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コレステロール値「高めを放置」する人の怖い真実 専門医が解説「医学的根拠に基づく5つの対策」

東洋経済オンライン / 2023年12月19日 18時0分

コレステロールは高くてもいい? 実際のところを聞いてみました(写真:CORA/PIXTA)

高くてもいい? 下げたほうがいい?

かつて論争まで引き起こしたコレステロール。現在、数々の研究で総コレステロール値とLDL(悪玉)コレステロール値の上昇に伴って、狭心症や心筋梗塞の発症や死亡率が上昇することが明らかになっている。しかし、いまだに「コレステロール値は高いほうがいい」と主張する専門家やメディアもある。

実際はどうなのだろうか、元帝京大学医学部長で、日本の循環器医療を牽引してきた寺本内科・歯科クリニックの内科院長の寺本民生さんに意見を聞いた。

コレステロール論争とは?

コレステロール論争は、2000年代の「日本脂質介入試験(JーLIT)という、コレステロール値が高い一般市民約5万人を対象に行った大規模な試験結果に端を発する。

【図表で見る】医学的根拠に基づいたコレステロール「5つの対策」

被験者は、総コレステロール値が220mg/dL以上の35〜75歳男性と、更年期以降で70歳以下の女性で、シンバスタチンというスタチン系薬剤(コレステロール値を下げる薬)を服用してもらい、冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)の予防効果があるかどうかを見た。

1992年から1999年までの間、定期的にコレステロール値の検査を実施し、全死亡率、冠動脈疾患の発症率、心臓突然死の発症率などを追跡した。その後、承認を得た1万9805人に対しては、さらに期間を延長して4年間の追跡調査を継続した。

研究結果でわかったこととは?

6年間の追跡の結果は以下だった。

★総コレステロール値240mg/dL以上、LDLコレステロール値180mg/dL以上、HDLコレステロール値40mg/dL未満のグループで、冠動脈疾患や心臓突然死の危険性が増した。

★総コレステロール値180mg/dL未満、LDLコレステロール値80mg/dL未満のグループでも死亡率が高くなった。特にLDLコレステロール値80mg/dL未満のグループではがんによる死亡率が高かった。

10年間の追跡では、次のようになった。

★総コレステロール値240mg/dL、LDLコレステロール値140mg/dL以上、HDLコレステロール値40mg/dL未満のグループで、冠動脈疾患や心臓突然死の危険性が増し、主要冠動脈疾患の発症は、年間で1万分の9だった。

問題視されていた副作用の発生率は1.46%で、重大な副作用である横紋筋融解症(骨格筋を作る細胞が溶けたり壊死したりする症状)はなかった。

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