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中国大手が軍と開発した出生前検査、遺伝子データが当局に渡る可能性

ロイター / 2021年7月8日 13時54分

7月7日、 中国の遺伝子解析最大手BGIグループ(華大集団)が中国軍と共同開発した出生前検査のデータを二次利用し、診断データが国家安全保障に直接関連する場合には中国当局に提出可能な規定となっていることが分かった。 写真は、BGIグループの出生前検査を受けた際に提出した同意書のコピーを手にする女性。ワルシャワで3月撮影(2021年 ロイター/Kuba Stezycki)

[7日 ロイター] - 中国の遺伝子解析最大手BGIグループ(華大集団)が中国軍と共同開発した出生前検査のデータを二次利用し、診断データが国家安全保障に直接関連する場合には中国当局に提出可能な規定となっていることが分かった。同社の出生前検査は世界中の妊婦数百万人に利用されている。ロイターが公開資料などを基に調査した。

BGIが人民解放軍と協力して出生前検査を開発し、診断データを保管・分析していることが明らかになったのは初めて。

BGIは2013年に出生前検査の海外での販売を開始。同社の「NIFTY」は非侵襲的出生前検査(NIPT)として世界で最も販売されている検査の1つで、母体からの採血によって胎児の異常を調べる。

BGIによると、これまでに検査を受けた女性は世界全体で800万人余り。NIFTYは英国や欧州諸国、カナダ、オーストラリア、タイ、インドなど少なくとも52カ国で販売されているが、米国では販売されていない。

ロイターの調査で、検査を受けた女性500人以上の遺伝子データが、BGIが運営する深圳の「国家基因庫(ナショナル・ジーンバンク)」に保管されていることも分かった。国家基因庫には中国政府が資金を提供している。

またロイターの調査によると、BGIは香港の自社研究所に送られてくる検査後の血液サンプルやデータを人口調査に利用していることを認めた。

ロイターの調査では、BGIによる個人情報保護規定や規則の違反は見つからなかった。同社は、検査の際に同意を得ており、海外のサンプルやデータは5年後に廃棄しているし、検査や分析にあたって個人情報にアクセスすることはないと説明した。

ただ、BGIの検査の個人情報保護規定によると、収集したデータが中国の国家安全保障に直接関連する場合には当局への提供が可能となっている。

同社によると、これまでにNIFTYのデータについて中国当局から提供の要請を受けたことはなく、提供したこともないという。

米国家テロ対策センターはロイターの取材結果について、NIFTYを受ける海外の女性は中国の情報機関へのデータ提供を認めている個人情報保護規定に注意すべきだと指摘した。

専門家の話に基づくと、出生前検査を販売し、研究のためにデータを利用している企業は複数あるが、いずれもBGIほど大規模ではない。またBGIは政府とつながりを持ち、軍と協力してきた実績もある。

ロイターの調査によると、BGIは2010年に軍と組んで胎児の遺伝子の研究を開始。軍の研究者と共同で出生前検査について数十件の研究結果を報告している。

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