子どもが小学生なので「学校を休んで旅行」しようと思いますが、ダメですか? 平日より空いていて安くても、「学校を休むことは悪」なのでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月7日 4時30分
子どもの頃、学校を休んで旅行したことはありますか? 今、小学生くらいの子どもを育てている親世代では自身が子どもの頃あまり経験もなく「何となくよくないこと」という認識がある人が多いのではないでしょうか。しかし現代においては、この「学校を休むことは悪」という意識は変わりつつあるようです。 本記事で、「学校を休んで旅行」することについて考えてみましょう。
「学校を休んで旅行」、みんなの意見は?
旅行するために子どもの学校を休ませることについて、読売新聞オンライン内の大手小町編集部がX(旧Twitter)で行ったアンケートでは、「アリ」が65%、「ナシ」が35%となっており、およそ3人に2人は賛成という結果になっています。
現在、親世代である筆者の小学生時代の記憶では、「学校を休むことは悪だ!」という風潮が強く、親が旅行を理由に学校を休ませるということなどはあり得ませんでした。
ただ、そんな小学生時代の6年間の中でも、2~3回ほど同級生がハワイ旅行などで学校を休んでいるのを見ましたが、休みが明けて学校に出てくると注目の的になったものです。あれから数十年、前述のアンケート結果を見ると、時代の流れを感じます。
愛知県で「ラーケーションの日」がスタート
愛知県は公立学校において年3日まで取得することができる「ラーケーションの日」を、2023年2学期からスタートさせています。
ラーケーションとは、学習(Learning)と、休暇(Vacation)を組み合わせた造語で、子どもが家族などと一緒に、平日だからこそできる学校外での主体的な学び、体験的な学びを応援するために設けられました。年3日までは登校しなくても欠席扱いになりません。要するに、学校版の年次有給休暇というわけですね。
親が土日祝日に休めない場合、学校に通う子どもとは休みがなかなか合わないでしょう。ラーケーションの日のような仕組みがあれば、年に1回でも家族旅行などを楽しむことができます。
もちろん学校の勉強は大事ですが、だからと言って家族との思い出を作るチャンスを捨てなければならないのかというと、少し違う気もしますね。さらに、旅行など家族で過ごす非日常の場には学校ではできない貴重な学びもあるでしょう。愛知県の取り組みが成功すれば、全国的に広がっていくかもしれません。
皆勤賞の廃止も進んでいる
平成に学生時代を過ごした今の親世代の中には「皆勤賞」を目指して、少しの体調不良くらいなら登校したという人もいるのではないでしょうか。筆者もその一人で、年度末の皆勤賞の表彰を楽しみにしていたものです。
しかし、近年は新型コロナウイルスをきっかけに、皆勤賞は社会の実情にそぐわないという考え方が強くなりました。2023年度からは愛知県の幸田町教育委員会が町内の小中学校での皆勤賞を廃止しています。「無理をしてでも学校に行くことは素晴らしい」という時代ではなくなっているのです。
週末の旅行費用は平日の約1.7倍
平日に旅行するメリットは、家族がそろう以外にも「旅費が安い」という点が挙げられます。
一例として、東京都からユニバーサルスタジオジャパン(大阪府)へ2泊3日の旅行に行く場合の、平日・休日の費用をJTBの国内ツアーで比較してみましょう。家族構成は父、母、小学生の子ども2人の計4人、交通手段は新幹線とし、宿泊先は「ホテル近鉄ユニバーサル・シティ」とします。
この場合、平日の最低料金は3万5600円、土日祝日の場合は6万1000円(いずれも大人1人/2024年3月22日時点)となりました。曜日以外はまったく同じ旅程であるにもかかわらず、休日は平日の約1.7倍になるようです。平日のほうが人出も少ない可能性が高く、愛知県のラーケーションの日がうらやましく感じられる人も多いのではないでしょうか。
まとめ
「学校を休んで旅行」に対する考え方は人それぞれではありますが、昨今賛成という意見が多数派になっているようです。愛知県の「ラーケーションの日」の導入や、皆勤賞廃止がその裏付けになるのではないでしょうか。このような傾向は、今後ますます強くなっていくのかもしれません。
出典
読売新聞オンライン 大手小町 旅行理由に欠席、皆勤賞の廃止…「学校休むことは悪」意識に変化
愛知県 愛知発の新しい学び方「ラーケーションの日」ポータルサイト
幸田町教育委員会 令和4年度以降の幸田町教育委員会皆勤賞の廃止について(お知らせ)
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士
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