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「計算式を書かない子」がそのうち抱える問題 「計算が苦手な子」が見落としているポイント

東洋経済オンライン / 2024年4月13日 16時0分

だから入試では、答えが間違っていても、「この考え方はここまでで納得できるな」という場合は部分点がもらえます。逆に、答えは合っているけれど式を書いてなかったら……カンニング答案とみなされて、不合格になってしまいます。

「式は不要派」と「式は必須派」の違い

さて、算数の先生には2種類います。「式は不要派」と「式は必須派」。前者は天才だと思ってください。つまり、指導者、教育者ではありません。

日本一算数が難しいと言われる灘中。大手進学塾で灘コースを長年担当されている先生に、あえて式の是非を問うてみたことがあります。灘中コースには算数オリンピック金メダル者もゴロゴロいますが、「式は必ず書け、と指導しています。そもそも、書かないと解けません」と即答でした。

「でも、書かなくても金メダルを獲ったり、灘中に合格する子もいますよね?」と食い下がってみたところ、「たしかにそういう生徒もいます。でも彼らは天才で、少数派だから何の参考にもなりません。さらに言うなら、算数はそれで解けても数学は書かないと解けない。だから、書かない子たちは数学で失速していきます」と。

子どもに式の必要性を自覚させるには、過去問の解答用紙を見せるのが非常に有効です。「四谷大塚 過去問」で検索すると、私立中学の入試問題と解答用紙が見られます。

この中でおすすめなのが「開成/麻布/鷗友」、そして「巣鴨/大妻」です。「開成/麻布/鷗友」は問題用紙と解答用紙が一体型になっており、表紙に「考え方も書くこと」と明記されています。

「巣鴨/大妻」は解答用紙の狭い枠内に考え方や式を書く必要があります。塾の模試は採点の都合上「解答のみ」が主流ですが、実際の入試問題はそうでない学校もあるということが、子どもにも視覚的にわかります。

式や図を書き写すことは重要

さらに「書き方がわからない」という理由も実は非常に多いのです。その場合は、塾の授業の板書を必ず書き写してこさせましょう。子どもたちは「先生は、解説するために式を書いている」と思っていますが、われわれ指導者が実際に解くときも、きちんと図や式を書いて解きます。

先生やテキストが示す型を「なぜこう書いているのだろう?」と考えながら、そして理解しながら写すことによって、「書く型」が次第に身につきます。とはいえ、速いスピードで進む授業中に「考えながら」「書き写す」を同時に進めるのは至難の業。手順につまずいたら授業動画を活用しましょう。

私も全単元の解説動画を無料公開しています。ぜひ「きょうこ先生のはじめまして受験算数」で検索してみてください。

ポイント!
入試本番の解答用紙を見せると、子どもに「書かなきゃ」という気持ちを抱かせることができます。

安浪 京子:算数教育家、中学受験専門カウンセラー

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