特集2016年12月9日更新

今年のベストカーは『インプレッサ』に!日本カー・オブ・ザ・イヤー特集

今年も2016年度の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」が発表され、「インプレッサ」が受賞しました。最終ノミネート10台と共にご紹介します。

今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーが「インプレッサ」に決定!

受賞理由は以下の通り。

新開発のスバルグローバルプラットフォームなどにより質の高い走行性能を持つとともに、国産車初の歩行者保護エアバッグ、運転支援システムのアイサイトをはじめとする多くの安全装備を標準装着するなど世界トップレベルの安全性能も実現したことは見事。さらに200万円を切る手頃な価格からラインナップしたことも高く評価した。

部門賞・特別賞

インポート・カーオブ・ザ・イヤー…アウディA4シリーズ

イノベーション部門…日産セレナ

エモーショナル部門…BMW M2クーペ

スモールモビリティ部門賞…ダイハツムーヴキャンバス

実行委員特別賞…ホンダNSX


最終ノミネートの「10ベストカー」

ノミネート車一覧

インプレッサスポーツプリウスフリードセレナM2 クーペA4シリーズF-PACEアバルト124スパイダーEクラスXC90

スバル インプレッサスポーツ/G4

ブランド名スバル
メーカー富士重工業株式会社
公式サイト https://www.subaru.jp/impreza/impreza/
この新型インプレッサから、スバルグローバルプラットホーム(SGP)を採用され、走りの質感が大幅にアップ。今のところガソリン車しかないが、ハイブリッド システムの搭載も考えられている。また、このクラスでは、世界トップレベルの高い安全装備を得ている。歩行者検知式のアイサイト が、全車に標準装備化。そして、国産車初となる歩行者エアバッグも標準装備化している。

SGP採用で安全&走りの性能が大幅向上

5代目新型スバル インプレッサから、待望の新型プラットフォームであるSGP(スバル グローバル プラッフォーム)が採用された。このSGPが採用されたことにより、新型スバル インプレッサは、走行性能や衝突安全性能が飛躍的に向上している。また、スバルは残念ながら電動化技術の開発に関しては、トヨタのハイブリッドシステムを使うことを公表している。そのことから、この新型インプレッサに採用されたSGPは、ハイブリッドシステムを搭載することも要件に入れられ開発されている。

待望のアイサイトを装備

今回の改良では従来のアイサイト搭載モデルよりお買い得な価格設定とすることで、より多くのユーザーアイサイトによる安全装備を提供できるようになりました。アイサイトを装着した1.6L車はタイヤ・ホイール・ブレーキサイズを2L車と同等として、さらにリアスタビライザーを採用して、走行安定性を高めています。

試乗記事

いいクルマは「タイヤのひと転がり目から分かる」といわれますが、感覚の鈍いワタシの場合、フツーは3ないし4転がりくらいしないと判然としません。ですが、Newインプレッサは、それでも如実によくなっているのが分かります。「重厚」と表現すると、スポーティなNewインプレッサにふさわしくありませんが、いわゆる“車格”が上がったかのような、しっかり、カッチリした、クルマ全体の高い剛性感が印象的です。イチから作り直したプラットフォームの恩恵ですね。

プリウス

ブランド名トヨタ
メーカートヨタ自動車株式会社
公式サイト https://toyota.jp/prius/
4台目プリウスは、トヨタ初となるTNGA(トヨタ ニュー グローバル アーキテクチャー)と呼ばれる新プラットフォームが採用された。コスト削減を行いながら、飛躍的に運動性能を高めているのが特徴。プリウスもかなり低重心化され、高い操縦安定性を誇る。プリウスの要ともいえるハイブリッドシステム「THS-II」も呼び名は同じでも、中身は別物となり大幅進化。エンジンも世界トップクラスの最大熱効率40%を誇り、最も燃費の良いグレードは40.8㎞/Lを誇る。しかし、40.8㎞/Lを達成したEグレードは、広告や販促用のためといえるオトリグレード。実際の量販グレードは37.2㎞/Lとなっている。また、このモデルから、電気式の4WD(E-Four) が設定され、降雪地域の顧客もプリウスを積極的に選べるようになった。

安全装備「トヨタ セーフティセンスP」

今回の特別仕様車S“Safety Plus”は、「S」グレードをベースに、歩行者検知機能付衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ、全車速追従機能付のレーダークルーズコントロールをはじめ4つの先進安全機能をセットにした衝突回避支援パッケージ「トヨタ セーフティセンスP」や、インテリジェントクリアランスソナー、シンプルインテリジェントパーキングアシスト、カラーヘ ッドアップディスプレイ、LEDフロントフォグランプ、などを安全装備を充実させている。さらに、ナビレディセットを装備

