日本の自動車産業を左右するダイハツの失地回復 過去の自動車業界の不祥事との比較から読み解く
東洋経済オンライン / 2023年12月22日 13時56分
自動車メーカーのダイハツ工業が、認証申請における不正行為で揺れている。12月20日、第三者委員会が調査結果を発表、174個の不正行為があったことを明らかにした。これを受けて、国内外で生産中のすべてのダイハツ開発車種の出荷が停止される事態となった。
【写真】深々と頭を下げるダイハツ社長と、トヨタ副社長ら経営陣
自動車業界を揺るがすような大規模な不祥事であるが、これからダイハツ、そして日本自動車業界はどうなるのだろうか? 過去の自動車業界の不祥事を参照しながら読み解いてみたい。
自動車業界での不正はこれまでも頻繁に起こっている
安全管理を第一とする自動車業界で、このような不正は到底あってはならないことだが、実際のところは、自動車業界の安全を巡る大きな不祥事はこれまでも何度も起こっている。
大きな問題を下記にまとめるが、ほぼ毎年のように不祥事が起きている。小さな不祥事も挙げると、さらに増えていく。
■自動車業界に関する大きな不祥事
2000年 三菱自動車、69万台の大規模リコール隠しが発覚
2004年 三菱自動車、前回を上回る74万台のリコール隠しが発覚
2015年 独フォルクスワーゲン、ディーゼル車の排ガス規制試験で不正
2016年 三菱自動車、燃費試験データの不正操作
2017年 自動車用安全部品大手のタカタ、主力商品のエアバッグの欠陥リコール問題により、膨大な負債を抱えて経営破綻
日産自動車とSUBARU(スバル)、無資格の従業員が完成検査に携わっていた問題が発覚
2018年 自動車部品大手の曙ブレーキ工業がブレーキとその部品の品質検査データの改ざんなど11万件の不正行為があったと発表
2022年 日野自動車、エンジンの排出ガスや燃費の不正問題が発覚
2023年 中古車販売大手ビッグモーターによる保険金の不正請求問題
デンソー製燃料ポンプ搭載車の事故で大規模リコール
こうした問題が起きる背景には、自動車業界の特殊事情もある。
自動車は、安全性が極めて重要となる商品であるだけに、厳しい規制が課されている。自動車業界はグローバルでの熾烈な競争下にあるが、企業として効率を追求していくと、どうしてもコストのかかる部分とのトレードオフの問題が生じる。
一方で、自動車は高度技術の“かたまり”である。漏れなく検査することは非常に手間がかかるし、不具合をゼロにすることは実質的には不可能である。
自動車業界ではリコール(不具合による回収・無償修理)問題はよく起きているが、不具合が適正に報告され、対処が行われているわけだから、リコール自体を批判すべきことではない。
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