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豪中銀、政策金利を0.10%に据え置き 3年債利回り目標にコミット

ロイター / 2021年3月2日 17時14分

 3月2日、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は、市場の予想通り、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.10%に据え置いた。写真はRBAの入り口。シドニーで2016年10月撮影(2021年 ロイター/David Gray)

[シドニー 2日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は2日、市場の予想通り、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.10%に据え置いた。また、早くても2024年まで雇用とインフレ率の中銀目標は達成されない見込みだとし、超緩和的な政策を維持する方針を改めて示した。

豪中銀は、世界の債券市場での売りを背景にした国内債券の利回り上昇への対応に苦慮している。

RBAのコミットメントにも関わらず、豪債券市場では10年債先物が売られ、利回りは前日の1.66%から1.72%に上昇した。

3年ぶり高値近辺で推移している豪ドルは、一時1豪ドル=0.7737米ドルまで下落していたが、0.7762米ドルまで値を戻した。

ロウ総裁は声明で、豪ドル高に異議を唱えなかったものの、豪ドルはレンジの上限にあるとし、金融緩和がなければさらに上昇していた可能性があると指摘した。

豪3年債利回りは先週26日、0.188%まで上昇し、中銀目標の0.1%を大きく上回った。これを受け、中銀は同日、30億豪ドル(23億3000万米ドル)の国債買い入れオペを実施。また1日には、さらに40億豪ドル規模のオペを実施した。

ロウ総裁は「中銀は3年債利回りを目標水準に維持することに引き続きコミットしており、この目標に向け最近国債を買い入れた。今後も必要に応じてそうする」と表明。

「理事会は目標が達成されるまで景気刺激的な金融状況を維持することに依然としてコミットしている」と述べた。

これを受け、3年債利回りは0.14%にやや低下した。ただ、流動性が高い3年債先物は依然として0.265%の利回りを織り込む水準となっている。

オーストラリア・コモンウェルス銀行のエコノミストは、RBAは長期ゾーンの債券買い入れの柔軟性を維持する一方、3年債利回りを対象にしたYCCを年後半に取りやめると予想。「経済指標の改善が続いていることから、RBAは最終的に年後半にはYCCを放棄せざるをえないとみている」と述べた。

一方、ANZのエコノミストは、必要があればさらに国債を買い入れるとするRBAの姿勢に市場は注目していると指摘。

債券市場にとって最大の注目点は予想を上回る経済指標が持続的に発表されるかだとし、そうなればイールドカーブのスティープ化継続が正当化されるとした。

オーストラリアはこれまでのところ、新型コロナウイルスの感染拡大封じ込めに成功しており、消費支出が上向いている。

3日発表予定の第4・四半期国内総生産(GDP)は前期比2.5%増が見込まれている。第3・四半期のGDPは、前期比3.3%増だった。

ウエストパックのシニアエコノミスト、アンドリュー・ハンラン氏は「明らかに上向きのリスクがあり、GDP伸び率は3%付近になる可能性がある」と指摘。「さらに住宅建設が上向いており、企業投資も機器への支出を中心にさえなかった状況から改善している可能性がある」と語った。

ナショナル・オーストラリア銀行のエコノミスト、タパス・ストリックランド氏も「国内経済に回復が見られる中、市場は、RBAが3年債利回り目標を維持する姿勢を試し続けていくのではないか」との見方を示した。

ロイター調査ではアナリスト15人のうち1人を除く全員が政策金利の据え置きを予想していた。

*内容を追加しました。

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