米国の衝突安全テストで最高評価を獲得

新型プリウスは、IIHS評価のみならず、NHTSA(運輸省道路交通安全局)の衝突安全テストにおいても、総合で最高となる「5つ星」を獲得しました。 トヨタが獲得した今回の衝突安全テスト結果は、新型プリウスの衝突安全性能の高さを如実に裏付けているといえそうです。

試乗記事

走りは全然モッタリしていないどころか、むしろ先代よりもスッキリとシャキシャキして至極レスポンスに優れ、走りの質感が大幅に向上しているからだ。 走行時に感じた疲労度の少なさには先述のシートの貢献も大きいが、なによりも走りが楽しいということにも因る。 プリウスといえば、モーターからエンジンに移行するお馴染みのハイブリッド・フィールは変わらない。しかし、それぞれがツブ立ったというか、性格を明確にしたというか。もったりとした曇りのようなものが取れて、どれもがその輪郭をハッキリと主張しはじめたようなイメージなのである。

フリード/フリード+

ブランド名ホンダ
メーカー本田技研工業株式会社
公式サイト https://www.honda.co.jp/FREED/
初代フリードは、コンパクト なボディに7人乗りという高効率パッケージングを実現した。今では人気カテゴリーとなるコンパクトミニバン というカテゴリーのパイオニアだ。2代目となったフリードは、基本コンセプトを踏襲し、ほぼすべての部分で初代フリードを上回る。ハイブリッドシステムが新しくなり、スポーツハイブリッドi-DCDに変更された。その結果、燃費性能は格段に向上。クラストップレベルの27.2㎞/Lを達成した。安全性能面では、ライバルのシエンタ には無い歩行者検知式自動ブレーキである「ホンダ センシング」が用意されている。

ダイナミックさを追求したデザイン

フィットとステップワゴンの間を埋める商品として、誰にでも使いやすいコンパクトさと、同時に広いキャビンも訴求したい。そうした相反する要件の中で、今回はよりスポーティな躍動感を前面に出しています

初のフルモデルチェンジ

新型フリードは、旧型で掲げた「ちょうどいい」をさらに一歩進めることを念頭に置いたという。その考えは新型のスタイリングにも反映していると感じた。多くの人がバランスが良いと感じるこの「ちょうどいいカタチ」は、ライバルに対する武器のひとつになりそうだ。

試乗記事

フリード/フリードプラスは“センタータンクレイアウト”を採るコンパクトカー「フィット」の、いわばミニバンタイプといえるクルマです。ただ、フィットが前席下にガソリンタンクを収めるのに対し、フリード/フリードプラスは、より薄くした専用タンク(先代と同型)を2列目シートの下に置いています。和製ミニバンに不可欠な、フラットなフロアを実現するためですね。

セレナ

ブランド名ニッサン
メーカー日産自動車株式会社
公式サイト https://www2.nissan.co.jp/SERENA/
プラットフォームこそ先代と同じながら、室内スペースや使い勝手は大幅に向上。先代セレナも使い勝手の良いモデルだったので、新型セレナはまさに痒い所に手が届くといった高い完成度を誇る。その1例として上げられるのが、バックドアを上下に2分割して開くデュアルバックドア。後方にスペースが無い場合でも、分割してバックドアが開くので荷物の出し入れに便利だ。そして、セレナの最も大きなアピールポイントといえるのが、自動運転技術を使った運転支援システム「プロパイロット」だ。ストップ&ゴーを繰り返す渋滞時に、前走車追従走行が可能となっている。ドライバーの疲労軽減に大きく貢献する機能だ。

アグレッシブなスタイルの秘密は?

「チャレンジです。歴代のよさは残しつつ、次のステップへ進むために私たち自身の殻を破りたかった。当初はキープコンセプトな案もありましたが、結局もうひとつのアグレッシブ案を採ったわけです」

スポーティさや開放感を優先したデザイン

「これは日産車のグローバル・デザイン言語ですが、今回は国内専用であるセレナでも同等の表現にしたかった。また、新型は重厚さやボクシーさよりも、スポーティさや開放感を優先させたかったと」

新型セレナで実現した自動運転「レベル2」とは?

