生き方に共感…100年前のキャリア・ウーマンがつくったものとは?
ananweb / 2019年6月28日 17時0分
おしゃれなデザインやライフスタイルで注目を集めるフィンランド。『ムーミン』も生み出した北欧の国から、女性芸術家たちのステキな作品が来日しています! 個性的な絵画や版画、そして彼女たちの生き方からパワーをもらえる展覧会をご紹介!
■ 100年前のキャリア・ウーマンが集結!
【女子的アートナビ】vol. 150
東京・上野の国立西洋美術館 新館展示室2階で、『日本・フィンランド外交関係樹立100周年記念 モダン・ウーマン―フィンランド美術を彩った女性芸術家たち』がはじまりました。
この展覧会では、19 世紀後半から20 世紀初頭のフィンランドで活躍した女性芸術家たちにフォーカス。日本でも回顧展が開かれた画家ヘレン・シャルフベック(1862-1946)など7人の作家たちによる絵画や彫刻、素描、版画など85点の作品が展示されています。
作品と一緒に注目したいのが、彼女たちの“生き方”。紹介されている作家たちはみな自立し、プロのアーティストとしてキャリアを築き上げていました。なかにはシングルマザーとして活動していた人もいます。
■ 前大統領も絶賛!
でも、なぜ当時、彼女たちは男性中心のヨーロッパ社会で活躍できたのでしょう?
展覧会の開会式に出席した国立西洋美術館長、馬渕明子さんによると、フィンランドではこの時期、ロシアからの独立運動のなかで、社会における女性の立場や役割に大変革が起こっていた、とのこと。
また、19世紀半ばに設立されたフィンランドの美術学校は、当時のヨーロッパでは珍しく、創立当初から男女平等の美術教育を行い、女性たちは奨学金や留学のチャンスもつかみ、芸術家としての道を切り開くことができたそうです。
開会式には、フィンランドの前大統領タルヤ・ハロネンさんも出席。同国初の女性大統領として活躍されたハロネンさんは、この女性芸術家たちについて、「仕事との両立が難しい時代に、彼女たちは友情を通してお互いを支え合い、世界の中で先駆者となった」とその偉業をたたえました。
■ 生き方にも注目!
それでは、展示室に入ってみます。7人の芸術家たちが時代順に並び、彼女たちの写真とプロフィールも一緒に紹介されています。
日本では、あまり紹介される機会のなかった作家も多いので、まずはプロフィールを読んでから作品を見たほうがよさそうです。
例えば、こちらはシーグリッド・ショーマン(1877-1979)のコーナー。彼女は美術学校で学んだあとデビューし、イタリアやフランスにも滞在。フィレンツェでは、画家仲間のエレン・テスレフと一緒に制作しています。
ショーマンは、この展覧会で紹介されている女性芸術家のなかで唯一子どもを持った人ですが、パートナーが結婚前に亡くなってしまったため、未婚のシングルマザーとして仕事をしながら娘を育てたそうです。
展示されている作品は、トスカーナ地方の小都市で描かれた風景画や自画像などの油彩画8点。娘を描いた絵もあります。色彩や光に関心を持っていたショーマンの作品は心地よい明るさがあり、見ていると元気が出てきます。
■ ロダンの弟子も…
絵画作品だけでなく、彫刻作品も展示されています。例えば、シーグリッド・アフ・フォルセルス(1860-1935)は、パリでロダンに学んだこともある彫刻家で、彼の傑作《カレーの市民》制作時には助手もつとめました。
彼女は人生の大半をフランスとイタリアで過ごし、制作や展覧会への参加も滞在先の国で行うなど、国際的な環境のなかで活動しました。
ちなみに、現在、国立西洋美術館では、企画展示室にて『国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展』を開催中です。こちらの企画展や常設展示室、さらに美術館の前庭などでもロダン作品をいろいろ見ることができるので、ぜひ師匠と弟子の作品を見比べてみてください。(※企画展は別途観覧料が必要です。)
また、別室の版画展示室も要チェック。ここでは女性芸術家の美術教育に焦点をあて、美術学校での授業などが作品とともに紹介されています。
■ パワーをもらいに…!
フィンランドでは、女性が大統領などの高い地位につくなど、社会のあらゆる分野で女性が活躍しています。そういった働きやすい環境の一端を100年前につくりあげた女性アーティストたちの作品は、見ているだけでパワーがわいてきます。
この展覧会は、常設展の料金だけで観覧OK。ぜひぜひ足を運んでみてくださいね!
■ Information
会期:~9月23日(月・祝)
休館日:月曜日、7月16日(火)(ただし、7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)は開館)
時間:9:30~17:30 毎週金・土曜日:9:30~21:00 ※入館は閉館の30分前まで
会場:国立西洋美術館 新館展示室2階
料金:一般 ¥500/大学生 ¥250/高校生以下及び18歳未満、65歳以上無料(入館の際に学生証または年齢の確認できるものを要提示)
※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
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