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TKO木本、投資トラブルを起こした「40代の焦り」 そこそこ売れてても「妙な不安」に支配されていた

東洋経済オンライン / 2024年4月24日 14時0分

「お笑いで仕事ができているからこそ、呼んでくれてんねんで」という現実。畑違いの人間をたまたまおもしろがってもらっているだけだと思っていました。たとえば「俺、お芝居一本でやるわ」となったら、一気に需要がなくなるに違いないのです。

現状はあくまでも間に合わせで、木本武宏のプレゼン手段として「お笑いと演技」の両翼でやっているだけでした。「本物の演技力がない」という化けの皮が剝がれたとき、「細い柱しか残らへんな」となんだか妙な不安を感じました。

細い柱しかなければ、収入が不安定になることは明白です。そうなったときに、芸能界の中の立ち位置などの見栄の部分よりも「どうやって老後をすごすんやろ」という現実的なことばかりが頭に浮かびます。仕事はちょっとずつ減り出している。でも、ギャラはアップしていない。しかも仕事の質も落ちてきている。

「50歳にまだタッチしていないのにこの状態やったら、50歳になったときにはもっと顕著に影響が出るんやろな」

税理士さんからも「なにか事業をやってください」と急かされていました。僕は友人の助けをかりて、ちっちゃな映像制作の会社を作りましたが、趣味の延長みたいなもので、収入の柱にはなりません。事業をやるといっても、そこそこ忙しいので、専念する時間はとても作れそうにありませんでした。

「柱になるものはないか、なにが柱になるんだろう」

と、焦る気持ちが積み重なっていった中で、暗号通貨に出会い、大物芸能人の現実を聞いて、「投資しかない」と思い込むようになっていったのです。

僕は「稼ぐためならば手段を選ばない」のはカッコ悪いとすら思っていました。「安易に稼ぐ」ところから、もっとも遠いところで生きていた僕にとって、「投資の扉」はイコール「転落への扉」でした。

いまTKOは、地獄から再スタートして、お笑いの王道である「コント」の道を突き進んでいます。自分たちの原点である「一本柱」の力を信じて。

不動産投資でFXの損失をカバーするつもりが…

「木本さん、じつは僕もAにお金を預けていたんです」

と切り出したのは、飲食店などを経営していたBという男です。芸能界にも近くて、陽気で愛想のいい、憎めない男でした。10年くらい前からときどき飲みに行く弟分的な存在でした。

Aに飛ばれた後に、Bから連絡がありました。冒頭の言葉はそのときのものでした。Bも以前はそれほど羽振りよくありませんでしたが、偶然出会ったときに、800万円はする国産の最高級クラスのクルマを運転手つきで乗り回すようになっていました。

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