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中国全人代が5日開幕、景気刺激策発表か 大胆な改革は期待薄

ロイター / 2024年3月1日 18時43分

 中国で5日から北京の人民大会堂で全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開かれる。北京で2月29日撮影(2024年 ロイター/Florence Lo)

Kevin Yao

[北京 1日 ロイター] - 中国で5日から北京の人民大会堂で全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開かれる。成長を安定させる緩やかな景気刺激策を発表する見込みだが、深刻な構造的不均衡を是正する具体的なロードマップを期待する向きは失望する可能性がある。

李強首相は今年の経済目標を発表し、政府活動報告を行う。

中国は不動産危機やデフレ、地方政府債務などの問題に直面しており、政治指導者は経済を長期的に安定させる政策決定を下すよう圧力が強まっている。

しかし新型コロナウイルス危機後の景気回復がすぐに失速したことから、全人代では目先の経済支援に重点が置かれるとアナリストや政策顧問らは予想している。

李氏はビジネス環境改善策や技術革新促進策に言及するかもしれないが、中国共産党の承認が必要となる大規模な改革を行う公算は小さいという。

中国銀行の調査部門を統括するZong Liang氏は「最優先事項は経済を安定させることだ」と語った。

経済規模を2035年までに約2倍にし「中国式の近代化」を成し遂げるという習近平国家主席の方針に沿って、24年の成長目標は昨年と同じ5%程度に設定される見込み。

そのためには一段の財政刺激策が必要となる。政策顧問の一人は「今年は5%の目標を達成するというより強力な圧力に直面している」と語った。

24年の財政赤字目標は国内総生産(GDP)比3%に設定すると予想されている。食料やエネルギーなど戦略的に重要なセクターの資金調達に使用できる1兆元(1390億ドル)の予算枠外の特別国債発行計画も公表するとみられる。

シティのアナリストは特別債と3%の財政赤字、3兆8000億元の地方政府の債券発行枠を合わせると、GDPを約1%ポイント押し上げる効果があると推計している。

ソシエテ・ジェネラルのアナリストはメモで「財政政策がより積極的になるのは間違いない」としながらも「バズーカ砲のような景気刺激策への意欲はまだ限られている」と指摘した。

<改革を巡る議論>

過去最低水準の消費者信頼感や投資家・企業心理の落ち込みを懸念する改革派は、市場志向の道に戻り家計需要を高める方法を見出すよう求めている。

都市部の居住許可を緩和して出稼ぎ労働者に消費を促したり、国営大企業の力をそいで民間企業の競争を支援したり、税制を改革して地方債務の根本原因に取り組んだりすべきとの声が聞かれる。

前出の政策顧問は「景気刺激策は短期的な問題解決にしか役立たない可能性がある。改革を加速させる必要がある。経済状況により当局は改革の推進を余儀なくされるかもしれない」と語った。

重要な政策転換は通常全人代ではなく、中国共産党の中央委員会第3回全体会議(3中全会)で決定されることが多い。23年終盤に開催されるとみられていたが、日程が公表されていないことから投資家の懸念が高まっている。

2人の政策筋によると、最高指導部が取るべき措置で一致すれば、年内に開催される可能性があるという。

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