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歩けば驚くほど「馬」にあたる…! 横浜・みなとみらい線「馬車道駅」には何がある?

オールアバウト / 2024年4月12日 22時10分

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横浜の人気観光スポット・横浜赤レンガ倉庫の最寄り駅である、みなとみらい線馬車道駅。なぜ「馬車道」という駅名になったのでしょうか。周辺を歩いてみると驚くほどたくさんの「馬」に出会えました。

横浜の人気観光スポット・横浜赤レンガ倉庫の最寄り駅の1つ、みなとみらい線 馬車道駅。どうして「馬車道」という名前になったのでしょうか。駅周辺を歩いてみると、たくさんの「馬」に出会えました(画像は全て筆者撮影)。

「馬車道駅」という名前になった理由とは?

「馬車道」は行政上の正式な町名ではなく、横浜市中区にある地域名称です。馬車道を含む周辺が馬車道エリアと呼ばれています。

馬車道商店街の公式Webサイトによると、横浜開港後に起きた1866年の慶応の大火の後、外国側の要請として盛り込まれていたのが、幅60フィート(約18メートル)の馬車のための道を整備することでした。道路は3本作られ、そのうちの1本が現在の馬車道にあたります。馬車を走らせるための道路が整備されたことをきっかけに、馬車道が生まれ、発展していったとのことです。

レトロなデザインの歴史的建造物も残っており、開港当時のにぎわいを感じられるのも特徴です。

みなとみらい線馬車道駅内の駅表示
みなとみらい線の公式Webサイト「馬車道駅」のページには、

『「馬車道」という言葉の響きはロマンチック、エキゾチックな街の雰囲気が容易に想像することができるため、駅名称といたしました。』

と、記載されています。

そんな馬車道駅を降りてすぐのところにある馬車道商店街を歩いてみると、「馬」がたくさん! 馬を探しながら、全長約780メートルの馬車道商店街を往復してみました。

いななきが聞こえるような「馬の像」

ヴェナンツォ・クロチェッティ「馬の像」
馬車道駅5番出口を出たところにあるのが、あいおいニッセイ同和損保ビル。その1階にあるファミリーレストラン・ジョナサンの前には「馬の像」があります。

この像の作者、ヴェナンツォ・クロチェッティはイタリアの彫刻家。1938年、わずか24歳でヴェネチア・ビエンナーレでグランプリを獲得し、イタリア彫刻界で幅広い活躍をしていたそうです。馬のいななきが聞こえるようなポーズが印象的。

このほか、あいおいニッセイ同和損保ビルの壁面には昔の馬車道写真や馬車の車輪の壁画などがあるので、こちらもお見逃しなく。

ドームが印象的な歴史的建造物・神奈川県立歴史博物館

「エースのドーム」という愛称の神奈川県立歴史博物館
ここから馬車道通りを南西(関内駅)方向へ歩いてみましょう。

あいおいニッセイ同和損保ビルの隣にあるのは神奈川県立歴史博物館。建物の旧館部分は1904年に横浜正金銀行本店として建設され、重要文化財・史跡に指定されている日本を代表する近代建築です。

設計は明治建築界の巨頭である妻木頼黄(つまき よりなか)。外壁に石材を使用したれんが造りで、地上3階地下1階建ての建物は、コリント式の重厚な石造彫刻の柱頭飾りをもつ大オーダーと、正面に据えられた巨大なドームが特徴となっています。
馬車道の随所に設置されている、馬のオブジェがついた車道と歩道を隔てるポールベンチをよく見ると背もたれとフレームの下に馬車のマークが損保ジャパン横浜馬車道ビルは、1922年に建設された旧川崎銀行横浜支店の姿を壁面の一部として遺している

「横濱馬車道あいす」を販売する平安堂薬局

2020年1月に竣工した「平安堂薬局」の新社屋
神奈川県立歴史博物館からほどなくすると、2020年1月に竣工した「平安堂薬局」の新社屋、清栄ビル馬車道が見えてきます。

平安堂は1870年、薬剤師が経営する薬局として創業。馬車道で150年の歴史を刻んできました。平安堂薬局では医薬品だけでなく、タカナシ乳業「横濱馬車道あいす」も販売しています。
「アイスクリーム発祥の地」を記念し設置された、本郷新「太陽の母子」1976年

