中国天津市、新たな大規模検査開始 トヨタ合弁工場にも影響
ロイター / 2022年1月12日 13時53分
中国の天津市は12日、新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染拡大抑制策として、1400万人の市民を対象に新たな大規模検査を開始した。一方、一部のアナリストはオミクロン変異株に伴う規制が中国の経済成長を阻害する可能性があると指摘している。写真は天津市の大規模検査場で9日撮影。cnsphoto提供(2022年 ロイター)
[北京 12日 ロイター] - 中国の天津市は12日、新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染拡大抑制策として、1400万人の市民を対象に新たな大規模検査を開始した。一部のアナリストはオミクロン変異株に伴う規制が中国の経済成長を阻害する可能性があると指摘している。
トヨタ自動車は合弁会社の天津工場が10日から操業を停止していることを明らかにした。サプライヤーが天津市民に対する強制検査の影響を受けているためという。
トヨタはロイターに対し、政府の指示や、地域社会およびサプライヤーの安全・安心が確認され次第、操業を再開する計画だと述べた。
当局のデータによると、天津市は11日に確認された有症状の新型コロナ国内感染者が33人だったと報告。前日の10人から増加した。
同市は12日、2回目の大規模検査に応じるため、企業やその他機関の従業員に半日休暇を命じ、自宅待機を要請した。
また、オミクロン株の市中感染が確認されている中部の河南省安陽市では、前日に2人だった有症感染者数が11日には65人に急増した。
孫春蘭副首相は河南省を訪問し、オミクロン株が同市の感染抑制の取り組みを難しくしていると指摘。新華社が11日遅くに報じたところによると、副首相は「検査と疫学調査の効率を一段と高め、コミュニティーレベルの厳しい対策を講じる必要がある」と述べた。
天津、安陽両市ともにオミクロン株感染者の総数は不明。両市では大規模な検査が行われており、住民の市内での移動が制限されているほか、町外への外出も困難になっている。
こうした中、ゴールドマン・サックスのアナリストは、オミクロン株封じ込めに向け規制が強まりそうだとし、2022年の中国経済成長率予測を従来の4.8%から4.3%に下方修正した。対策が強化される可能性があることによる経済的コストを理由に挙げた。
また、モルガン・スタンレーのアナリストは、オミクロン株が「中国のゼロコロナ戦略の下では、利益よりもコストの方が大きいことを意味する」可能性があるとして、今年第1・四半期の成長率予測に下振れリスクがあると指摘した。
天津と安陽での感染を含め、中国本土では11日に計166人の有症状の国内感染者が報告され、前日の110人を上回った。新たな死者はいなかった。
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