった他、「Sparrows」でサン・セバスチャン国際映画祭の最高賞に輝いたルナー・ルナーソンの新作がオープニングを飾る。

 日本映画は追加が叶わなかったものの、今年はスタジオ・ジブリに栄誉パルムドール賞が授与される。さらに公式ポスターには、1991年にアウト・オブ・コンペティションで披露された、黒澤明監督が長崎で被爆した老女を主人公にした「八月の狂詩曲」を引用したデザインが採用された。この選択の理由を映画祭事務局は、「『姿三四郎』『羅生門』『七人の侍』『どですかでん』『デルス・ウザーラ』の監督が遺作の前に制作した本作は、団結すること、すべてのものの調和を求めることの大切さを思い出させてくれます。映画館を投影したこのポスターは、純真さとワクワクする気持ちをもって第七芸術を讃えます。映画はすべての人に声を与えるゆえに、人々を解放することを可能にし、傷を覚えているゆえに忘却と戦い、危険を明らかにするがゆえに団結を乞う。トラウマを和らげるゆえに生きることを修復する手助けとなるのです」と記している。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください