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ANA構造改革、新事業で航空を補完 人件費や機材圧縮=関係筋

ロイター / 2020年10月26日 11時40分

 10月26日 新型コロナウイルス禍で経営が悪化するANAホールディングスが、顧客データを使って旅行商品の販売などを強化する新規事業を立ち上げることが分かった。写真は10月23日、東京の羽田空港で撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 26日 ロイター] - 新型コロナウイルス禍で経営が悪化するANAホールディングス<9202.T>が、顧客データを使って旅行商品の販売などを強化する新規事業を立ち上げることが分かった。需要の早期回復が見込めない航空事業を補いたい考え。人件費や機材の削減といったコスト圧縮策や、格安航空事業の強化などと合わせ、27日に発表する事業構造改革に盛り込む。事情に詳しい複数の関係筋が明らかにした。

ANAはグループ子会社で旅行や物販、保険販売などを展開している。8月時点で約3646万人いる全日本空輸のマイレージ会員の属性やマイル使用履歴などをここに活用し、新たな収益減に育てる。

その一環として、航空券やツアーを販売するANAセールス(東京・中央)の旅行事業と、マイレージプログラムの開発・運営やマーケティング事業を展開するANA X(エーエヌエー・エックス、東京・港)を来年4月をめどに統合する。

ANAの広報担当者は新事業について「今までやってきていることもあり、今後も拡大していくのは事実だが、具体的に決まった予定はない」と述べた。

一方、本業の航空事業は規模を縮小してコロナ禍を乗り切る方針。全日空の国際線は羽田空港発着便を優先、国内線は羽田・伊丹空港を中心に路線を集約する。傘下の格安航空会社ピーチ・アビエーション(大阪府田尻町)で全日空のマイルを使えるようにするなどして路線を補い合う。

全日空保有の旅客機を約1割減らして固定費も圧縮する。維持費のかかる大型機を中心に、通常より早めに退役させるなどして約25—30機を削減するほか、超大型機「A380」の3号機納入を来年秋以降に先送りする。

人員も縮小する。毎年の定年退職者などの約3000人に加え、来年度以降はしばらく新卒・中途採用を凍結。社員の出向も検討している。例年より退職金を上乗せした希望退職の募集も14日から始めた。役員報酬カットや一般社員の月額給与5%削減、賞与見送りなどで人件費を750億円以上圧縮する。

ANA広報は、「出向自体は検討している」と認めた。受け入れ先の企業名や人件費削減額は回答を控えた。

ANAが27日に発表する2021年3月期の連結最終損益は5000億円規模の赤字(前期は276億円の黒字)となる見通し。官民5銀行から劣後ローンで4000億円を調達する。

3月末に41.4%だった自己資本比率は、6月末は33.9%まで低下している。コストを削減するとともに、一部を資本に組み入れられる劣後ローンで財務基盤を強化する。

(白木真紀 編集:久保信博)

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