前場の日経平均は反落、利益確定売り 決算材料に物色も
ロイター / 2021年1月15日 12時13分
[東京 15日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日59円21銭安の2万8639円05銭となり、6日ぶりに反落した。日経平均は前日までに5日続伸し、連日のバブル崩壊後高値更新となったこともあり、きょうは高値警戒感から利益確定売りが優勢となった。
ただ、個別では決算を材料視した物色の動きがみられ、指数を押し上げる場面があった。
14日の米国株市場では、主要3指数がそろって下落した。バイデン新政権下での新型コロナウイルス経済対策への期待がある一方、新規失業保険申請件数の増加を受けて労働市場の悪化を巡る懸念が高まった。ただ、個別では半導体関連が買われ、フィラデルフィア半導体指数は連日の最高値をつけた。
日経平均は寄り付きでは続伸スタートとなったが、その後はマイナス圏とプラス圏を行き来する一進一退の値動きがみられた。指数寄与度の高い銘柄では、ファーストリテイリングが2.8%安となり、日経平均を約98円押し下げる格好となった。
TOPIXも反落し0.51%安で午前の取引を終了。東証1部売買代金は1兆4587億2700万円と、引き続き商いが膨らんでいる。東証33業種では、輸送用機器、鉄鋼、電気・ガス業などの25業種が値下がり。鉱業、石油・石炭製品、ゴム製品などの8業種は値上がりした。
市場では「きのうの日経平均が午後急落したことを踏まえると、仕掛け的な売りが出やすい水準となっている可能性がある。きょうのTOPIXは下落率が0.5%を超えているが、日銀はこの株高相場でもETF(上場投資信託)買いを実施するかどうかが注目されている」(運用会社)との声が出ていた。
個別では、東京エレクトロン、アドバンテスト、SCREENホールディングス、レーザーテックなどの半導体がしっかり。半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)が14日に発表した2020年第4・四半期(10─12月)決算で、純利益は前年同期比23%増の1428億台湾ドル(51億ドル)となり、過去最高益を計上。今年の設備投資額は前年比で最大60%拡大を見込んでいることが明らかとなり、これを受け半導体関連銘柄は総じて堅調な動きとなっている。
東証1部の騰落数は、値上がり580銘柄に対し、値下がりが1505銘柄、変わらずが103銘柄だった。
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