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大河原克行のNewsInsight 第280回 2024年は「AI PC」元年、日本HPは「パソコンの定義」から変える - 日本HP 岡戸社長に訊く(前編)

マイナビニュース / 2024年4月23日 17時25分

AI PCの登場によって、クライアントでAIの処理が実行できるようになることは、私たちに、大きな変化をもたらすことになります。PCが、いままで以上に生産性を高めることができ、付加価値が高いアウトプットを出せるようになり、よりパーソナライズした使い方を通じて、「伴走者」や「相棒」にならなくてはなりません。そこに、PCメーカーである日本HPならではのAI PCの差別化点があります。

―― ここ数年、日本HPが市場投入するPCに、日本市場からの要求が反映されているものが増えていますね。その背景にはなにがあるのですか。

岡戸:2024年4月に発表したEliteBook 635 Aero G11は、日本市場からのニーズを反映して開発したもので、世界に先駆けて日本で発売されるPCです。ご指摘のように、日本からの要求を反映した製品が増えているのは確かです。その理由はいくつかありますが、そのひとつが、日本における長期的なプランづくりが、モノづくりにも反映されているという点です。中長期プランでは、今後、日本のPC市場がどうなるのか、そこにおいて日本HPはどう事業を進めていくのかということを、製品戦略やGo To Market戦略などの観点から明確化し、その上で、日本の市場ニーズを本社に伝えています。

また、日本から提案が行われる製品は、グローバルに見ても成長の可能性がある領域の製品であることが認識されていたり、本社にとって、日本市場は積極的に投資を行う市場であると位置づけられていたりといったことも、日本の市場ニーズに合致したモノづくりが進められている理由のひとつです。また、日本は競争が激しい市場であり、その市場に対して差別化した製品を投入することに、本社がしっかりとサポートをしてくれるという状況が生まれています。

―― HP eSIM Connectのように、日本HP独自の製品展開も始まっていますね。

岡戸:HP eSIM Connectは、KDDIとの連携により、au回線を使用してノートPCの常時接続を実現するとともに、5年間の無制限データ通信を可能にした法人向けPCソリューションです。ハイブリッドワークが進展するなかで、シームレスにネットワークにつながり、しかも安全なネットワーク環境で利用することができます。また、この仕組みは、利用するユーザーだけでなく、IT部門においてもメリットが生まれる点も評価されています。物理SIMではないため、SIMの管理が不要になること、ネットワーク管理の負荷が下がるというメリットがあるからです。たとえば、新たに事業所を開設する際に、eSIMで接続することを前提として、機動的に拠点を立ち上げるといったことにも活用できます。日本のなかでコンセプトを作り、グローバルを巻き込みなから、日本でサービスインした事例のひとつです。

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