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原因不明の不調「自律神経の乱れ」はなぜ起きるか ヒトの体は「24時間働くようにできていない」

東洋経済オンライン / 2024年4月6日 9時20分

逆にいえば夜間、腸がしっかりぜん動運動をしないと、翌朝排便がうながされません。

旅先で便秘になりやすいのは、寝ているあいだもなんとなく緊張しているので副交感神経があまりはたらかず、ぜん動運動があまりおこなわれないからです。

そして再び朝になると副交感神経は下がり、今度は交感神経が優位になります。このように交感神経と副交感神経は逆位相で動いていて、12時間交代で切り替わるようになっています。

このように見てくると、しっかり休むには、夜、副交感神経が優位である必要があるとわかるでしょう。

にもかかわらず仕事で心配事があったりイライラしたりしていると、寝る時間になっても交感神経が優位のままで、過緊張が続き、うまくリラックスできなくなってしまうのです。

つまり、自律神経が乱れた状態が続いた結果、先ほどお話ししたように肩こりや眼精疲労といった症状があらわれてきます。そして、疲労がさらに蓄積すると、不眠や便秘などの症状も出てくるようになります。

交感神経と副交感神経のバランスが大事

交感神経と副交感神経の関係は、しばしば自動車のアクセルとブレーキにたとえられます。交感神経はアクセルで、体を興奮・緊張させる力です。

一方の副交感神経は自動車のブレーキのように、活動を止めて休ませる力です。

なぜ交感神経と副交感神経両方のバランスがとれていることが大事かというと、強いアクセルを踏んだあと、弱いブレーキではなかなか止まれないからです。つまり昼間エネルギッシュに活動したあとはしっかりブレーキを踏んで休まなければいけないのに、ブレーキが弱いと眠りが浅かったり緊張がほどけなかったりして疲れがとれなくなってしまいます。

逆もしかりで、交感神経のはたらきが弱いと、アクセルが弱くてあまりスピードが出ていないのにブレーキを踏んでばかりいるようなもので、ほとんど前に進めません。つまり活動的になれず、いつもだるくて元気がない状態になってしまいます。これも一種の「疲れ」でしょう。

したがって交感神経と副交感神経はどちらも同じくらいのパワーがあるのが望ましく、どちらかが優位になりすぎないよう気をつけることが大事です。それが疲労の予防にもつながります。

片野 秀樹:博士(医学)、日本リカバリー協会代表理事

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