日経BPコンサルティング調べ―業務改善・改革に関する調査―業務改善・改革の必要性を認識しつつも、プロジェクトは難航 ITと組織内コミュニケーションが成果の鍵
@Press / 2014年2月7日 11時0分
株式会社日経BPコンサルティング(所在地:東京都港区、代表取締役社長:戸田 雅博)は、「業務改善・改革(※1)に関する調査」を2013年11月に実施しました。この調査は、主任以上の役職者が業務改善・改革にどのように関わっているのか、プロジェクトを阻害する要因は何かを明らかにするものです。(調査概要は下記参照)。
※1:この調査において、業務改善・改革とは『事業が成長していくための既存商品・サービスの改良や効率的に提供する施策』と定義しました
結果からは、企業は業務改善・改革に取り組む機会が多く、そこではITが重要な役割を果たすとの認識が浮かび上がりました。「組織横断的に取り組めない」ことが障害となっており、上司と部下のコミュニケーションもプロジェクト成功に影響を与えていることが明らかになりました。
以下では調査結果の主要なポイントを紹介します。
本リリースURL
http://consult.nikkeibp.co.jp/consult/news/2014/0207ka/
調査概要および図表
http://www.atpress.ne.jp/releases/43061/att_43061_1.pdf
●役職者(主任以上)の95%が業務上の改善・改革すべき問題を認識
現在関わっている業務について、改善・改革すべき問題を意識しているか尋ねたのが、図1である。95%が業務に対して改善・改革すべき問題を認識している。その一方で、問題の存在は意識しつつ、その内容やその大きさまでは分かっていない人が35%いる。
図1 業務上の改善・改革すべき問題を意識できているか
http://www.atpress.ne.jp/releases/43061/img_43061_1.jpg
●過半数が事業成長の為に既存業務の改善・改革に取り組む。新規事業立ち上げより、機会が多い
事業拡大を前提とした業務への取り組み方を「A:新規事業の企画や立ち上げ」と「B:業務改善・改革」の2つに大別したところ、過去5年間では、「【B】に取り組むことが多かった」が半数を超えて高い(図2-1)。しかし、その効果は新規事業の立ち上げに比べ、実感しにくい面がある。(図2-2)
●業務改善・改革は「実現性を意識しながら、現場主体で進める」ことを重視
では業務改善・改革業務はどのように進められているのだろうか。
業務改善・改革を進める際の4つの手法について、重視度を尋ねたのが図3だ。大きく、実行主体と改革の進め方に分けて比較すると、実行主体では現場主体がトップダウンより支持された。進め方では、一気に進める改革はどちらかというと否定され、実現性を意識した推進が支持を集めた。
●準備段階よりも施策実行段階以降に遅れ、「組織横断的に取り組めない」が全体を通しての課題
次に、実際のプロジェクトを見てみよう。過去5年間に自ら取り組んだ業務改善・改革プロジェクトの進行状況について、最もよくあるパターンを尋ねたものが図4である。ここでは、プロジェクトを4ステップ((1)立ち上げ、(2)方向性検討、(3)実行、(4)評価)に大別し、各ステップの実際の進ちょくを回答してもらった。4ステップのいずれにおいても、半数以上が予定通り進んでいない。さらに施策実行以降のステップは、施策実行前((1)(2))に比べてうまく進まないことがわかる。
プロジェクトを進める上での問題点についても尋ねた(図5-1、図5-2)。いずれのステップにおいても「複数部署や組織が横断的に連携して取り組むことができない」が4割台と高く、共通の問題となっている。加えて、施策実行以降のステップでは「施策を実行する人材が不十分」も多い。
図4 業務改善・改革プロジェクト
http://www.atpress.ne.jp/releases/43061/img_43061_2.jpg
●上司が部下に目的を明確に伝え、理解させることがプロジェクト成功の一因に
ここで、上司と部下の関係が業務改善・改革の取り組みにどのような影響を及ぼすのかを見てみよう。
