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「5浪京大」彼女の合格導いた"80歳恩師"との別れ 予備校を転々としていた彼女、恩師の教えとは

東洋経済オンライン / 2024年4月21日 7時0分

漫然と塾に通っているだけで安心していて、なぜ点数が伸びないのか、数学ができないのかを突き詰めて考えられていなかったなと思います。

だから5浪目は、9時〜10時 数学の自習、10時〜10時半 塾への移動、10時半〜12時半 個別指導……というふうに10分きざみのスケジュールを作って、忙しい生活を送るようにしました。そうすると、マイナス思考に陥る時間が減って、前向きになれました」

「阪大の休学が4年目に突入して最後の年になっていたこともあり、この年でだめなら諦めて阪大に通おうと思っていた」にこにこさんは、5浪目を最後の挑戦にすると決めていました。

四谷学院に入ったこの年は、受けた模試で京大はほぼ全部A判定だったようで、センター試験も88%を記録します。この年こそは受かると思った彼女でしたが、2次試験の1日目に受験した数学がまったくできずに落ちたと思ったそうです。

「京大は大問が6つ出題されるのですが、1完(1問完答)すらできませんでした。多分落ちたと思って、その日は布団の中で泣いていました。でも、阪大に行こうという覚悟も決まっていたので、なんとか切り替えて2日目をいつもどおりこなしました」

数学以外はいつもどおりできたと語るにこにこさんでしたが、それでも落ちただろうなと思っていたそうです。

合格発表も「一応確認しておこう」と思っていましたが、いざ見てみると夢にも思わなかった自分の番号が目に飛び込んできて、とてもびっくりしたそうです。

「信じられませんでした(笑)。嬉しいというよりは、やっと終わったという感じでしたね。迷惑をかけた親に報告すると、すごく喜んでくれたのでよかったです。終わってみれば合格最低点を30点上回っていたのですが、おそらく数学で部分点を結構もらえていたのが大きいと思います。

京大の数学は、解答だけじゃなくて、一緒に配られる計算用紙に書いてある計算過程・思考過程も点数に入れていると80歳の先生に聞いていたので、今までは省略しがちだった部分をきっちり書いたから合格できたのかなと思います。ここまで浪人させてくれた親と、先生には感謝しています」

同窓会にも堂々と行けるようになった

こうして、にこにこさんは6回目の挑戦で京都大学法学部の合格を掴み取ったのです。

5浪して念願の京都大学に入れたにこにこさんは現在、京都大学の最高学年。

いま、波瀾万丈の浪人生活を振り返って彼女は、浪人してよかったことを「余裕が生まれた」、頑張れた理由に関しては「浪人を許してくれた家庭環境のおかげ」と答えてくれました。

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