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『ドラクエ』ゾーマの正体は人間? 元は人間だった「恐ろしき魔王」たち

マグミクス / 2023年6月11日 21時25分

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■実は元人間? 正体を知って倒しづらくなった魔王たち

 大半の『ドラクエ』シリーズは、魔王と呼ばれる存在を倒し、世界に平和を取り戻すというのが目的です。そんな悪の権化として描かれている魔王のなかには、元は人間だったと噂されているキャラが存在することをご存知でしょうか。

 最大の敵だと思っていた相手が、実は何らかの事情で闇に落ちた人間だったと思うと、倒すのに躊躇してしまうかも。今回はそんな悲しい過去を持つ魔王を紹介します。

 最初に紹介するのが、『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』に登場する大魔王ゾーマです。『ドラクエ』をプレイしたことがない人でも、名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。

 ゾーマに関しては、ゲーム中に人間だったという描写はありませんが、マンガ『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 ~紋章を継ぐ者達へ~』のなかで、ゾーマが人間から魔王になり果てるまでの過程が、とても悲劇的に描かれています。

 かつて人間だった頃のゾーマは勇者とともに、精霊ルビスのために戦っていました。ゾーマはルビスに恋心を抱くものの、その想いはルビスに受け入れてもらうことはできませんでした。

 ゾーマは、ルビスからの慈悲や期待を一身に受ける勇者アルトに対して嫉妬心を抱きます。やがて嫉妬に狂ったゾーマは、破壊神シドーとの戦いが終わりを迎えた直後、なんと勇者アルトを背後から刺し殺すという暴挙に及びました。

 こうして悪の道に進んでしまったゾーマは己の力を強めるため「暗闇のオーブ」を追い求め、ついには大魔王となって人間を恐怖の渦に飲み込みます。もともとは人間であり、勇者の仲間だったゾーマが大魔王になる過程には、切ない愛憎劇が隠されていたのです。

 なお『ロトの紋章』は堀井雄二氏が監修しているマンガ作品ではありますが、独自解釈や設定が含まれています。オリジナルであるゲームと同じ設定とは限らないので、その点はご了承ください。

 続いて『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』のラスボスであるミルドラースは、リメイク版のゲーム内に元は人間だったと解釈できる描写がありました。

 アンクルホーンがくれる「きんだんのまきもの」には、ひとりの人間が魔物に変わっていく様子が描かれています。その人物こそ、魔界の王・ミルドラース。アンクルホーンは、人だった頃のミルドラースは「神になりたかった」と説明しています。

 しかし、ミルドラースは心の邪悪さゆえに魔物になってしまい、神の不興を買ってしまった結果、魔界に封印されたことが明かされています。

■しきりに「正体は人間説」が流れる魔王とは?

『アルティメット ヒッツ ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』(スクウェア・エニックス)

『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』 のラスボスである魔王オルゴ・デミーラの正体が「実は主人公の親友であるキーファではないか」という説が語られがちです。

 しかし、作中に明確な証拠があるわけではなく、オルゴ・デミーラの第1形態のファッションやカラーがどことなくキーファに似ていたり、「キーファ=オルゴ・デミーラ」だと筋が通る、不自然な設定が多いことから生まれた説になります。

 よく根拠に挙げられるのが、オルゴ・デミーラ戦の直前に手に入る「ラーの鏡」の存在です。ラーの鏡には「真実を映し出す」効果があり、敵の本当の姿を暴くシーンで重要な意味を持つアイテム。しかし、『ドラクエVII』ではオルゴ・デミーラ戦の直前で手に入るにもかかわらず、物語に絡むことはありませんでした。

 さらに主人公専用呪文として用意されていたマジャスティスの呪文にも、邪悪な力を打ち消すという効果があります。そんな意味ありげな呪文ながらとくに使い道がなかったことも、ラーの鏡同様に少々不自然に感じた部分です。

 そのあたりから、本当はオルゴ・デミーラの正体を暴くイベントが用意されていたのでは……という疑惑が湧き上がります。

 そして「エデンの戦士たち」というサブタイトル。この「エデン」とは旧約聖書に登場する楽園「エデンの園」のオマージュで、『ドラクエVII』におけるエデンは、エスタード島を指していると思われます。

 当然主人公とマリベルが「エデンの戦士」となり、聖書でいうアダムとイブの位置になります。聖書では、蛇にそそのかされたイブが禁断の果実を食べてしまい、ふたりはエデンを追放されました。その禁断の果実はリンゴとして描かれることが多く、PS版の『ドラクエVII』のパッケージで、マリベルがリンゴを食べている姿にも符号します。

 そうなると、エデンを追放されるきっかけをつくった悪魔の蛇に該当するのは、最初に主人公たちを神殿に誘ったキーファだと考えるとしっくりきます。そういえばオルゴ・デミーラの真の姿も、どことなく蛇っぽいビジュアルでしたね。

 本来はラスボス戦でオルゴ・デミーラの正体を明かすイベントが用意されていて、それが何らかの理由でボツになったのだとしたら、ストーリー上で使い道の見当たらない「ラーの鏡」の存在にも納得がいきます。

 それに、もし「キーファ=オルゴ・デミーラ」という設定があったとすれば、エンディングでの「どんなにはなれていてもオレたちは友だちだよな!」というキーファからのメッセージも、別の受け取り方ができるかもしれません。

 人間が魔王に堕ちてしまうという物語には、そこに至るまでのさまざまなエピソードが想像できます。噂が真実かはわかりませんが、人間が魔に堕ちるという側面を想像して楽しむ余地があるのも、『ドラクエ』シリーズのシナリオの魅力と言えそうです。

(LUIS FIELD)

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