実は、1869年、馬車道通りで町田房蔵が日本人ではじめてアイスクリームを製造販売したといわれています。それを再現したアイスクリームは近くのレストラン「相生」で食べることができましたが、2015年に閉店したため、平安堂薬局が引き継ぐ形で「横濱馬車道あいす」の販売を始めました。
馬車道商店街の入口には江戸時代から続くいなり寿司「泉平」と明治創業の和菓子店「松むら」が並ぶ

馬車道のシンボル「BSマーク」があちこちに

カフェ・ド・クリエ馬車道店の壁面には馬車道のシンボル「BSマーク」が
カフェ・ド・クリエ馬車道店で折り返して、通りの反対側から戻りましょう。馬車道商店街を歩いていると、馬車をイメージしたマークがあちこちに見ることができます。

これは「BSマーク」といい、馬車道通サービス会(現:馬車道商店街協同組合)が1960年に制作したものです。
看板などに見られる「BSマーク」

りそな銀行の看板に目を向けると、銀行のロゴの下に馬のマークが確認できます。まちづくり協定により、看板の下部にBSマークを入れることになっているようです。

馬蹄をモチーフとしたお菓子も

ガトー・ド・ボワイヤージュ馬車道本店
馬車道をはずれ、りそな銀行の先にある路地(常盤通り)に寄り道しましょう。この通りには、ガトー・ド・ボワイヤージュ馬車道本店があります。

幸せを呼ぶ馬車道馬蹄パイ(単品 税込103円)
こちらでは、馬蹄をモチーフとしたパイ菓子「幸せを呼ぶ馬車道馬蹄パイ」を販売しています。馬蹄は上が開いているU字型であるから、幸せを受け止め満たしてくれる縁起物として欧州では古くから伝承されています。

ザラメ糖をまぶしさっくり仕上げたシュガーバター、コク深い濃厚な甘みが特徴のメープル、爽やかな甘みと酸味のストロベリー、エダムチーズの香り高く風味豊かなチーズの4種類があります(2024年4月20日からシュガーバターとキャラメルの2種類にリニューアル)。

日本で初めてガス灯が設置された馬車道

実際にガスで点灯するガス灯
1872年、馬車道周辺で日本初のガス灯が点灯されました。馬車道通りのガス灯は、実際にガスで点灯しています。

「日本で最初のガス灯」記念碑
関内ホールの前には、「日本で最初のガス灯」記念碑とともに、当時のものを復元した記念のガス灯が立っているので立ち寄ってみてください。

とんかつ馬車道さくら本店
馬とは関係ありませんが……関内ホールの先には、「とんかつ馬車道さくら本店」があります。近年、馬車道エリアはとんかつの激戦区となっています。近隣には、同店のほかに、老舗の勝烈庵、丸和、檍(あおき)と名店がひしめきあっています。

人気のアイスミルクティーでひと休み

昭和の雰囲気が漂う、サモアール馬車道店
歩き疲れてきたので、サモアール馬車道店でひと休みしましょう。

サモアールは1974年に横浜駅西口で1号店をオープンした紅茶専門店。店名の由来は、中央アジアを中心に伝統的に使用されてきた紅茶を注ぐための金属製の容器です。

ロイヤルミルクティ(アイス)(税込750円)
店内は昭和の雰囲気が漂っています。同店の人気メニューはアイスロイヤルミルクティ。味はもちろん、アールグレイで淹れるアイスティ、生クリーム、ミルクが織りなす3層は見た目も美しい!

本物の馬車や馬の水飲み場も見られる

ホテルルートイン横浜馬車道に展示されている馬車
神奈川県立歴史博物館の向かいにあるホテルルートイン横浜馬車道の正面玄関には本物の馬車が展示されています。これは1995年に馬車道商店街が購入したイギリス製のもの。毎秋開催される「馬車道まつり」では無料で試乗できるそうです。

馬に水を飲ませるための水槽
ホテルルートイン横浜馬車道の隣りには「牛馬飲水」と書かれた水槽があります。馬に水を飲ませるための水槽で、馬車が交通の主流だった大正時代に設けられた馬の休憩施設です。

このように馬車道は地名が表す通り、馬と関係が深い場所。おいしいものと「馬」を探して歩いてみてください。

この記事の執筆者:田辺 紫 プロフィール
神奈川県在住コピーライター。2001年2月より総合情報サイト「All About」で横浜ガイドを務める。2009年4月、第3回かながわ検定 横浜ライセンス1級取得。「横浜ウォッチャー」として、ブログ、SNSを運営。
(文:田辺 紫)

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