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通販ビジネスは"九州"が強いといえる意外な事情 地方の企業が都心の企業と徹底的に違うところ

東洋経済オンライン / 2024年4月23日 16時0分

また、九州の企業では、別の企業の人の話を聞いたり、社内ツアーに参加したりするということもよくあるそうです。経営者の方からも、「ほかの企業の思想を学びに行くんだ」という話をよく耳にします。勉強熱心な企業が多く、常に最新の情報をキャッチしようという姿勢があります。

一方で、都心の企業には、自分たちのノウハウなどをオープンにしない傾向があるように感じます。その結果、勝ち負けの構図になりやすい。企業同士が情報を共有するカルチャーを持つ地方では、共に成長することで勝敗はつかず、良い意味で均衡感が保たれています。

そして、「みんなで良くなろう」ということを前提に、多くの企業がさらに上を目指しています。

EC事業で年間数10億から100億円以上の売り上げを上げている企業もあり、客観的に見ればとても良い状態に思えますが、皆一様に「まだまだです」「先輩たちはもっとすごいから」と答えます。自分で創業して成功している方も多いですが、「自分は成功者である」といった雰囲気も感じさせません。

現代では、ビジネスのノウハウやスキーム、方程式はある程度決まってきています。強い成長意識を持つ地方の方々にそれをお伝えすることができれば、絶対に成長できるはずです。

また、「話を聞く」ことも重要です。

都心ではどんどん提案をするほうが喜ばれる傾向がありますが、地方の企業に同様の姿勢で臨むと、少し押しが強いと思われてしまうことがあります。まずは、どんなことに困っているのか、どんなことを目指しているのかを聞く。そのうえで、こちらからの提案をするようにしています。

地域の関係性に関する情報は、もちろんインターネットにはありません。

自分たちが行って、聞いて、教えてもらうことでしかわかりません。ある地域でビジネスをしようと考えた際、そこには、いま関わっている人たちがいる。その地域に根強くある文化や歴史がビジネスにも影響してくる。この背景を知らなければ、うまくいきません。

地方から「顧客との寄り添い方」を学ぶ

地方でビジネスを展開するとき、ソリューションはもちろんのこと、同時に継続的なサポートも求められました。

「ちゃんと面倒見てくれるのか?」「システムを導入した後も寄り添ってくれるのか?」。顧客のアフターケアが大切なのは全国どこでも変わりませんが、都心部に比べて地方では特に強く要求されたポイントです。

この背景には、その企業の人たち自身が、商品とお客様の触れ合いを重要視していることがあると思います。地方の企業はお客様に寄り添う姿勢が強い。これは本当に強く感じています。

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