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夫と死別、70代女性につきつけられた残酷な現実 戸建てを売って生活を楽しみたいだけなのに

東洋経済オンライン / 2023年12月19日 19時0分

50件問い合わせをして、高齢者に部屋を貸してくれそうな対応は2~3件だそう(写真:polkadot/PIXTA)

自分が高齢者になり、身体が不自由になったり、認知症になって意思決定できなくなったりする日のことを想像したことがある人はいるでしょうか。いまいる家族やパートナーが頼れなくなるときを想像したことがあるでしょうか。

少子高齢化が進み、2025年には6世帯に1世帯が一人世帯になると言われています。「1億総おひとりさま時代」を生き抜くために今から何を、どのように備えておけばいいのか。

住まいを中心におひとりさまサポートを20年続けてきた司法書士の太田垣章子さんが、多くの経験から選び抜いた30のリスクと対策をまとめた新刊『あなたが独りで倒れて困ること30』。その中から、事例別にご紹介します。

高齢者は家を借りられない!?

コロナ禍以降、長期にわたって住宅ローンを組むのはリスキーだと、賃貸の需要は増えています。特にファミリー物件の注目度は高く、業界は物件数が足りないと活気づいています。

【写真】東洋一のマンモス団地「松原団地」60年経った今

これは単純にファミリー層が増えたというよりは、リモートワークなどで、家で仕事をする人が増えたことから、人数以上の部屋数を求める傾向の表れだと思います。特に夫婦共働きでその2人ともリモートワークになった場合、リビングで揃って仕事をするというのは無理があり、それぞれ個々に仕事部屋が必要になるからはないでしょうか。

一方で、ワンルームなどの小さな物件は、もともと供給過剰気味のところもあり、いったん今の入居者が退去してしまうと、新しい申し込み者を確保するのに苦戦するようになりました。

その理由は、単身者は今まで「寝るだけ」の部屋で良かったところ、「仕事部屋」的な要素も求めざるを得なくなり、広さ的に条件を満たさなくなってしまったからです。その結果、単身者世帯用の狭い部屋は、空室が目立つようになりました。

ところが、その空室が目立つ狭い部屋ですら、70歳になるとなかなか借りられません。

空室があって、それを借りたい人がいて、相互に求めているものが合致しているようにも感じますが、高齢者はほとんど貸してもらえないのです。
実際どれくらい借りられないものなのでしょうか? 

50件問い合わせをして、高齢者に部屋を貸してくれそうな対応は2~3件といわれています。真千子さん(仮名・78歳)も部屋が借りられず、ほとほと困り果てました。

もともとはご主人名義の持ち家に住み、2人のお子さんもその家で育て上げました。息子たちも立派に成人し独立していくと、老夫婦には一戸建ては大きすぎるね……と、ご主人とも話し合っていました。

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