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怖かった街「立川」を変貌させた"大家"企業の正体 商業施設が続々開業、住みたい街にランクイン

東洋経済オンライン / 2024年3月27日 10時30分

立川駅前を走行する多摩都市モノレール(筆者撮影)

春は新生活スタートの季節でもある。進学や就職でそれまで暮らした土地を離れて新たな場所に移り住む人もいるだろう。各種の「住んでみたい街」ランキングでは、首都圏の場合、横浜や吉祥寺のように昔から人気の街もあれば、近年人気が高まった例もある。

【写真を見る】ソラノホテルのインフィニティプール

そのひとつが「立川」だ(東京都立川市。同市の人口は約18万5000人/2024年3月1日現在)。調査によって順位は変わるが、例えば「住みたい街(駅)ランキング2023」(首都圏総合・都県別。2023年9月、長谷工アーベスト調べ)では6位だった。

玄関口である立川駅は乗降客数も多いターミナル駅で、同駅周辺は、東京・多摩地区で有数の繁華街だ。一方で「昔は怖い街」「長年、通過される存在だった」という声も聞く。東京都下では町田や八王子と比較されることも多い立川は、現在、どんな状況なのか。

「街の活性化」「にぎわい」を掲げて地域の再開発に取り組む地元企業、立飛ホールディングス(立飛HD)の村山正道社長に聞いた。

市の面積の4%を持つ“立川の大家”

2月7~8日、将棋の王将戦(第4局)対局場となったのが立川市の「オーベルジュ ときと」だ。藤井聡太八冠が4連勝で七番勝負を制して王将戦3連覇を果たしたが、「ときと」は昨年開業したばかりの施設。もともと当地で長年営業していた料亭「無門庵(むもんあん)」跡を、立飛HDが取得。立飛グループは2020年開業の「ソラノホテル」も所有・運営しており、2021~2023年の王将戦第4局は同ホテルが対局場となった。

将棋の王将戦が象徴するように、以前に比べて立川が注目される機会も増えた。

「当社の前身は立川飛行機です。今から100年前の1924年に航空機メーカーとして誕生し、戦前は陸軍向けに主に練習機を設計・製造・販売していました。現在は不動産賃貸・開発が主力業務で、立飛グループが所有する土地は約98万平方メートルあります。これは立川市の全面積の約4%(25分の1)に相当します」

村山社長は自社グループの横顔をこう説明する。これほど土地を所有するのは理由があり、航空機の設計や飛行には広大な敷地が必要だった。現在の主力業務は、敗戦で米軍に接収されていた自社所有地が戦後に返還されていき、その後に業態転換したためだ。

街の活性化に乗り出す

かつて立飛は「よく看板を見かけるけど何をやっているかわからない会社」といわれた。

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