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中国スマホメーカー、日本への攻勢強める 格安折りたたみスマホで勝負

ASCII.jp / 2024年3月27日 7時0分

ZTEジャパン発表会より

 中国のスマートフォンメーカーが日本への攻勢を強めている。

 数年前までは、SIMフリー市場を中心にファーウェイが一強であったが、当時のトランプ政権による禁輸措置によってGoogle Playやクアルコムの5Gモデムなどが使えなくなり、最先端のスマホが売れなくなってしまった。結果、スマートフォン市場でのシェアを落とすなか、ここにきて、別の中国メーカーがハイスペックやコストパフォーマンスを武器に日本に勝負を挑みつつある。

ZTE「nubia」ついに上陸

 ZTEジャパンは3月14日に新製品並びに日本展開の戦略発表会を開催した。

 ZTEといえば、2008年には日本で法人が設立され、以後、16年に渡って、キャリア向けなどに製品を納めるだけでなく、SIMフリー市場にも端末を投入してきた。2023年には日本での累計出荷台数が1000万台を突破するほどだ。

 そんなZTEジャパンが、今回、折りたたみスマートフォン「nubia Flip 5G」を発売する。価格は7万9800円。すでにワイモバイル向けに供給され、条件を満たせば3万9800円で購入できる「Libero Flip」がベースとなっている。

 これまでもサムスン電子やモトローラなどが折りたたみスマートフォンを投入してきたが、頑張っても10万円弱という値付けがやっとであった。しかし、ZTEではキャリア向けなら3万9800円、SIMフリー市場で7万9800円とインパクトのある値付けを実現している。

 これまで折りたたみスマートフォンは「気になる存在だが、価格が高くて手が出ない」といった商材であったが、ZTEによって一気に普及価格帯に降りてきた印象だ。

 実際にLibero Flipを使ってみたが、質感やカメラ、FeliCaなど、使い勝手や性能には満足できるレベルであった。これが3万9800円で購入できるとはコストパフォーマンスの高さに驚くほどだ。

Xiaomi、春に新製品投入へ

 一方、2019年に日本に上陸を果たしたXiaomiも、この春、新製品を投入する見込みだ。

 2月にスペイン・バルセロナで開催されたMWC 2024において、新製品「Xiaomi 14 Ultra」を発表。Xiaomiの国際業務部、東アジアリージョン ゼネラルマネージャーの李剛健氏は「日本でも発売したいと考えている。具体的には決まっていないが、期待していただきたい」と胸を張る。

 Xiaomi 14 Ultraは1インチセンサーを搭載。グローバルではライカブランドを冠しているが、残念ながら、過去のモデルではライカブランドが外された状態で国内発売された。

 日本では、ソフトバンクとシャープがライカブランドでの販売を許されているようで、Xiaomiが日本展開するのは難しいという「都市伝説」がある。

 李氏は「ライカの問題についても現在、本社と交渉している。ビジネスチームのフィードバックによれば可能性はゼロではない。将来的には日本のキャリアを通じて、ライカブランドのフラグシップを展開したい」と意気込む。

計画の3倍売れたシャオミ

 海外メーカーが日本で成功するには「キャリアに納入できるか」が第一条件となる。

 そんななか、XiaomiはKDDIに対して、スマートフォンだけでなく、昨年、テレビを納入したことが話題となった。実際、KDDIによれば計画の3倍、売れたようだ。

 Xiaomi Japanの大沼彰社長は「コストパフォーマンスが評価されたようだ。また、チューナーレステレビということで、若い人を中心にテレビは観ないが(ネットの)映像は観るという人が増えている。そういうニーズはわかっていたし、また、4つの画面サイズを用意したことが良かったと感じている」と語る。

 ZTEもXiaomiもソフトバンクやKDDIとはきちんと関係性が築けている。ただ、日本でメジャーなスマートフォンメーカーになるのは、やはりNTTドコモに納入できるかが重要となるだろう。

 かつて、ファーウェイもNTTドコモに納入した実績があった。また、ZTEもNTTドコモからスマートフォンを販売したこともある。

 ただ、NTTドコモはNTTの完全子会社となって以降、中国メーカーをいままで以上に避けているような雰囲気を醸し出している。

ブランドの認知拡大が鍵に

 これまでNTTドコモとの取引のないXiaomiは、NTTドコモとの関係を築くことができるのか。

 大沼社長は「われわれからアプローチしていないわけではなく、その都度、しっかりと会話をしている。いろいろ言えないことはあるが、会話は継続していきたい」と語る。

 ちなみに、大沼社長は過去には日本や海外メーカーにも在籍し、キャリアとのパイプはかなり太い。Xiaomiとしても日本での販売台数をさらに稼ぐためにはキャリアとの関係性が重要ということもあって、大沼社長に白羽の矢が立ったのだろう。

 コストパフォーマンスの高さとしてはZTEもXiaomiも申し分ない。あとは、nubiaやXiaomiといった、日本のユーザーが全く認知していないブランドをどれだけ浸透させるかが、飛躍するための課題と言えるだろう。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。

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