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学会婦人部の「アイドル」公明・山口代表の苦悩 "下駄の雪"脱却と「自公選挙協力不可欠」の矛盾

東洋経済オンライン / 2024年3月22日 9時0分

山口那津男・公明党代表(写真:時事)

山口那津男・公明党代表(71)が「自公連立」を巡る“不協和音”に苦しんでいる。2009年8月の「政権交代選挙」での太田昭宏前代表の落選を受け、同年9月に党代表に就任してからすでに14年半。支持母体の創価学会婦人部のアイドル「なっちゃん」として、「平和の党」のトップリーダーを務めてきた山口氏だが、故安倍晋三元首相の「保守路線」の踏襲・強化が際立つ岸田文雄政権との“あつれき”で、自公双方に「連立解消」論がくすぶるからだ。

公明党立党の立役者で、「学会のカリスマ」として同党に君臨し続けた池田大作氏が、昨年11月に95歳で死去したことで、同党内の権力構図も変容した。このため、熱烈な“池田教”信者が支える学会婦人部の支持を集める山口氏が、「定年(任期中に69歳を超えない)」を無視する形で代表を続けざるを得ず、党内外から連立与党としての同党の立ち位置も問われる状況となっている。

麻生、茂木両氏が画策する「公明外し」

そうした中、岸田首相は総裁任期中の「憲法改正」実現を公言。さらに、次期戦闘機の第三国への輸出解禁と防衛装備移転三原則の運用指針改正でも、慎重論を唱えた公明を押し切る格好で決定するなど、「与党の圧力」(自民幹部)をかける場面が相次ぐ。その一方で、公明サイドも次期衆院選での自民との選挙協力には腐心せざるを得ず、その“政治的矛盾”が、山口氏の心労増加の原因だ。

しかも、自民党内ではここにきて、麻生太郎副総裁と茂木敏充幹事長を中心に、次期衆院選に合わせて、日本維新の会や国民民主党の取り込みによる「新たな連立の構築を模索する動き」(自民幹部)も台頭している。この「あからさまな公明外し」(公明幹部)には公明内の反発が拡大、それも山口氏の“悩みの種”となっている。

もともと山口氏は「代表就任までの経緯も順風満帆ではなかった」(周辺)とされる。東大法学部卒で弁護士という経歴は「超エリート」にみえるが、司法試験に合格したのは26歳と遅く、1990年の衆院選旧東京10区で初当選したが、新進党公認で東京17区から出馬した1996年衆院選から連続落選。このため、参院にくら替えして、2001年7月の東京選挙区での当選で中央政界に復帰した。

「八方美人」の山口氏が裏金事件で苦言

もちろん山口氏は、政界入り直後から「将来のリーダー候補」とみられていたが、創価学会の中枢だったことはなく、「人当たりの良さだけで代表になった」(学会幹部)と揶揄されてきたのも事実だ。このため、党内外で「敵はいないが、味方も少ない」との評も付きまとう。その一方でこうした「八方美人にもみえる山口氏の政治的対応が、基本政策が大きく異なる自民との協力維持の源泉」(自民長老)となってきたのも否定できない。 

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