独自に開発した国産車初、ミニバンクラスでは世界初となる運転支援機能「プロパイロット(ProPILOT)」をOPT設定しています。 これは高速道路における渋滞走行時や長時間の巡航走行において、アクセル、ブレーキ、ステアリングの全てを自動的に制御するもの。 政府が策定した自動運転技術ロードマップによると、難易度を初期段階の「レベル1 」から完全自動運転の「レベル4」まで4段階に分けており、今回日産が実現した「プロパイロット」は「レベル2」に相当します。

試乗記事

ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)は設定したスピード内で先行車との安全な車間距離を保ったまま走れる装置である。スピード設定は30~100km/hまで可能で、先行車のスピードを読んでアクセルとブレーキを自動で制御してくれる。高速道路の長距離ドライブでの巡行には便利だ。

M2 クーペ

ブランド名BMW
メーカービー・エム・ダブリュー株式会社
公式サイト https://www.bmw.co.jp/ja/all-models/m-series/m2-coupe/2016/at-a-glance.html
日本でも扱いやすいコンパクトな2シリーズクーペをベースに、BMWのハイパフォーマンス車を扱うM社が造りだしたM2クーペ。全長わずか4,475mmというサイズのボディに、、3.0L直6ツインターボを搭載。最高出力272kW(370ps)を6,500rpmで発揮。最大トルク465Nm(47.4kg-m)は1,400rpmの低回転から5,560rpmまでの広い回転域で発生。さらに、オーバーブースと機能もあり、一時的に500N(51.0kgm)まで最大トルクが引き上げられる。エンジンだけでなく、ボディや足回りもM専用となっており、2シリーズクーペとはまったくの別物。小さなボディということもあり、クルマとの一体感もあり、FR車の走りを思う存分楽しめるモデルだ。

これがもっとも「M」らしい「M」か

実際に走らせてみると、1985年にデビューし世界を席巻した初代M3や、さらに1973年まで遡って2002ターボのノスタルジーを意識してしまった。最新の技術を煎じて伝統的なドライビングプレジャーを盛り込んだように感じたのだ。

最もコンパクトなBMW Mモデル

新型『BMW M2クーペ』は、そのコンパクトなボディに、自然吸気エンジンのような官能的な吹けあがりと、ターボ・テクノロジーによる圧倒的なパワーを併せ持つ新開発の直列6気筒Mツインパワー・ターボ・エンジンを搭載。セグメント唯一の後輪駆動コンセプトと約50:50の理想的な前後重量配分により、俊敏なハンドリングと卓越したロード・ホールディング性能を提供する。さらに、「BMW 2シリーズ」クーペの通常モデルから前後のトレッドを拡大し、フェンダー・パネルを拡幅した専用ボディを採用するなど、BMW Mモデルらしいパワフルなスタイリングを形成すると共に高いコーナリング性能を発揮する。

A4シリーズ(Sedan/Avant/allroad quattro)

ブランド名アウディ
メーカーアウディ ジャパン株式会社
公式サイト https://www.audi.jp/a4/
アウディA4シリーズは、セダン とワゴン モデルだけでなく、クロスオーバー車であるオールロードクワトロが加わり、選択肢が多い点がポイントだ。よりアクディブにクルマを使ってレジャーを楽しむ人にとって、より自分のライフスタイルに合ったモデルが選べる。残念ながら、エンジンはパワー違いの2.0Lターボのみ。クリーンディーゼル やPHV モデルが投入されれば、より輝きを増す。また、このモデルから歩行者検知式自動ブレーキなどの予防安全装備が大幅に進化した。そして、アウディの魅力の一つであるAWD機能クワトロは、どんな路面状況でも安定した走りを披露する。

卓越したエアロダイナミクス

新型Audi A4シリーズは、エアロダイナミクスの面で新たなベンチマークを構築したが、このAvantモデルも0.26(欧州仕様値)という、ステーションワゴンとしては最高レベルのCd値を達成。エンジンルームの下側などをフラットなカバーで覆ったアンダーボディ(欧州仕様)に加え、スポイラー機能を持たせたルーフ後端の処理などにより、後輪リフトも最少に抑えることに成功している。

試乗記事

夏はマリンスポーツ、冬はスキー用品を放り込んで、週末ごとに遊びに行く。そういった、リッチでスポーティなライフスタイルをアピールするためのクルマです。「カッコはいいけれど、荷室、狭いじゃん」というフレーズには、「むしろ、それがイイでしょ!」と応えるべきモデルなのです。

