米ハイチ特使、移民送還に抗議し辞任
ロイター / 2021年9月24日 10時9分
米国務省の報道官は、カリブ海のハイチ担当のダニエル・フット特使が9月22日付で辞任したと明らかにした。写真はテキサス州デルリオの移民・難民キャンプで撮影(2021年 ロイター/Adrees Latif)
[シウダードアクニャ(メキシコ)/ワシントン 23日 ロイター] - 米国務省の報道官は、カリブ海のハイチ担当のダニエル・フット特使が22日付で辞任したと明らかにした。同氏はブリンケン国務長官宛ての辞表で、バイデン政権がメキシコとの国境地帯の仮設キャンプから多数のハイチ人の本国送還を決めたのは「非人道的」だと抗議した。
フット氏は7月に特使に任命されたばかり。ハイチは「崩壊状態」にあり、送還された移民を支えられないと強調した。
「何千人ものハイチ人難民および不法移民を本国送還するという米国の非人道的、非生産的な決定に自分が関連付けられるのを拒否する」と表明した。辞表は23日に公開された。
西半球最貧国のハイチでは最近、大統領暗殺や大規模な地震が起き、ギャング組織による暴力が深刻化している。
米国土安全保障省(DHS)の当局者らによると、テキサス州デルリオのキャンプからハイチ人1400人以上を本国に送還し、3200人以上を難民申請を行うためにキャンプから出した。キャンプの収容人数は今月18日に最多の約1万5000人に達した。
航空機の航路追跡サイトや活動家などによると、23日にはハイチ人の本国送還のために少なくとも4便が予定されている。
国務省のプライス報道官はフット氏の主張を一蹴し、「解決志向の政策プロセスに参加する代わりに辞任を選び、辞任に至るまでの経緯も誤って表現した」と批判した。在職中に移民について懸念を表明する十分な機会があったにもかかわらずそれは生かさず、辞任を選んだとした。
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