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台湾地震、半導体供給網に混乱も TSMCなど一部稼働停止

ロイター / 2024年4月4日 12時5分

アナリストらによると、台湾で3日発生したマグニチュード(M)7.2の地震を受けて、アジアの半導体サプライチェーン全体に混乱が生じる可能性がある。2023年3月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

Liam Mo Brenda Goh

[北京 3日 ロイター] - アナリストらによると、台湾で3日発生したマグニチュード(M)7.2の地震を受けて、アジアの半導体やディスプレーなどのサプライチェーン全体に混乱が生じる可能性がある。半導体受託生産の世界大手、台湾積体電路製造(TSMC)などが一部業務を停止したためだ。

TSMCは米アップルや米半導体大手エヌビディアのサプライヤーでもある。台湾にはこのほか、聯華電子(UMC)やバンガード・インターナショナル・セミコンダクター(世界先進積体電路)などの半導体メーカーが本拠地を置いている。

アナリストによると、台湾メーカーは何年も前から工場の地震対策を強化しており、生産自体や設備への打撃を最小化するための自動緊急停止システムが広く採用されている。

カナダの調査会社テックインサイツのダン・ハッチソン副会長は、「自動停止する設備の多くは再稼働に36時間から48時間もかからない。四半期決算に影響はない可能性が高いが、復旧と再稼働は頭痛の種になるだろう」と述べた。

大半の工場は震源地に近くないが、多くの企業は製造工場の一部を停止させ、幾つかの施設を点検のために閉鎖した。

TSMCは、地震発生から10時間以内に同社の半導体製造施設の全体的な復旧率が70%以上に達し、新しい施設では80%以上に達したと発表。

AI(人工知能)向け半導体をTSMCで製造しているエヌビディアは、製造パートナーと協議した上で、地震によるサプライチェーンの混乱は予想していないと説明した。

コンサルティング会社アイザイア・リサーチは、新竹市、台南市、台中市にあるTSMCの工場では地震で少なからず操業が滞ったため一部の出荷を遅らせたり、ウエハーの投入量を増やす必要がある可能性があると指摘。「地震の影響を軽減するには、生産を回復し品質基準を維持するための慎重な対策と時間が必要であり、新たな影響と障害が生じている」と分析した。

TSMCの台南工場では、3ナノメートルや4─5ナノの先端半導体の製造が一時停止。さらに、これらの先端半導体の製造に不可欠な極端紫外線(EUV)露光装置も8─15時間停止した。

バークレイズのアナリストらは、一部の非常に高度な半導体工場は数週間にわたり真空状態で24時間365日連続稼働する必要があるため、操業の一時停止によってプロセスが中断されることで、半導体部門への価格圧力が高まると指摘。

この結果、日本や韓国などにおける上流製品の製造のみならず、中国やベトナムなど下流製品に重点を置く国の電子機器製造業に「短期的な障害」を引き起こす可能性があると述べた。また、顧客の在庫水準が低下することで、台湾や韓国の半導体メーカーが価格を引き上げる可能性があると指摘した。

調査会社トレンドフォースは、テレビ用パネルの出荷も影響を受けると予想。旺盛な需要に対応するため、メーカーはすでに世界的にフル稼働に近い状態で操業しており、地震によって供給が逼迫する可能性が高いという。

テレビ用パネルの価格は4月いっぱい上昇し続けると予想されるが、台湾のパネルメーカーが1週間以上の操業停止を余儀なくされない限り、地震の長期的な影響は限定的とした。

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