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仕事の効率を高めたければ、ぼーっとした休憩をこまめに取る【科学が証明!ストレス解消法】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年4月5日 9時26分

【科学が証明!ストレス解消法】#159

 以前よりもテレワークが普及したことで働き方は多様になってきています。しかし、テレワークに関するオハイオ州立大学のダッチャーの論文(2012年)では、単調な作業だと6~10%ほど生産性が低下し、クリエーティブな作業だと11~20%生産性が上がったという報告もあるなどテレワークが特別に優れているとは言えないでしょう。

 どのような働き方をしていても大切なことは「休み方」です。脳は同じ仕事ばかりしていると集中力がなくなってしまいます。

 飽きっぽい脳の気分をリフレッシュさせるためには当たり前ですが休憩をこまめに取ることが重要です。仮に8時間働く場合、大抵3~4時間働いて1時間休憩し、残りの4~5時間働くのが一般的といわれますが、実はこの働き方は正解ではありません。学生時代のように、授業と授業の間に短い休憩を取るような働き方が、パフォーマンスを最大化させるためには必要なのです。

 学習・習熟を必要とする仕事であれば、こまめに休憩を取ることが効果的だという実験結果があります。アメリカ国立神経疾患・脳卒中研究所のブンストラップらの研究(19年)で、被験者は10秒間のタイピング課題を行ったあと、10秒間の休憩を取るルーティンを35回実行しました。

 その結果、休憩を取らずにタイピングしたときよりも、10秒間休憩したほうが課題の習熟度が高くなったといいます。また、翌日の習熟度チェックでは、休憩中に脳における記憶の定着が行われていたこともわかりました。

 これまでは覚えたことを定着させるために睡眠が重要だといわれてきましたが、この実験結果によって、覚えたことを脳に定着させる活動が休憩中に活発に行われていたことが示唆されたのです。効率よくやりたいときこそ、タイマーや砂時計などを使って時間を区切って、こまめに休憩を取る。それが大切というわけです。

 では、休憩中にどんなことをすればいいのか?

 イリノイ州立大学アーバナシャンペイン校のキムらが80人以上の韓国人を対象に行った調査(16年)を紹介しましょう。休憩時間に行ったことが、昼食後、終業後にどのような影響があるかを10日間にわたって記録し、次の3点が判明しました。

①ぼーっとする、ストレッチをするなど「リラックス系」の活動、もしくは同僚とのおしゃべりなどの「社交系」の休憩をする↓仕事の大変さを軽減させることに役立つ

②新聞を読む、メールをチェックするなど「認知活動系」↓昼食後の仕事を大変だと感じやすくなり、終業後の疲労感が高まる

③お菓子を食べる、飲み物を飲むなど「おやつ・飲料系」の活動↓基本的には無効果。ただ、カフェインの摂取は仕事の大変さを軽減させることに役立つ

 また、スマホでネットサーフィンやSNSなどの利用をランチタイムにしていると、散歩をしたり、人と会話したりするよりも、午後に精神的な疲労を感じやすくなることがわかったそうです。

 いかに脳をリフレッシュさせるか、休み方こそ心がけてください。

(堀田秀吾/明治大学教授、言語学者)

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