ノエビアグループは、アミノ酸配合飲料が「精神的ストレス」を軽減することを見出しました
@Press / 2015年5月22日 13時0分
ノエビアグループは、神戸女学院大学大学院人間科学研究科(高岡素子 教授)と東京大学大学院新領域創成科学研究科(大谷勝 前特任教授)との共同研究において、アミノ酸の有効性に関する臨床研究を行っています。
このたび、健康な成人を対象とした試験において、特定のアミノ酸を組み合わせて配合した飲料が、「精神的ストレス」を軽減する作用を示すことを明らかにし、2015年5月14日~18日に行われた「第69回日本栄養・食糧学会大会(第12回アジア栄養学会議(ACN2015)合同開催)」にて発表いたしました。
ノエビアグループの常盤薬品工業株式会社では、この研究成果を今後の商品開発に応用していく予定です。
【研究背景と目的】
日本の労働人口の6割は、なんらかのストレスを感じながら仕事をしていると言われています※1。スマートフォンなどの情報機器の技術革新や、経済状況の悪化、自然災害などにより、仕事や人間関係が要因となる「精神的ストレス」を感じる人も増えています※1。また、ストレス対処能力を上回るストレスが長期間続くと疲労の原因となり、心身の不調につながることも社会問題化しています※2。
こういった社会背景のもと、当社では抗ストレス効果のある製品の開発と研究を進めてきました。
これまで、アミノ酸、特に分岐鎖アミノ酸は、「身体的ストレス」からの回復促進効果が報告されてきましたが(引用文献*A)、本研究では、コンピューターを用いた作業と単純計算作業による「精神的ストレス」に対して、「アミノ酸配合飲料」の作用効果を検証しました。
【研究方法】
試験飲料として分岐鎖アミノ酸BCAA(ロイシン・イソロイシン・バリン)を主体とする8種類のアミノ酸類を配合した「アミノ酸配合飲料」と、アミノ酸が入っていない「プラセボ飲料(偽薬)」の2つを使用し、被験者と実験者ともにいずれか区別できない条件(二重盲検ランダム化クロスオーバー比較試験)で、単回摂取による「精神的ストレス」軽減を目的とした試験を実施しました。
<実験1>
健康な成人女性8名に、前述の2つの試験飲料を異なる日に摂取してもらい、コンピューターを用いた作業負荷として視覚探索課題ATMT(用語説明*1)による精神負荷試験を実施しました。
試験飲料を摂取し、ATMT試験前後に、脳波や唾液中ストレスマーカー等によりストレス状態を評価しました。
<実験2>
健康な成人女性25名に、前述の2つの試験飲料を異なる日に摂取してもらい、内田-クレペリン検査(用語説明*2)による単純計算作業の精神ストレス負荷試験(前半15分、休憩5分、後15分)を実施しました。
単純計算の精神負荷作業の前・中・後で、唾液中ストレスマーカーによりストレス状態を評価しました。
※1 「労働者健康状況調査」2012年厚生労働省 ※2 「職場のメンタルヘルスの状況と課題」2012年厚生労働省
【研究成果】
<実験1>
「プラセボ飲料(偽薬)」摂取後、ATMTを用いたコンピューター作業によるストレス負荷後に脳波測定すると、脳がリラックスしている状態を示す指標(閉眼時脳波α波/β波比)に低下が見られました。一方、「アミノ酸配合飲料」摂取後は、その低下の程度が軽減されていました。これは、「アミノ酸配合飲料」の単回摂取により、コンピューター作業による精神ストレス負荷後でもリラックス状態のレベルが維持される傾向を示しています(図1)。
<実験2>
「プラセボ飲料(偽薬)」摂取後、単純計算作業前半終了直後に採取した唾液中のストレスホルモン「コルチゾール」濃度が上昇しました。一方、「アミノ酸配合飲料」摂取後はコルチゾール濃度が低下していました。
単純計算作業の後半終了後、唾液コルチゾール濃度はいずれの飲料も低減しましたが、「アミノ酸配合飲料」摂取時の唾液コルチゾール濃度は、「プラセボ飲料」摂取時より有意に低い値でした(図2、P<0.05)。これは「アミノ酸配合飲料」単回摂取により、「精神的ストレス」が軽減されたことを示しています(図2)。
■用語説明■
*1 ATMT (Advanced Trail Making Test)
パソコン画面に表示される数字等を、順番に正しく、できるだけ早く押す視覚探索課題。ボタンを探す時間から脳の活動状態を評価する。
*2 内田-クレペリン検査
一桁の数字の足し算を一定時間行う検査。前半15分、後半15分の30分間計算し、各1分単位の計算作業量の変化から性格や適性を診断する。単調な作業を被験者に課すため、精神作業負荷試験として利用される。
■引用文献■
*A Ohtani M, Sugita M, Maruyama K. “Amino acid mixture improves training efficiency in athletes.” Journal of Nutrition, 2006, 136(2): 538S-543S.
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プレスリリース提供元:@Press
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