1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

凄腕アナリスト ザ・覆面 「アイネット」は反撃高の材料つかむ データセンターと宇宙事業の両輪

zakzak by夕刊フジ / 2024年5月8日 11時0分

ゴールデンウイーク後半入りを前に、東京証券取引所は1日、一部で観測が出ていたアストロスケールホールディングスの東証グロースへの新規上場(IPO)を承認したと発表した。

スペースデブリ(宇宙ごみ)除去の商用化や人工衛星の寿命延長、点検・観測などの軌道上サービスを提供する企業で、昨年4月のアイスペース、同12月のQPS研究所に続く3社目の宇宙ベンチャーのIPOとして、投資家やマーケットの関心は高い。

推定時価総額は800億円超と東証グロースの時価総額ランキングでも上位10位以内に入る大型案件で、IPOにあたっては国内外で資金調達を実施する。

2023年4月期の連結業績は売上高17億9200万円、当期損益は92億6400万円の損失とまだ赤字が続く企業だが、三菱電機をはじめ、三菱UFJ銀行、三菱商事、三菱地所と三菱グループの主力企業がこぞって出資しているという特徴を持っている。

その他、清水建設、ANAホールディングス、オーエスジー、ヒューリック、東京海上ホールディングスの東京海上日動火災保険なども出資しているが、なかでも注目されるのが東証プライムの「アイネット」(9600)だ。金融、小売り・流通、石油、製造、医療など多様な業界向けにクラウドデータセンターを軸として情報処理、システム開発サービスを展開している。

そして、宇宙開発事業にも意欲を持ち、国際宇宙ステーションでは建設当初から運用に携わった実績を有し、将来の月や火星有人宇宙分野での対応も目指している。28年の実現を目指す米主導の国際月面探査「アルテミス計画」では、日本人の宇宙飛行士2人が月面着陸することが日米間で正式決定しており、宇宙ビジネスは夢物語ではなくなってきている。

アストロスケールのIPO前発行済み株式32万6700株を保有する一方、商業デブリ除去実証衛星に関するマーケティングパートナーシップ契約を締結し、アストロスケールの衛星開発や製造、打ち上げ後の運用などで支援サービスを提供している。出資関係だけでなく宇宙ビジネスで具体的なつながりと実績を持つ点が注目されることになるだろう。

24年3月期連結業績は売上高377億円(前期比7・7%増)、営業利益27億5000万円(同29・2%)を見込み、営業利益は4期ぶりに最高益を更新する見込みで、年間配当は前期比5円増の53円に増額済み。

今期業績予想が示される本決算は9日と目前に迫っているが、機関投資家・アナリスト向け決算説明会は16日が計画されている。

独立系データセンター大手としてデータセンター関連株人気を取り込んで付けた3月高値2530円からの調整もほぼ一巡している。株高第2ロケットは、宇宙ビジネス関連としての人気によって点火されることになりそうだ。

■ザ・覆面(ざ・ふくめん) 金融業界では知る人ぞ知るベテラン。株式の分析と着眼点の鋭さに定評がある。名を出せばハレーションが大きいため、覆面で参戦。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください