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仏で訓練受けたウクライナ軍旅団、「脱走」スキャンダルで激震

AFPBB News / 2025年1月11日 15時40分

ウクライナ東部ドネツク州の非公開の場所で、フランス製のカエサル自走砲をロシアの陣地に向けて発射する準備をするウクライナ軍第155独立機械化旅団の砲兵(2025年1月6日撮影)。(c)Genya SAVILOV/AFP

【AFP=時事】「アンヌ・ド・キエフ(キーウ)」の愛称で知られるウクライナ軍第155機械化旅団は、フランスで訓練を受けたとして同国とウクライナの両大統領に大々的に喧伝(けんでん)され、ウクライナ軍の主力部隊となるはずだった。

だが、創設から数か月足らずで、二つの敵と戦う羽目になった。戦場で相対するロシア軍と、ウクライナ軍を震撼(しんかん)させた内部のスキャンダルだ。

ウクライナは、第155機械化旅団から1000人以上が脱走したとの報道に揺れている。ほとんどは戦場に派遣される前に離隊し、中にはフランスでの訓練中に脱走した兵士もいるとされる

このスキャンダルは、ロシアが侵攻を開始してからの約3年間でウクライナ軍を悩ませ続けてきた問題の氷山の一角にすぎないとみられているが、ウクライナにとっては政治的・軍事的に重要な節目で明るみに出た。



ミハイロ・ドラパティ陸軍司令官は、AFPも参加した第155機械化旅団のプレスツアーで、「確かに問題はある。私たちも認識している」とし、「公に明らかになった否定的な事柄」に関して「人員配置、訓練、指揮幕僚の一部に問題があった」と語った。


■「ユニークな」取り組みとフランスも称賛

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、昨年開かれた第2次世界大戦のノルマンディー上陸作戦から80年を記念する式典で、中世のキエフ大公国からフランス王家に嫁いだ王妃「アンヌ・ド・キエフ」にちなんだ愛称を付けられた第155機械化旅団の創設を発表した。

フランス政府は「ユニークな」取り組みとして称賛。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、北大西洋条約機構(NATO)に訓練を受け、装備を提供された部隊をさらに数十部隊編成したいとの考えを示していた。

だが昨年12月、軍事ブロガー、ユーリー・ブトゥソフ氏が、第155機械化旅団から1700人が無断で離隊し、うち50人はフランスで訓練中に脱走したと指摘。同旅団のイメージは打ち砕かれた。

フランス政府は、同旅団の訓練中に「数十人」が脱走したことを認めたが、「ささいな」問題だと主張した。

ブトゥソフ氏は第155機械化旅団について、ロシア軍が奪取を試みている東部ドネツク州の要衝ポクロウシク近郊に展開した最初の数日間で、損失と「組織的混乱」が発生したとも指摘している。

このスキャンダルは、ロシア軍の阻止に苦戦しているウクライナ軍にとって、そしてNATOとの協力関係を深めたいゼレンスキー氏にとっても、恥ずべき失態となった。

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