まずは上司の指示の出し方からだ。図6では、業務改善・改革に取り組む際の目的を、回答者の上司(経営層含む)が明確に伝えているか尋ねた。「上司が明確に伝えており、その目的を関係者全員が理解している」は半数弱に留まる。半数強は、明確に伝えられていないか、伝えていても部下に理解されていない状況だ。
では、そうした目的の伝達状況によって、プロジェクトにはどのような影響があるのか。
上司が明確に目的を伝え、その内容が周囲に理解されているほど、プロジェクトは予定通りに進みやすい(図7)。また、上司の目的伝達レベルと、過去5年間の業務改善・改革プロジェクトの成果との関係を見ても、目的を関係者全員が理解している方が期待した成果を得られやすいことがわかる(図8)。
次に、回答者からみた上司、部下の姿勢について尋ねた。現場から提案した業務改善・改革プロジェクトに対して、上司は「理解し、支援しようとする」と約半数が回答(図9-1)。一方、上司が指示したプロジェクトに対して、部下は積極的に取り組もうとする(「常に」+「できるだけ」)が7割強だった(図9-2)。部下の取組姿勢の積極度別にプロジェクトの進ちょく率をみると、いずれのステップにおいても、部下が「常に積極的に取り組もうとする」ほど、予定通りに進みやすい。他の影響要因もあると考えられるが、部下の積極性の重要さをうかがわせる結果だ。(図10)
図6 業務改善・改革に取り組む目的を上司が明確に伝えているか
http://www.atpress.ne.jp/releases/43061/img_43061_3.jpg
●他部門(特に情報システム)からの支援があるほど、期待した成果を得やすい
業務改善・改革プロジェクトを進める上での問題は「組織横断的に取り組めない」ことだが、他部門からの支援(取り組み全体を俯瞰した上で、取り組みそのものをサポートすること)は実際にあるのだろうか。今回の調査によると、「他部門からの支援はない」が35%に上った。「経営企画部門」「情報システム部門」から支持を受けているのはそれぞれ3割程度である(図11)。
他部門からの支援の重要性を表しているのが図12だ。過去5年間の業務改善・改革プロジェクトにおいて、他部門からの支援を受けられない場合、「期待した成果を得た(計)」は6割に留まり、全体平均より10ポイント以上低い。
支援を受けた場合は、1部門のみよりも、複数部門から支援を受けた方が、期待した成果を得られた。また、経営企画や業務改革部門以上に情報システム部門からの支援があると、成果につながることも明らかになった。
図12 他部門からの支援別に見た業務改善・改革の成果
http://www.atpress.ne.jp/releases/43061/img_43061_4.jpg
●業務改善・改革を行うにはIT活用が必要、だが当初の想定通りに活用されない懸念も
では、業務改善・改革を行う際、IT活用は必要とされているのだろうか。図13-1は、現時点で改善・改革すべき問題を認識している人に、その業務改善・改革の成果を上げるためにITの活用が必要か否かを尋ねたものだ。約9割が必要性を感じている。しかし、ITを活用する上での課題もある。「ITを活用した仕組みができても、想定通りに活用されない懸念」が6割に上った(図13-2)。
●外部支援を受ける際のネックは費用、次いで、成果への疑問
業務改善・改革を進めるにあたり、組織横断的に取り組めないことや、施策を実行する人材が不十分なことが課題として挙がったが、こうした問題に対して企業・組織内での取り組みが難しい場合、社外の専門家などの支援を受ける方法もある。そこで、外部からの支援を受けたいかを尋ねたところ、「ぜひ」「できれば」を合わせて55%だった(図14-1)。
外部支援を受けたくないと回答した人にその理由を尋ねたところ、「費用がかかるから」が54%と多く、次いで「前例や成功事例がないから」(図14-2)。業務に沿った形で外部からの支援が受けられなかった経験や成果への疑問が自由意見として寄せられた。
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プレスリリース提供元:@Press
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