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カナダ首相が異例の国民向け演説、コロナ感染第2波に警戒感

ロイター / 2020年9月24日 13時21分

 9月23日、カナダのトルドー首相(写真)は、異例の国民向け演説を行い、国内で新型コロナウイルス感染の第2波が起きていると指摘し、感染予防の指針に従わなければ感染が急拡大するとの警戒感を示した。写真はオタワで撮影(2020年 ロイター/Blair Gable)

[オタワ 23日 ロイター] - カナダのトルドー首相は23日、異例の国民向け演説を行い、国内で新型コロナウイルス感染の第2波が起きていると指摘し、感染予防の指針に従わなければ感染が急拡大するとの警戒感を示した。

主要4州で感染の第2波が広がる中、国内の感染状況は岐路に差し掛かっていると指摘。「春よりもずっと悪い状況に陥りかねない」との懸念を示し、感染拡大を封じ込めるため政府は必要な措置を全て講じると強調した。

国内の1日当たり感染者の平均は過去1週間1123人と、8月中旬の380人を大幅に上回っている。

首相は「われわれには第2波をコントロールする力がある。これまでにもコントロールしており、可能だ」と強調した。

首相の演説に先立ち政府は、新規の大型投資や感染対策を進める方針を示した。

同国ではすでに個人・企業向けの大規模な支援策が発表されているが、政府は新型コロナ危機で失われた100万人以上の雇用を取り戻すとし「今は緊縮の時ではない。カナダは他国に比べて最高の財政状態で危機に突入した」との認識を示した。

直近の政府データによると、国内の累計感染者は14万7753人、死者は9243人に達している。

市場では、財政赤字と公的債務の急増に対する懸念が浮上しており、今回の政府の計画を受けて、さらに不安が広がる可能性もある。

格付け会社フィッチ・レーティングスは6月、コロナ禍で財政悪化が予想されるとして、カナダのソブリン格付けを「AAA」から「AAプラス」に引き下げた。

首相の演説後、カナダドルは下げ幅を拡大。1ドル=1.3384カナダドルに下落した。

首相は演説で、金利が低いため、歳出計画を実行できると表明。「対策を減らせば、回復が遅れ、長期的に赤字が拡大することになる」とし、長期の歳出は財政的に持続可能だと述べた。

カナダの今年度の財政赤字は、すでに発表済みの歳出計画を受けて、戦後最大の3432億カナダドル(2565億ドル)に達すると予測されている。

カールトン大学のイアン・リー准教授は、首相の演説について「非常にリスクの高い賭けだ」とし「首相は、大規模な支出の拡大で高成長を実現するという賭けに出ている」と述べた。

*内容を追加し、写真をつけました。

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