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ゲームストップ株急落、個人投資家の熱狂近く終息か

ロイター / 2021年2月3日 9時54分

 2月2日の米株式市場では、オンライン掲示板の「レディット」を通じて個人投資家の買いが膨らんでいたゲーム販売のゲームストップ株などが急落した。市場では、個人投資家の熱狂的な買いは長続きせず、問題はいつ終息するかだとの見方も出ている。写真はゲームストップの店舗、ニューヨークで1月撮影(2021年 ロイター/Nick Zieminski)

[2日 ロイター] - 2日の米株式市場では、オンライン掲示板の「レディット」を通じて個人投資家の買いが膨らんでいたゲーム販売のゲームストップ株などが急落した。市場では、個人投資家の熱狂的な買いは長続きせず、問題はいつ終息するかだ、との見方も出ている。

ゲームストップ株終値は60%安の90ドル。先週は483ドルまで値上がりしていた。

レディットの人気フォーラム「ウォールストリートベッツ」には「最悪の局面だ」「まだゲームストップ株を保有している」「390ドルで買って大損した」といった投稿が寄せられている。

また、ある投稿者は「これはわれわれが協力してこそ効果がある。押し目買いで持ちこたえよう。みんなのために。この運動は終わっていない」と訴えた。また、別の投稿者は「正直なところ、先週に稼いだが、まだ保有している。でも、ヘッジファンドを抑え込む仲間がいないと終わりも同然だ」と書き込んだ。

キングスビュー・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ポール・ノルテ氏は「ショートポジションの解消がかなり進んでおり、株価の急騰は終わったようだ」とし「このようなゲームはこうした結果になる。しばらくはうまく行くが、そのうちうまく行かなくなる。うまく行かなくなると急反転する」と述べた。

金融分析会社S3パートナーズによると、空売り筋は2日の取引で総額33億9000万ドルの含み益を得た。空売り筋の年初からの損失額・含み損は92億ドルという。

<銀価格も急落>

ゲームストップ株と同様、個人投資家とヘッジファンドの攻防戦が繰り広げられていた銀のスポット価格も、2日の取引で8%以上急落。前日は8年ぶりの高値を付けていた。銀の代表的な上場投資信託(ETF)は8.3%下落した。

アナリストは、銀の市場は複雑で規模も大きく、個人投資家の影響力には限界があると指摘している。

米CMEグループがニューヨーク商品取引所(COMEX)銀先物の証拠金を引き上げたことも大きく影響した。

銀生産のファースト・マジェスティック・シルバー、パン・アメリカン・シルバーの株価も値下がりした。

<時間の問題>

個人投資家が利用しているオンライン証券ロビンフットは2日、ゲームストップ、米映画館チェーン大手AMCエンターテインメント・ホールディングスなど5銘柄に対する取引制限を緩和。ゲームストップ株の購入制限は20株から100株に引き上げられた。

アナリストは、個人投資家の熱狂的な買いは長続きしないとし、問題はいつ終息するかだと述べている。

チェリー・レーン・インベストメンツのパートナー、リック・メクラー氏は「非常に限られた戦略であり、ゲームストップやAMCなどの銘柄では異常な状況が起こるだろうが、機関投資家の投資手法を変えるほど広範な戦略ではない」と指摘。

「値動きは非常に大きく、市場関係者はソーシャルメディアの影響力に目を見張っているが、今回の例では、そうした動きがいかに短期的なものかが明らかになった。市場関係者も冷静さを取り戻すだろう」と述べた。

<「ミーム株」急落>

2日の株式市場では、ゲームストップのほかにも、レディットを通じて個人投資家の買いが膨らんでいた「ミーム株」(ネットの情報拡散で取引される銘柄)が急落した。

AMCとステレオ・ヘッドフォン製造のコスは40%以上急落。アパレルのエクスプレスとネイキッド・ブランド・グループは約30%安。

カナダのソフト会社ブラックベリー、小売りのベッド・バス・アンド・ビヨンドも2桁の下げを記録した。フィンランドの通信大手ノキアの米国上場株も7%安だった。

今回のゲームストップ株急騰劇では、空売りを仕掛けていたヘッジファンドにも注目が集まった。専門家は、規制当局が、金融市場で影響力が増しているヘッジファンドなどに関する調査を急ぐとの見方を示している。

一方、ロビンフッド・マーケッツの証券取引アプリの先週の国内ダウンロード件数が210万件と、前週から394%急拡大したことが、調査会社センサー・タワーのデータから分かった。他の国内競合アプリのダウンロード件数も上回った。

ロビンフッドは、過去1週間で34億ドルの緊急資金を調達。年内の株式公開を計画している。

<ゲームストック株、プットオプションの取引急増>

ゲームストック株が急落するなか、同株のプットオプションの購入も膨らんだ。プットオプションとコールオプションの取引高の比率は2日、約2対1となった。

過去6週間はコールオプションの取引がプットオプションの取引を大幅に上回っていた。

オプション分析会社ORATSのマット・アンバーソン氏は「ゲームストック株の踏み上げはいずれ終わるとの見方から、投資家がプットを購入している」と指摘した。

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