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原因不明の不調「自律神経の乱れ」はなぜ起きるか ヒトの体は「24時間働くようにできていない」

東洋経済オンライン / 2024年4月6日 9時20分

人間の体は、地球が太陽のまわりを一めぐりする天体のリズムにそって、24時間周期で動いています。つまり昼間は活動して、夜は眠るようにできています。これをサーカディアンリズムといいます。人間の社会もそれに合わせて、多くの人が昼間の時間帯に活動し、夜は休むようになっています(夜勤のある職業や深夜営業のお店など例外もあります)。

ヒトの体内時計は25時間周期

なぜ人間は朝、目が覚めて、夜になると眠くなるかといえば、人間の体には生体時計とか体内時計といわれるものが備わっているからです。ただしこれは24時間周期ではなく、なぜか25時間周期で動いています。だから実験のために、太陽の光がささない真っ暗な部屋でずっと過ごしていると、自然と毎朝目が覚める時刻が後ろ倒しになっていくことがわかっています。

しかし普通に暮らしていれば、まずそうはなりません。それは毎朝、太陽の光を浴びることで生体時計が24時間サイクルにリセットされるからです。太陽の光はとても強いので、曇りや雨の日でもリセットされます。このリセットボタンを押すのが自律神経です。

自律神経とは、24時間サイクルで私たちの体を、その時間帯に最適な状態に自動的に調整する神経であるということもできます。

まず朝起きると交感神経が優位になります。交感神経は興奮・緊張の神経なので、交感神経が優位になると血圧は上がり、心拍は速くなり、筋肉は緊張し、瞳孔は拡大し、汗をかきます。交感神経が優位になるのは、敵に襲われて戦闘状態になったようなときなので、何かあったらすぐに攻撃したり逃げたりできるように、血圧が上がり、心臓が速く打つというわけです。

その一方で腸のぜん動運動など、消化管の働きは抑制されます。交感神経が優位なときは突発的な出来事にもすぐ対応できるよう身構えているときなので、ぜん動運動などしている場合ではないからです。

そして交感神経のはたらきはお昼ごろに最高潮になり、そこからだんだん下降していきます。夕方になると今度はリラックスの神経である副交感神経が優位になる番です。

夜は「リラックスモード」に

副交感神経が優位になると、心臓はそんなに強く打つ必要もないのでゆっくり打つようになります。筋肉は弛緩状態になり、血管もゆるんで広がるので血圧は下がります。

夜になると、昼間は活動が優先され十分にできなかった腸のぜん動運動がおこなわれます。ですから翌朝、排便がうながされるのです。

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