花粉症でかさむ薬代やティッシュ代。生涯付き合うとしたらいくらかかるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月23日 3時10分
耐えがたい鼻や目のかゆみに悩まされる花粉症で、症状に我慢できず薬に頼る方も多いものです。しかし、アレルギーである花粉症で症状を抑えるには、薬を使い続ける必要があります。 そこで今回は、花粉症が続く場合における薬代やティッシュ代をシミュレーションします。
花粉症の費用は生涯でおよそ73万円かかる
今回のシミュレーションでは、以下の条件下における薬代およびティッシュ代を算出します。
●期間は20〜100歳までの80年間
●期間のうち計算対象とするのは花粉の飛散時期である3〜5月の3ヶ月間(計92日)
●計算対象は薬代およびティッシュ代
●薬は1日1錠のタイプで12錠入り1000円(税込み)
●ティッシュは2枚重ねタイプ120組の1箱50円(税込み)
●ティッシュは1日40組使う
上記のケースで計算すると、まず薬代が「(1000円×7回+1000円×2/3)×80年」で、61万3332円(小数点以下切捨)です。ティッシュ代は「(50円×30回+50円×2/3)×80年」で、12万1332円(小数点以下切捨)となります。
それぞれを合算した生涯の費用は、73万4664円となり、1年あたりおよそ9183円掛かる計算です。しかし、実際には薬やティッシュの価格改定やシーズン中の発症期間によって変動することが予想されますので、今回の数値はあくまで目安として、余裕を持って80万円程度の予算を見積もるとよいでしょう。
花粉症の自然治癒はほとんどない
花粉症が自然治癒するケースは、珍しいといわれます。そのため、花粉症に一度かかったら、対処しない限り治ることはないと考えてよいでしょう。年齢を重ねることで症状が緩和されるパターンもありますが、基本的にアレルギー反応がなくなることはありません。
治療で治る可能性もある
花粉症の症状を抑える方法は、症状を抑える薬を花粉シーズン中に飲み続けるか、アレルゲン免疫療法を受けて治療するかの2つが挙げられます。症状を抑える薬の場合、体質自体は変わらないため、シミュレーションに近い費用がかかります。
一方アレルゲン免疫療法を用いた治療では、効果に数年間かかるものの、成功すれば薬もティッシュも要らなくなります。
花粉症を治せる「アレルゲン免疫療法」とは
花粉症に悩まされずに済むには、アレルゲン療法という治療法が注目されています。アレルゲン免疫療法とは、アレルギー症状の原因物質を少量ずつ体内に取り込んで、抗体を作る治療法です。
花粉症のアレルゲン免疫療法には「舌下免疫療法」と「皮下免疫療法」の2つがあり、花粉のアレルギー体質を改善、または根治できる可能性があります。
舌下免疫療法
舌下免疫療法とは、アレルギー物質が配合された錠剤型の薬を舌に乗せ、1分間待ったのちに飲み込む方法です。治療はおよそ3〜5年継続するため、長いスパンで治療に臨む必要があります。
舌下免疫療法は、臨床試験を行った被験者の80%に効果が発揮された方法で、うち20%の人は根治に成功したそうです。残りの方も症状が緩和されたため、高い効果が期待できます。
しかし、この治療が実行できるかは診察で判断されるため、まずは舌下免疫療法に対応している病院に相談しましょう。
皮下免疫療法
皮下免疫療法とは、アレルギー物質を含んだ注射を皮下に投与する治療法です。舌下免疫療法との違いは、毎日欠かさず薬を飲まなくていいところにあります。
最初のうちはひんぱんに通院しなければなりませんが、薬の飲み忘れが心配な方におすすめの方法といえるでしょう。
治療すれば費用を抑えられる
今回のシミュレーションで、花粉症の人は生涯にわたって70万円以上もの出費が必要なことが判明しました。花粉症はアレルギー症状であるため、自然治癒はほとんど望めません。そのため、費用を抑えるにはアレルゲン免疫療法による治療をおすすめします。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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