梅雨到来!雨天時走行の注意点とは
バイクのニュース / 2022年6月9日 13時0分
いよいよ梅雨本番となり、これから雨が降る日が増えてきます。雨天時にバイクを運転する際は、どういった点に注意すれば良いのでしょうか。
■雨天時でのバイク走行、どんな点に注意すべき?
バイクはクルマのようにボディで覆われていないため、雨天時の走行では全身に雨粒を浴びてしまうほか、スリップなどを起こしやすく事故などの危険性が高まります。
そのため、雨が多くなる梅雨や天候が急変しやすい夏に向けて、雨天時にバイクで走行する際の注意点や対策を知っておくことは重要ですが、いったいどのような点に注意すべきなのでしょうか。
雨の日の走行は、普段よりもスピードを抑えて、車間距離を多くとりブレーキやアクセル操作を丁寧におこないましょう
まず、雨で滑りやすくなっている路面での急ブレーキや急加速、急ハンドルはスリップしやすく非常に危険です。普段よりもスピードを抑えて、車間距離を多くとりブレーキやアクセル操作を丁寧におこなうことで、スリップを未然に防ぎやすくなります。
天候に関係なく、フロントブレーキをいきなり強くかけるとロックしてスリップしやすくなるため、ブレーキ操作は、じんわりかけるようにして徐々に強く握り込むと安心です。
特に雨の日は、前後のタイヤをバランスよく同時にかけるようにすると、車体が安定してロックせず高い制動力を発揮できます。雨がいつ降ってもすぐ対応できるように、普段から安全を意識した運転操作をしておくことが大切です。
マンホールは、鉄で作られているため、濡れると非常に滑りやすくなり危険です
また、雨の日に特に滑りやすい場所の代表格として、マンホールが挙げられます。マンホールは、交差点やカーブの途中など、道路上のいたるところに設置されていますが、鉄で作られているため、濡れると非常に滑りやすくなり危険です。
雨の日は、できるだけマンホールの上を通過しないことが重要ですが、やむを得ず通過するときは、車体をまっすぐな状態にキープし、ブレーキをかけたり、ハンドルの操作をしないことが求められます。
中でも、カーブの途中にあるマンホールは、車体が傾いた状態で通過するためスリップしやすくなります。カーブの手前では、前方の路面を十分に確認しながら、できるだけマンホールを避けて運転することが大切です。また、横断歩道や路側帯などの白線も、濡れると滑りやすい場所といえます。交差点などで白線上を走行する際は、手前で十分にスピードを落とし、曲がるときは車体を起こし気味に通過しましょう。
グレーチングと呼ばれる鉄製の排水溝の蓋も滑りやすい場所のひとつです
その他にも、グレーチングと呼ばれる鉄製の排水溝の蓋も滑りやすい場所として挙げられます。網目状のため、タイヤとの接地面が少なく、濡れるとマンホール以上に滑りやすくなる、危険な場所のひとつです。道路脇やアンダーパスの下った場所などに多く設置されており、通るときは十分に注意する必要があります。
さらに、工事現場などに設置されている鉄板や、橋や道路の継ぎ目に使われている金属プレート、線路のレールなども雨の日は特に滑りやすくなります。
ちなみに、落ち葉は乾いた路面でも滑りやすいですが、雨が降ると道路に張り付き、さらに滑りやすくなってしまいます。ツーリングなどで山間部を走るときはもちろん、都心部でも街路樹が植えられた道路は落ち葉が溜まりやすいため、慎重に走行しなければなりません。
このように、雨天時は滑りやすい場所が増えるため、ライダーにはより一層慎重な運転が求められます。
レインスーツは、雨で服や身体が濡れるのを防ぎ、冷たい雨風にあたって身体が冷えるのを防いでくれます
また、いつ雨に降られても大丈夫なように、常に雨具を携帯しておくことも重要です。中でもレインスーツは、雨で服や身体が濡れるのを防ぐほかに、冷たい雨風にあたって身体が冷えるのを防いでくれる役目があります。
レインスーツの性能を表すものとして、耐水性は、どれだけ水を通さないかの目安である「耐水性」と、水分は通さないがウェア内の水蒸気は逃がす機能を指す「透湿性」があります。
耐水性の目安としては、通常の走行で耐水圧10,000mm、高速道路での80km/h走行で耐水圧20,000mmほどあれば良いといわれています。また、透湿性が備わっている雨具は汗などを外に逃がしてくれるため、長時間の着用でも蒸れずに快適な着心地をキープできるメリットがあります。
レインスーツは上着の上に重ね着するので、普段着よりもワンサイズ大きめのものを選ぶと良いかもしれません。また、グローブや靴が濡れてしまうと手足が冷えて、ハンドル操作に悪影響を及ぼしかねません。そのため、レインスーツ同様に、防水対策のされたグローブとブーツを用意しておくと安心です。
それに加えて、雨の日はヘルメットのシールドに水滴がついたり、シールドの内側が曇ってしまい視界が悪くなります。これを防ぐためにも、あらかじめシールドの外側に撥水スプレーをしておくと、水滴をはじいてクリアな視界をキープできます。また、シールドの内側に取り付けるピンロックシールドを使用する方法もあります。これは、シールドが二重構造になることで、外気と自分の吐く息が触れ合わないため、曇りにくくなるのです。
タイヤの溝がすり減ってスリップサインが出ていると、雨の日は特に排水性能が低下し、スリップしやすくなります
最後に、走行前に必ずチェックしておきたいのがタイヤです。タイヤの溝がすり減ってスリップサインが出ていると、雨の日は特に排水性能が低下し、スリップしやすくなります。
また、タイヤはゴムでできているため、紫外線などの影響でゴムの柔軟性が次第に失われていきます。そのため、溝がしっかり残っていても、古いタイヤは本来の性能を発揮できずスリップしやすくなってしまいます。使用開始から5年以上経っているタイヤは寿命と考え、早めに交換すると良さそうです。
※ ※ ※
雨の日にバイクを運転する場合は、滑りやすい場所に注意し普段よりもスピードを落として走行することが大切です。また、あらかじめ雨対策のアイテムを揃えたり、タイヤのチェックも忘れずにおこなうことで、さらに安全性が高まります。
雨が多い時期でも安心してバイクライフを楽しめるように、しっかりポイントを押さえることが求められそうです。
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