F-PACE

ブランド名ジャガー
メーカージャガー・ランドローバー・ジャパン株式会社
公式サイト https://www.jaguar.co.jp/jaguar-range/f-pace/index.html
ジャガー初となるSUV がF-PACEだ。世界的なSUV人気の中、着実に車種ラインアップを増やしているジャガーにとって、まさに世界戦略車といえる1台。ジャガーらしいラグジュアリー感あふれるインテリアながら、F-PACEの走りは、なかなかスポーティ。スタイリッシュなデザインは、都市部でも圧倒的な存在感を主張する。また、搭載されるエンジンは、日本マーケットでメリットの大きい2.0Lのクリーンディーゼルエンジンを用意。顧客に対して、燃費や燃料費、税金面で大きなメリットを提示できている。どうしてもガソリン車という顧客に対しては、V6 3.0Lスーパーチャージャーもラインアップ。

目を引く筋骨隆々とした逞しさ

「ジャガー」も、この「F-PACE」でSUVに初参戦。スポーツカーのDNAを受け継ぐハイパフォーマンスSUVと謳うように、ボンネットをはじめとしたボディの筋骨隆々とした逞しさがまず目を引きます。 そのテイストはインテリアにも。コックピット感が強めのスポーティな室内は使用する素材も質感は高く、またメーターはフル液晶と先進性も兼ね備えているのもポイント。

試乗記事

「まだ頭がクラクラしますが、加速もいいしカーブもしっかり曲がっててくれる。頑張ってスピード出したけどすごく安定していて楽しかったです。パワーもいいし短いコースの中でも曲がりやすい、とてもいいですね」

アバルト124スパイダー

ブランド名アバルト
メーカーFCAジャパン株式会社
公式サイト https://www.abarth.jp/124spider/
マツダ ロードスター をベースに、アバルトオリジナルのデザインや数々の専用パーツを施したアバルト124スパイダー。注目したい点は、やはりパワーユニット。国内のロードスターには無い、アバルト製1.4Lターボが搭載され、170ps&250Nmというパワフルさを誇る。1,130kg(6MT)という軽量ボディとの組み合わせは、なかなかエキサイトで、まさにアバルトの味といったところで、ベースとなるロードスターと明確な差別化が行われている。国内で生産されているということもあり、価格も3,888,000円からと、このクラスの輸入車としてはリーズナブルな設定だ。

フィアット×マツダ=日伊のハイブリッドカー

1.4Lの4気筒エンジンは『アバルト595ツーリズモ』などに横置きされているものを、『アバルト124スパイダー』ではわざわざ縦置きにして搭載されている。その理由は、一にも二にもスポーティな操縦性のためである。『アバルト595ツーリズモ』は、フィアット『500』に基づいた4人乗りのコンパクトカーの定石的な設計で、スペースや燃費のために前輪を駆動するが、『アバルト124スパイダー』は後輪を駆動している。

試乗記事

『ロードスター』だとマニュアルトランスミッションのギアを一段下のものに変えなければならないような局面でも、『アバルト124スパイダー』はそのままのギアで加速していく。走りやすく、使いやすい。『ロードスター』が追い求めている軽快で俊敏な操縦性も『アバルト124スパイダー』は継承している。

Eクラス

ブランド名メルセデス・ベンツ
メーカーメルセデス・ベンツ日本株式会社
公式サイト https://www.mercedes-benz.co.jp/.....
先代Eクラスと比べると、大きなデザインの変更が無く、ある意味変わり映えがしない。しかし、中身は劇的に進化。自動運転技術を使った運転支援システムであるドライブパイロットでは、アクティブレーンチェンジングアシスト機能が追加され、ドライバーがウインカーを2秒以上点滅させると、行き先の車線に車両がいないことを確認後、自動で車線変更するというレベルにまで達している。世界トップレベルの技術だ。また、輸入元であるメルセデス・ベンツ日本が、こうした優れた安全装備を全車標準装備化し導入しているのも高く評価できるポイントだ。すべてのEクラスが、ほぼ同じ安全性能を持っている。こうした装備をオプション設定し「安全を顧客の財布の中身次第」とせずに、製造社自らの責任で社会に安全なクルマを増やす姿勢は多くの自動車メーカーに見習ってほしい点でもある。

“自動運転”ではなく“運転支援システム”

試乗に先立って行われた説明会では、メルセデスの目指す方向として、クルマが「自分で周囲を監視」、「交通状況を判断」して、「自立的に走る」ことが示されました。新型Eクラスに搭載された“ドライブパイロット”は、先行車に従って自車の速度を調整し、自動でステアリングを切り、渋滞時には、やはり自動でストップ&ゴーをこなします。さらに! 運転者がターンシグナルライト(ウインカー)を2秒以上点灯させると、周囲の安全を確かめてから、勝手に(!?)車線変更をして、そのまま走り続けるのです!!

