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バイクにもABS機能ってある?どんなメリットがあるのか

バイクのニュース / 2024年2月29日 19時10分

搭載が義務化されたことによって、「ABS」はライダーにとても身近な存在になりました。しかしABSがどのような役割を担っているのか、どのようなメリットがあるのかなどを正確に把握している人はそう多くないかもしれません。では、ABSがバイクに搭載されていることでどのようなメリットが生じるのでしょうか。

■クルマに装着されるイメージがある「ABS」、バイクにもあるの?

「ABS」はクルマに多く搭載されているイメージがあるかもしれませんが、現在では125cc超のバイクにも標準装備が義務化されています。ABSとは「アンチロックブレーキシステム」の略で、ブレーキを強くかけたときに、タイヤがロックするのを防いで安全に停止できるようにサポートするブレーキ補助装置のことです。

現在では125cc超のバイクにも標準装備が義務化されている「ABS」現在では125cc超のバイクにも標準装備が義務化されている「ABS」

 タイヤのロックとは、急ブレーキをかけた際にブレーキの制動力がタイヤのグリップ力を越えてしまい、タイヤの回転が止まってしまうこと。そうなるとバイクが路面を滑ってしまう状態になるので、ハンドルのコントロールを失って転倒しやすくなり大変危険です。

 ABSが搭載されていると、センサーが前後のホイールの回転差でタイヤの状況を検知します。そしてタイヤがロックしそうになると、自動でブレーキを緩めたり強めたりを瞬時に繰り返し、ロックを未然に回避し転倒を防いでくれるというわけです。

 つまりABSは、強くブレーキをかけすぎた時に繊細なブレーキ操作をセンサーがライダーの代わりにおこない、安全に停止できるようにサポートしてくれる機能と言えます。

 また前述のように、日本のバイクのABSは2018年10月1日以降に販売されるバイクを対象に装着が義務化されました。継続生産車については2021年10月1日から義務化が始まっています。

 ABSシステムの世界的企業のボッシュ社によると、「ABSを標準装備化することで、命にかかわるバイク事故の4分の1が防止できる」と発表。この調査結果をもとに保安基準の見直しがおこなわれ、日本でも本格的にABSが義務づけされるようになりました。

 では、ABSがバイクに搭載されていると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

CBR600RR ABSシステムイメージ(参照:ホンダHP)CBR600RR ABSシステムイメージ(参照:ホンダHP)

 ABSが付いていると、急激なブレーキ操作をしてもタイヤがロックせず、バランスを崩すことなく安全に減速できます。たとえば自転車が飛び出してきたり、ネコなどの動物が突然前を横切ったりすると、無意識にブレーキを力一杯かけてしまうものですが、そのような緊急事態でもタイヤをロックさせずにバイクを停止させることができます。

 また、路面の状況に左右されずに安定して停止することが可能です。たとえば、雨で濡れていたり砂利道など走りにくい路面でも、ABSがあることで状況に応じて安定した制動力を発揮します。

 さらに、ABSがあるとブレーキ操作に安心感が得られるようになるので、その分ハンドルやアクセルなどの操作に意識を向けてライディングに集中できます。ブレーキングはバイクの操作のなかでもコントロールが難しい部分なので、とくに初心者でバイクに慣れてない人でも安心して運転することが可能です。

 このようにABSにはさまざまなメリットがありますが、搭載されていることでデメリットになることもあります。

ボッシュのモーターサイクル用ABSボッシュのモーターサイクル用ABS

 ABSに使われているセンサーやコントロールユニットは高価なパーツなので、車両価格が高い傾向にあります。ABS非搭載のバイクに比べても、3万円から5万円ほど高くなる傾向がありますが、ABSが義務化されたことで普及が進み、将来的には価格が下がっていく見込みのようです。

 またABSが装着されている分、重量アップも避けられません。以前に比べれば軽量化されていますが、それでも3kgから5kgほど重くなってしまいます。重量のある大型車であれば気にならないレベルですが、小型バイクでは車体が軽いほど、加速やコーナリングで違和感を感じるかもしれません。

CBR600RR バンク角に応じたブレーキ圧制御イメージ(参照:ホンダHP)CBR600RR バンク角に応じたブレーキ圧制御イメージ(参照:ホンダHP)

 そのほか、スポーツ走行でカーブで車体を倒したときに、前後のタイヤの回転差にセンサーが誤作動してしまい、不要な場面でABSが介入してしまうこともあります。そのためサーキットをよく走るというライダーは、自分の思い通りの走行ができない場合があるので注意が必要です。ABSはあくまでも、一般道を想定した事故防止の安全システムであることを理解しておく必要があります。

 なお、50cc超125cc以下の原付二種については、ABSのほかに「CBS」でも良いことになっています。

 CBSとは、「コンバインドブレーキシステム」の略で、前後どちらかのブレーキをかけると、もう片方のブレーキが自動的にかかる安全装置のこと。ABSよりも構造がシンプルで価格も安いため、原付などの小型バイクを中心に採用されています。

 ABSが緊急時だけ作動するのに対して、CBSはブレーキをかけるたびにライダーの運転をサポートします。そう考えるとバイクに慣れていない初心者ライダーは、ABSよりもCBSのほうが安心して運転できるかもしれません。

※ ※ ※

 ABSは、急ブレーキをかけてもタイヤがロックしないため、バイクの転倒を防いでくれる優れたシステムです。ただし、ABSが搭載されていても100%安全に停止できるわけではありません。

 そのためABSを過信せず、あくまでも万が一のときのサポート機能であることを忘れないようにして、常に安全運転を心掛けるようにしましょう。

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