米財務長官、IMFと世銀にコロナ対策で賢明な財源活用求める
ロイター / 2020年10月15日 9時31分
[ワシントン 14日 ロイター] - ムニューシン米財務長官は14日、国際通貨基金(IMF)と世界銀行に対して、今ある財源を賢明に活用して新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に対処するよう求めた。また、20カ国・地域(G20)には、暫定合意したばかりの低所得国の債務再編枠組みを最終承認するよう呼び掛けた。
ムニューシン氏はIMFと世銀の執行部に宛てた声明で、両機関は引き続きコロナ流行に打撃を受けた国々に対し、融資や助言、能力開発といった支援を行う必要があると指摘。ただ、緊急対応基金から多額の支援金を拠出する現状から通常の金融支援にシフトするため準備を進める必要があると指摘した。
「世銀は、出資国に拙速な追加資金拠出の要請で負担をかけることがないよう、世銀以外の資金調達源を強固に確立している国々への資金配分の明確な根拠を示すなどして財源を賢明にかつ透明性を確保して管理する必要がある」と訴えた。
今週は18日までの3日間、IMF・世銀年次総会がバーチャル形式で開催される。ムニューシン氏の声明は米以外の加盟国によるIMFの特別引出権(SDR)新規発行への要請には言及していない。
同氏は、世銀は資金ニーズが最も高く、出資に関する追加の調整が必要ではないところに資源を集中させるべきだと強調した。
IMFについては、既存の資金供給ツールを最大限に活用すべきだが、対外債務の再編が必要な国々を含む支援対象国に対し、融資条件にさらなる柔軟性を持たせることが必要になるかもしれないとの考えを示した。
IMF執行部に対し、同機関の1兆ドルの融資能力が十分かどうかについて情報を常に更新し、危機対応基金の拡大を実行するよう求めた。
また、IMFは特に厳しい状況にある国々に対し、緊急対応融資から、経済成長押し上げに向けた構造改革を伴う従来型のIMF金融支援に移行するよう促すべきだと訴えた。
「IMFは危機対応に資源を活用しながらも世界の経済・金融安定という中核的な責務を果たすことに引き続き注力する必要がある」とした。
G20財務相・中央銀行総裁が14日のテレビ会議で暫定合意した低所得国の債務問題にケースバイケースで対応する「共通の枠組み」に関しては、迅速に最終決定する必要性を訴えた。この枠組みによって「共通の基準で債務返済猶予が行えるようになり、全ての民間・公的な2国間債務の債権者を網羅する公平な負担の分担が実現する」と評した。
*内容を追加しました。
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