5世代目となった“W213型”Eクラス

しかもメルセデスの新世代セダンは、押し出し重視のプレミアムモデルでありながら、優雅な尻下がり(に見える)フォルムが与えられました。普通なら、フロントにゴツいグリルを光らせて、肩ひじ張って、オシリも突き出して…となるところです。最近のメルセデスは、さり気なくアグレッシブなデザイン戦略を採っているんですね。

試乗記事

さまざまな新技術を採用したEクラスですが、ステアリングホイールを握って走ってみると、総じて“順当な仕上がり”といったところ(上から目線でスイマセン)。例によって、職業的なアラ探しをすると「いまひとつ洗練されないエンジン音がけっこう室内に入ってくる」、「標準設定である『コンフォート』モードでの出足/加速に、もう少しパンチが欲しい」、「乗り心地がやや骨っぽい」といったコメントが頭の中に浮上してきますが、いずれも「メルセデスの新型Eクラスなのだから」という過剰な期待から生じたもの。妙なバイアスを除いて見直せば「プレミアムセダンらしい落ち着いた走り」という評価になりましょう。

XC90

ブランド名ボルボ
メーカーボルボ・カー・ジャパン株式会社
公式サイト https://www.volvocars.com/jp/cars/new-models/xc90
ボルボのライナップ上、フラッグシップSUVといえるXC90。特徴的なのがデザイン。北欧神話に登場するトール神(雷神)がもつハンマーをモチーフにしたT字型のポジションライトが、まさにXC90のアイコンともいえる。ドイツ勢のSUVとはまったく違ったテイストをもつ。XC90には、エコ時代を見据えた新開発のツインエンジンAWDが採用された。いわゆるPHVで、2.0Lガソリンエンジンと組み合わされ、EVモードでは35.4㎞走行可能だ。そして、ボルボといえば安全。歩行者や自転車など、夜間でも対応可能な自動ブレーキを備えるなど世界トップレベルの安全性能をもつ。

次世代ボルボブランドの幕開けとなるモデル

「巨額の開発費を投じて順次全面改良される新世代ボルボの第1弾。2リットル4気筒をシリーズ全車で共用しつつ、過給機の数やプラグインハイブリッドシステムの有無を適宜組み合わせ、広域なレンジの展開に成功した。伝統の安全設計は一段と強化され、一部自動運転の要素を含むに至った。車格に相応しい高級感や居住性、静粛性の向上も著しく、高く評価した。」

全世界10万台の累計販売台数を突破

ボルボXC90は、新世代ボルボの幕開けを告げた、プレミアム7シーターSUVです。洗練された上質なインテリア。9インチのタッチディスプレイや音声認識等によるドライバーを第一に考えた直観的な操作性。控えめでありながら、洗練されたモダン・スカンジナビアンデザインを具現化し、圧倒的な存在感を示しています。レッドドット・デザイン賞「ベスト・オブ・ザ・ベスト」の受賞や、米国『ワーズオート』誌の「10ベストインテリア2016」に選ばれるなど、そのデザイン性は高く評価されており、世界中で60を超える賞を受賞しています。

試乗記事

モーターから発生するキレ味鋭いトルクは、約2.3tという重量ボディをズバっと押し出して、中央道の厳しい登坂や曲がりくねった道ですらギュンギュンと力強く攻略していく。 「ドライブe」の例に漏れず4気筒エンジンとなるT8だが、4気筒という、ともすればザラザラとした雑味が出がちな難しさを微塵もドライバーに感じさせないのは、多分にそのアラが出がちな加速初期の部分をこのモーターがカバーしていると思われる。つまり、とても仕上がりはいいし、それだけ乗ったらそれはそれで完成度の高いT6は、T8に比べてしまえばやや荒削りな印象を与えるモノになっているとも言える。とにかくこの大きな車体にモーターはベストマッチなのだ。見た目以上にスポーティーなフィーリング。とにかく踏むのが心地よい。

いずれも2016年を代表する優秀なクルマばかり。日本カー・オブ・ザ・イヤーの発表は12月9日。この中から今年の顔となるクルマが決定します。