社会的に優位なはずの男性たちの「生きづらさ」に迫る ジャーナリスト奥田祥子の20年ルポ『男が心配』を発売
@Press / 2022年7月20日 10時0分
株式会社PHP研究所(京都市南区・代表取締役社長 瀬津要)は、2022年7月20日に『男が心配』(奥田祥子著・1,100円税込)を発売します。世界経済フォーラム(WEF)が発表した男女平等度を示す「ジェンダーギャップ指数」2022年度の総合ランキングで、日本は146カ国中116位と報じられました。男女平等への取り組みが続く日本社会において、男性の幸福度は女性より低く、その差は世界一だという調査結果も出ています(「幸福度白書」OECD、How's Life? 2020)。本書は、ジャーナリスト奥田祥子氏が、20年以上にわたって独自取材を行い、幸福度の男女格差の正体に切り込むルポルタージュです。のべ1000人以上のインタビューをもとに、「男性の生きづらさ」に迫ります。
画像 : https://newscast.jp/attachments/Gj2xHG3UUDOugUOcvwZy.jpg
『男が心配』表紙
生きづらさの根底にある「男らしさ」の呪縛
著者は新聞記者時代から、「結婚できない男たち」「仮面イクメン」「男の更年期」「無自覚パワハラ」など、独自の切り口で男性の生きづらさを追い続けてきました。男性の生きづらさの根底にあるのが「男らしさ」の呪縛であり、それが今や「呪い」と化すほど深刻化していることが心配でならないと、本書「はじめに」で述べています。本書でいう「男らしさ」とは、ジェンダー規範と呼ばれるものです。「出世して社会的評価を得なければならない」「妻子の経済的・精神的支柱であるべき」といったことが、社会が激変し、「男性が大黒柱」であり続けることが困難になった今なお求められていることを、1000人に及ぶインタビューで著者は目の当たりにしました。本書を執筆したのは、苦しんでいる男性の声をすくい上げたいという思いに衝き動かされたからです。
継続的インタビューで浮き彫りにする「リアル」
定点観測ルポである本書は、全取材対象者のうち、500人を超える男性に継続的にインタビューを行っており、最長は21年にもおよびます。膨大なインタビューデータを分析してテーマごとに類型化し、各人が抱える問題の本質に肉薄。生きづらさからの解放の方策を考察します。
本書に登場する男性は、どこにでもいる市井の人々である。職場の上司・同僚・部下であり、夫・父・息子であり、もしかするとあなた自身であるかもしれない。「男らしさ」の呪縛から解放され、生きづらさを少しでも軽減するための方策を、一緒に考えていただければ幸いである。
(本書「はじめに」より)
『男が心配』について
本書の構成
●第1章 モテ信奉
「モテる男でなければならない」という「男らしさ」規範から逃れられず、結婚したいのにできない男たちの深層
●第2章 定年後幻想
「生涯現役」へのこだわりが招く末路を、仕事や男としての性、夫婦関係などを着眼点としてそれぞれ分析
●第3章 イクメン神話
育児について、積極的に関わる父親も、そうでない父親も、それぞれが一人で抱えてきたつらさの理由
●第4章 ケアメン礼賛
可視化されにくい母親や妻を介護する男性の苦悩を追う
●第5章 出世圧力
「男は出世しなければならない」というプレッシャーがサラリーマン人生に影を落とす実態を探る
●第6章 『男』の呪いを解く
社会学的知見も交えて、「男らしさ」という「呪い」を解くためのヒントを提案
著者略歴
奥田祥子(おくだ しょうこ)
京都府生まれ。近畿大学教授、ジャーナリスト。博士(政策・メディア)。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程単位取得退学。読売新聞記者を経て、2017年から近畿大学教授。2000年代初頭から「結婚できない男たち」「仮面イクメン」「男の更年期」「無自覚パワハラ」など独自の切り口で男性の生きづらさを追い、対象者一人ひとりへの最長で20年余りに及ぶ継続的インタビューを行う。『男性漂流』(講談社)は大反響を呼び、台湾や韓国でも翻訳出版。『捨てられる男たち』(SBクリエイティブ)、『「女性活躍」に翻弄される人びと』(光文社)、『社会的うつ』(晃洋書房)、『夫婦幻想』(筑摩書房)など著書多数。日本文藝家協会会員。
書誌情報
タイトル:男が心配
著者:奥田祥子
価格:1,100円(10%税込)
判型・製本・頁数:新書判並製248ページ
ISBN978-4-569- 85221-8
レーベル:PHP新書
発行:PHP研究所
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プレスリリース提供元:@Press
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