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【レビュー】楽器の練習や音楽再生にもよかった! ゼンハイザーの新モニターヘッドホン「HD 490 PRO」

ASCII.jp / 2024年4月5日 18時0分

ゼンハイザーの開放型スタジオモニターヘッドホン「HD 490 PRO」の魅力は音楽制作だけじゃない、リスニング用のヘッドホンとしても満足の完成度でした

 前回この連載で紹介したBOSSのギター/ベース用ヘッドホンアンプ「KATANA:GO」と一緒に使ってみたところ、とても相性の良かったゼンハイザーのスタジオモニターヘッドホン「HD 490 PRO」を今回レポートしたいと思います。

開放型モニターヘッドホンのフラグシップモデル

 HD 490 PROはゼンハイザーが3月21日に発売した、音楽制作向けのスタジオモニターヘッドホンです。価格はオープンですが、実売価格は6万6000円前後。交換用イヤーパッドや専用のハードケースが付属する「HD 490 PRO Plus」の価格は7万7000円前後です。

 ゼンハイザーといえば音楽リスニング用の高級ヘッドホンも多数展開するブランドですが、音楽制作者向けのスタジオモニターヘッドホンも別ラインとして展開しています。密閉型の「HD 280 PRO」「HD 200 PRO」やポータビリティにも富む「HD 25」などのラインナップがあります。

着脱可能なケーブル。ヘッドホン本体の左右どちら側にも装着できます

 音が生まれるドライバーの背面が塞がっていない、開放型のハウジング構造を採用しています。

 HD 490 PROは開放型ハウジングを採用するフラグシップ。軽く心地よい装着感を実現したほか、着脱可能な片側出しのケーブルがヘッドホン本体の左右どちら側に装着するかユーザーが選べます。筆者はギターを弾く時に右手のストロークに合わせてケーブルがぶらぶらするのが嫌なので、ケーブルは本体の左側に装着しました。

 開放型ヘッドホンのメリットには、密閉型のヘッドホンに比べると立体音響空間の中で音像定位がつかみやすく、音場の豊かな広がりが感じられることがひとつあります。最近では空間オーディオ的な立体音響コンテンツを制作するスタジオエンジニアにも、密閉型のほかに開放型のヘッドホンをリファレンスとして用意するプロが増えているようです。ゼンハイザーのHD 490 PROも今後スタジオエンジニアに注目される機種になりそうです。

素材が異なる2種類のイヤーパッドが付属。簡単に着脱交換ができます

楽器の練習に最適な理由

 筆者はKATANA:GOとHD 490 PROの組み合わせは、楽器の練習にも適していると感じました。密閉型ヘッドホンで聴くサウンドの方が、より低音がガツンと響く感じはあるものの、開放型ヘッドホンの方がエレキの音色がより切れ味を増す手応えが得られました。

 さらに開放型ヘッドホンならば、楽器を弾く手もとの「生音」もわずかながらも聞こえてきます。エレキギターをかき鳴らす時のフィジカルな動きにサウンドが連動して、一体感が高まります。筆者は弾けないのでわかりませんが、ピアノのような鍵盤楽器の方が、演奏する時に身体が楽器に触れるフィードバックが感じられるので、開放型ヘッドホンの方が演奏にのめり込めそうな気がします。

 もうひとつ、開放型ヘッドホンならばマイクとミキサーを用意しなくても気軽に弾き語りの練習ができてよかったです。

 一方、開放型ヘッドホンは構造上、装着した状態で周囲の音が漏れ聴こえてくるので、ボーカルや楽器の演奏をシビアに聴きながら録音制作をする用途にはあまり向かないかもしれません。

どんな音楽にも合うバランスの良いサウンド

 今回紹介したゼンハイザーのHD 490 PROやソニーのMDR-M1ST、MDR-CD900ST、シュアのSRH840Aなど人気のモデルを聴き比べてみるとよくわかると思いますが、音楽制作向けのスタジオモニターヘッドホンは「余計な色づけのない、フラットバランスなサウンドキャラクター」を共通の特徴としています。その理由は、ミュージシャンやアーティストが創りたいサウンドにヘッドホンがフィルターをかけてしまうことを避けるためです。

付属するケーブルは3.5ミリのコネクタを採用。Macによる音楽リスニングにも最適です

 このようなスタジオモニターヘッドホンの特徴を活かして、ふだんよく聴いている音楽の素の表情をHD 490 PROで楽しむのも良いと思います。本機はサウンドに脚色はしないものの、情報量が豊富で立体感の豊かなサウンドを楽しませてくれます。日常の音楽リスニングにも真価を発揮すると思います。

   

筆者紹介――山本 敦  オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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