「こじるりとは違う」前田敦子、“中国進出”報道の裏に「お金になる」レジェンドの商品価値
週刊女性PRIME / 2024年3月22日 8時0分
前田敦子の「中国進出計画」が報じられた。中国の『乗風』という番組からオファーがあったそうで、記事では前田の知人がこんな説明をしている。
《芸能界で1度頂点を極めたものの、キャリアが停滞している30歳以上の女性タレントが集められて、さまざまな課題で競わされる。最後にセンターが選ばれるまでのリアリティーショーです》(文春オンライン)
この話から思い出したのが、1998年に『ASAYAN』(テレビ東京系)が企画した「再起に賭ける芸能人オーディション」。小室哲哉プロデュースのCMタイアップ曲をめぐり、ニューヨークで共同生活しながら競い合うものだ。
参加者の目玉はWinkの鈴木早智子だったが、途中でレッスンをサボるなどして離脱。のちに、もともと台本があり、自分が悪役にされる流れになっていたと告白した。
切れ目なく活動してきた前田
なお、Winkはその9年前に日本レコード大賞を獲得したほどのデュオだが、この時点では活動休止中。鈴木もソロとしてくすぶっていたため、この企画に呼ばれたのもわかる。
これに対し、前田は'12年にAKB48を卒業して以降も、女優業を中心に切れ目なく仕事をしてきた。放送中の連ドラ『厨房のありす』(日本テレビ系)ではヒロインの親友役、2月公開の映画『一月の声に歓びを刻め』では幼少期の性被害トラウマを抱えるヒロインを演じている。
それゆえ、このオファーは失礼な気もする。
また、記事のコメント欄には「こじるりかよ?」という声も。2年前、中国で活動するために留学すると宣言した小島瑠璃子を引き合いに出したツッコミだ。小島はその後、結婚して相手との子どもを身ごもり、今は日本にいる。
これまた、前田とは違う状況といえる。
中国進出報道の裏側
ほかには、加勢大周が台湾のドラマで人気を博したり、のんが香港のCMで親しまれたりというケースも。ただ、両者とも事務所との独立トラブルから海外に活路を見いだしたという経緯だ。
つまり、今の前田が再起を本気で目指したり、海外で長期的に活動するほどの切実な理由はない。実際、このオファーについても辞退したことが、記事の最後に明かされているのだが─。にもかかわらず、こうした報道が出るのは彼女の避けられない宿命でもある。というのも、AKB48の初代センターだった彼女は大人数グループの時代を切り開いた立役者。アイドル史においても、天地真理や山口百恵、松田聖子、広末涼子らと並ぶレジェンドだ。
その分、絶頂期の輝きは容易に超えられず、いくら女優として頑張ってもドラマや映画に興味のない人たちには落ち目にも映ってしまう。そこにうまくつけ込んだのが今回の報道だろう。
中国進出の話を、食うに困っての窮余の策みたいに煽り、ネットの無料部分では結果を書かずに、有料部分へと誘導。ちょっとあざとい手法だが、お金を払っても読みたい人がいなければ、これも成立しない。前田は今も、天下の文春から「お金になる存在」として認められているわけだ。
ちなみに、'20年いっぱいで大手芸能プロをやめた彼女は現在フリー。そのあたりもつけ込まれやすいゆえんだが、文春には2月に阿川佐和子対談のゲストとしても登場しているので、関係は悪くないのではないか。5歳の子を抱えるシングルマザーとしても、話題になり、仕事が増えるならそれもよし、ということかもしれない。
母は強し、である。
ほうせん・かおる アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。著書に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)。
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