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頻繁に被災地入りの野口健氏、能登復興遅れ激白 感じない「オール・ジャパン」の雰囲気、被災者にも「見捨てられた」感が

zakzak by夕刊フジ / 2024年4月19日 6時30分

野口健氏(夕刊フジ)

28日投開票の衆院3補選(東京15区、島根1区、長崎3区)は、岸田文雄政権に有権者が審判を下す機会となる。「政治とカネ」や経済、外交政策に加え、災害対策も見逃せない。17日に愛媛県と高知県で震度6弱を観測する地震があった。元日に発生した能登半島地震では、ボランティアとして被災地入りを重ねているアルピニストの野口健氏は「復興の遅れ」や「東京と現地の温度差」を指摘する。元内閣参事官で嘉悦大教授の高橋洋一氏は、復旧・復興に補正予算ではなく予備費が使われていることや、財務省の審議会が「コスト」の観点を持ち出していることに疑問を呈する。

今月、1カ月ぶりに石川県珠洲(すず)市に入った。冬場に比べ、国道はじめ道路はがれきが取り除かれてきれいになったが、車中からの景色は変わっていない。

特に珠洲市や、輪島市の一部は家屋が崩れたままで「公費解体」が進んでいない。

僕らは七尾市で、部分的にダメージがある家から、壊れた家具を「災害ゴミ」として運び出して解体するボランティアをしている。だが、「全壊」になるとボランティアは手を出せない。

「罹災(りさい)証明」を出す場合、自治体が全壊か半壊かを判断するが、被災者と合意に至らないと解体もできない。高齢者の比率が高く、空き家ばかりで所有者の特定も難しいようだ。職員もマンパワー不足で調査も追い付かない。地元業者は懸命だが、順番待ちでなかなか進まない印象だ。

家屋が住める状況ではない場合、仮設住宅ができるまで避難所に入るのが一般的だが、避難所が徐々に閉鎖されている。一部では仮設住宅ができる前に避難所を出され、ビニールハウスや、車中泊など行き場がなくなるケースもあるようだ。今後、梅雨の時期に不衛生になることも懸念される。

これまでさまざまな被災地でボランティア活動をしてきた。能登半島地震でも1月から毎週のように被災地入りしているが、東京に戻ると温度差を感じる。

2011年の東日本大震災や、16年の熊本地震では、みんなで応援する「オール・ジャパン」の雰囲気があったが、今回、僕はなぜかそれを感じないし、被災者も『見捨てられた』感が強いと思う。

がれきを除去して更地にしない限り、次の方向が見えてこない。発生当初よりも被災者の表情は乾いている。

被災地の復興について「コスト論」が出ている。政治家は「国民の生命と財産を守る」というが、今回の災害対応を見ると、本当にそう考えているのかと疑問だ。

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