ハーバードが絶賛する「日本」を私たちはまだ知らない
ニューズウィーク日本版 / 2016年5月25日 16時7分
先にも触れたとおり、ハーバードから、あるいは全世界からこれだけ注目されているにもかかわらず、そうした情報は私たちのもとにはほとんど入ってこない。だからこそ、その重要な部分を開示した本書には大きな価値があるといえる。
ただし、そのうえで求められるべきは、我々の意識の持ち方なのではないだろうか? たしかに、現在の日本の閉塞感には無視できないものがある。しかし、だからといって「もうダメだ」「先がない」と囁きあっていても、そこからはなにも生まれない。それよりも、(ダメかもしれないけれど)「これだけの可能性もある」ということを意識していくべきだということ。そうやって前向きに信じ、そこから「どうすればいいか」を考える。そんな姿勢こそが、なによりも大切なのではないかと思えるのである。
『ハーバードでいちばん人気の国・日本』
佐藤智恵 著
PHP新書
[筆者]
印南敦史
1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。現在は他に、「ライフハッカー[日本版]」「Suzie」「WANI BOOKOUT」などで連載を持つほか、多方面で活躍中。2月26日に新刊『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(ダイヤモンド社)を上梓。
印南敦史(作家、書評家)
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